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令和8(2026)年度税制改正大綱(資産税関連)

令和7(2025)年12月19日に、自由民主党及び日本維新の会から、令和8(2026)年度の税制改正大綱が公表されました。
本稿では、特に資産税関連の主な項目について解説します。

また、下記の内容を織り込んだ税制改正法案は、閣議決定を経て、例年1月下旬に国会に提出され、国会での審議を経て3月下旬に成立しています。

本稿は、その確定前の段階の解説であることにご留意ください。

税制改正の基本的考え方(大綱P1)

主な税制改正の内容

  • 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直し等(大綱40頁)
  • 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直し等(大綱45頁)
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の見直し等(大綱45頁)
  • 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)の見直し(48頁)
  • 金融商品取引法等の改正を前提とした措置(大綱52頁)
  • 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等の見直し(大綱54頁)
  • 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の終了(大綱65頁)
  • 非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度に係る特例承継計画の提出期限の延長(大綱65頁)
  • 相続税等の財産評価の適正化(大綱82頁)

令和8年度税制改正の基本的考え方

令和8年度税制改正が目指しているもの

「経済あっての財政」の方針に基づき、大胆な「危機管理投資」、「成長投資」による力強い経済成長の実現(大綱1頁)

そのための戦略

  • 足元の物価高への対応(大綱1頁)
  • 「強い経済」を実現(大綱2頁)
  • 「世界で輝く日本」の実現(大綱2頁)
  • 的を絞り、メリハリを明確にすることでインセンティブを大胆に強化した租税特別措置等(大綱2頁)
  • 税制の公平性の確保(大綱2頁) 等

令和8年度 税制改正解説|主な改正事項等

〇印を付したものについて、説明しています。

所得課税基礎控除等の見直し
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の見直し等
○優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直等
短期所有土地の譲渡等をした場合の土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例の見直し等
マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正に伴う見直し等
地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律の改正を前提とした特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の見直し
低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の100万円特別控除の適用期限の延長
特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限の延長
既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除の見直し等
既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の見直し等
認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除の見直し等
○特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直し等
○居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の見直し等
特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の廃止
特定住宅被災市町村の区域内の土地等を地方公共団体等に譲渡した場合の2,000万円特別控除の見直し等
○非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)の見直し
○金融商品取引法等の改正を前提とした措置
同族会社の役員等が、その同族会社以外の法人(以下「特定法人」という。)が発行した社債の利子で、実質的にその同族会社から支払を受けるものと認められる場合における当該利子を、総合課税の対象とする見直し
勤労者財産形成住宅貯蓄非課税制度の見直し
○特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等の見直し
特定の基準所得金額の課税の特例の見直し
青色申告特別控除の見直し
山林所得に係る森林計画特別控除の適用期限の見直し
特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)の見直し
通勤のため自動車その他の交通用具を使用することを常例とする者が受ける通勤手当の見直し
所得税法及び租税特別措置法等の規定による本人確認の方法の見直し
公的年金等に係る雑所得の見直し
小規模企業共済等掛金控除の証明書等の添付又は提示に代えてその記載事項を記載した明細書を確定申告書の提出の際に添付できる措置の見直し
寄附金の損金不算入制度の見直し
資産課税○直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の終了
○非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度に係る特例承継計画の提出期限の延長
○相続税等の財産評価の適正化
相続財産を贈与した場合の相続税の非課税制度の見直し
個人の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度に係る個人事業承継計画の提出期限の延長
医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の見直し等
農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の適用に係る農地等を収用交換等により譲渡した場合に利子税の全額を免除する措置の適用期限の延長
令和8年4月1日から令和10年3月31日までの間に重点的に医師の確保を図る必要がある区域のうち一定の区域内で承継又は開設する一定の要件を満たす診療所の用に供する不動産を取得した場合における当該不動産の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の見直し
地盤の液状化により被害を受けた土地(一定のものに限る。)について、地籍調査により作成された地図における当該土地の境界を当該土地の筆界とするための分筆がされた場合において、当該分筆後の土地に隣接する他の土地の所有権の登記名義人が当該分筆後の土地の所有権を取得したときにおける当該土地の所有権の移転登記に対する登録免許税を免税とする措置の見直し
土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限の延長
マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置の見直し等
農用地利用集積等促進計画に基づき農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限の延長
農地中間管理機構が農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限の延長
金融機能の強化のための特別措置に関する法律の改正を前提に、同法に規定する経営強化計画等に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の見直し等
医療機関の開設者が再編計画に基づき不動産を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限の延長
都市緑化支援機構が土地を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の免税措置の適用期限の延長
認定民間都市再生事業計画(当該計画に係る認定が国家戦略特別区域法の規定により国土交通大臣の認定があったものとみなされるものである場合における当該計画を含む。(14)において同じ。)に基づき都市再生緊急整備地域内に特定民間都市再生事業の用に供する建築物を建築した場合の所有権の保存登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の見直し等
認定民間都市再生事業計画に基づき特定都市再生緊急整備地域内に特定民間都市再生事業の用に供する建築物を建築した場合の所有権の保存登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の見直し等
東日本大震災の被災者等が新築又は取得をした建物に係る所有権の保存登記等に対する登録免許税の免税措置の見直し等
東日本大震災の被災者等が被災代替建物に係る土地を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置の見直し等
金融商品取引法の改正を前提に、顧客財産管理人(仮称)による業務及び財産の管理を命ずる処分の登記等に対する登録免許税を非課税とする措置を講ずる
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の見直し
法人課税特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
研究開発税制の見直し等
給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度の見直し等
戦略分野国内生産促進税制の見直し等
大企業につき研究開発税制等の生産性の向上に関連する税額控除の規定(特定税額控除規定)を適用できないこととする措置の見直し等
特定事業活動として特別新事業開拓事業者の株式の取得をした場合の課税の特例の見直し等
地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の見直し等
中小企業技術基盤強化税制の見直し等
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の見直し等
企業グループ間の取引に係る書類保存の特例の創設
カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の見直し等
マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正に伴う見直し
法人の一般の土地譲渡益に対する追加課税制度の見直し等
短期の土地譲渡益に対する追加課税制度の見直し等
特定の医療法人の法人税率の特例の見直し
認定株式分配に係る課税の特例の見直し
企業立地促進区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の見直し等
企業立地促進区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の税額控除制度の見直し等
公益法人等の収益事業に係る課税の見直し
寄附金の損金不算入制度の見直し
企業再生に関する税制の見直し
国境を越えた電子商取引に係る課税の見直し
消費課税適格請求書等保存方式に係る経過措置の見直し
暗号資産に係る課税関係の見直し
一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除を認める再生資源等に係る特例の見直し
非居住者に対して行う国内に所在する不動産に係る役務の提供等について、消費税の輸出免税の適用対象の見直し
金又は白金の地金の課税仕入れに係る仕入税額控除の要件の見直し
グローバル・ミニマム課税への対応
国際課税外国子会社合算税制等の見直し
外国組合員に対する課税の特例の見直し
防衛力強化防衛特別所得税(仮称)の創設
納税環境整備国税犯則調査手続等の見直し
検討事項年金課税について、拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討
デリバティブ取引に係る金融所得課税の更なる一体化について、これまでの検討の成果を踏まえ、総合的に検討
小規模企業等に係る税制のあり方について、給与所得控除などの「所得の種類に応じた控除」と「人的控除」のあり方を全体として見直すことを含め、所得税・法人税を通じて総合的に検討

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直等(大綱40頁)

現行制度

売却した年の1月1日において、所有期間が5年を超える土地等を優良住宅地の造成等のために譲渡した場合には、分離課税の長期譲渡所得に対する税率を軽減する(措法31の2)。
課税長期譲渡所得金額について次の税率が適用

  • ⑴ 課税長期譲渡所得金額が2,000万円以下のとき

    課税長期譲渡所得金額×10%=所得税

  • ⑵ 課税長期譲渡所得金額が2,000万円を超えるとき

    (課税長期譲渡所得金額-2,000万円)×15%+200万円=所得税

改正のポイント

優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。

  • ① 地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の改正を前提に、適用対象に、承認地域経済牽引事業用地整備(仮称)を行う承認地域経済牽引事業用地整備者(仮称)に対する土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等が当該承認地域経済牽引事業用地整備の用に供されるものを加える。
  • ② 都市計画区域内における一定の一団の住宅又は中高層耐火共同住宅の建設を行う者に対する土地等の譲渡について、その建設される耐火構造を有する住宅の建築費単価上限額の要件を160万円/3.3㎡(現行:100万円/3.3㎡)に引き上げる。
  • ③ 適用対象から密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の認定建替計画に従って建築物の建替えの事業を行う認定事業者に対する土地等の譲渡を除外する。
  • ④ 次に掲げる土地等の譲渡について、譲渡した土地等がその譲渡の時において地すべり防止区域等内に存する場合には、本特例の適用ができないこととする。
  • イ 都市計画法の開発許可を受けて行う一定の一団の住宅地の造成を行う者に対する土地等の譲渡

  • ロ 都市計画法の開発許可を要しない一定の一団の住宅地の造成を行う者に対する土地等の譲渡ハ都市計画区域内における一定の一団の住宅又は中高層耐火共同住宅の建設を行う者に対する土地等の譲渡

    1. (注)上記の「地すべり防止区域等」とは、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域及び浸水被害防止区域をいう。

      (注)上記④の改正は、令和10年1月1日以後に行う土地等の譲渡について適用する。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の見直し等(大綱45頁)

現行制度

所有期間10年超の居住用財産の譲渡をし、一定の期間内に居住用財産の取得をして自己の居住の用に供した場合において、その譲渡した資産に係る譲渡所得については、一定の要件の下で、3,000万円特別控除との選択により、取得価額の引継ぎによる課税の繰延べができる(措法36の2)。

改正のポイント

買換資産が建築後使用されたことのない家屋である場合の要件に、その家屋を令和10年1月1日以後に居住の用に供したとき又は供する見込みであるときには、その家屋が災害危険区域等内に存するもの(当該家屋に係る建築確認を受けた時において、当該家屋の新築をする土地の全部が災害危険区域等に含まれないものを除く。)でないことを加えた上、その適用期限を2年延長する。
(注)上記の改正は、令和8年1月1日以後に行う譲渡資産の譲渡に係る買換資産について適用する。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の見直し等(大綱45頁)

現行制度

所有期間5年超の居住用財産の譲渡をしたことにより生じた譲渡損失については、一定の期間内に買換資産を取得して居住の用に供することなどの一定の要件の下で、その年の他の所得と損益通算することができる。また、その損失を控除しきれなかった場合は、その年の翌年以後3年内の各年分の総所得金額等の計算上控除することができる(措法41の5)。

改正のポイント

買換資産が建築後使用されたことのない家屋である場合の要件に、その家屋を令和10年1月1日以後に居住の用に供したとき又は供する見込みであるときには、その家屋が災害危険区域等内に存するもの(当該家屋に係る建築確認を受けた時において、当該家屋の新築をする土地の全部が災害危険区域等に含まれないものを除く。)でないことを加えた上、その適用期限を2年延長する。
(注)上記の改正は、令和8年1月1日以後に行う譲渡資産の譲渡に係る買換

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)の見直し(大綱48頁)

現行制度

18歳以上(口座開設の年の1月1日現在)の居住者等が、非課税口座に係る特定累積投資勘定(つみたて投資枠)及び特定非課税管理勘定(成長投資枠)で取得した上場株式等について、その配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益を非課税とする(措法9の8、9の9、37の14、37の14の2等)。

改正のポイント

次の措置を講ずる。

  • ① 非課税口座の口座開設可能年齢の下限を撤廃する。
  • ② 特定非課税累積投資契約に係る非課税措置について、次の措置を講ずる。
  • イ 上記①の改正にあわせ、非課税口座に未成年者特定累積投資勘定を設けられることとするとともに、特定非課税管理勘定は未成年者特定累積投資勘定とは同時に設けられないこととする。
    (注)上記の「未成年者特定累積投資勘定」とは、特定累積投資勘定のうち、令和9年以後の各年(居住者等が、その年1月1日において18歳未満である年及び出生した日の属する年に限る。)に設けられるものをいう。

  • ロ 未成年者特定累積投資勘定には、特定累積投資勘定に受け入れることができる公募等株式投資信託(株式投資信託で、その受益権が金融商品取引所に上場等がされているもの又はその設定に係る受益権の募集が一定の公募により行われたものをいう。以下同じ。)の受益権のうち次に掲げるもののみを受け入れることとする。

    1. (イ)その居住者等の非課税口座に未成年者特定累積投資勘定が設けられた日から同日の属する年の12月31日までの間に当該非課税口座が開設された金融商品取引業者等への買付けの委託等により取得した公募等株式投資信託の受益権で、当該期間内の取得対価の額の合計額が60万円を超えないもの(公募等株式投資信託の受益権を当該未成年者特定累積投資勘定に受け入れた場合に、当該合計額及び未成年者特定累積投資勘定に前年末に受け入れている株式投資信託の受益権の購入の代価の額等の合計額が600万円を超えることとなるときにおける当該公募等株式投資信託の受益権を除く。)

    2. (ロ)その未成年者特定累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の受益権の分割等により取得する公募等株式投資信託の受益権

    3. (注)未成年者特定累積投資勘定については、その設けられるべき金融商品取引業者等の営業所に開設している非課税口座以外の非課税口座に設けることはできないこととする。

  • ハ 未成年者特定累積投資勘定で管理される公募等株式投資信託につき支払を受ける配当等及び当該公募等株式投資信託の受益権の譲渡の対価等については、非課税口座を開設した居住者等がその年3月31日において18歳である年(以下「基準年」という。)の前年12月31日までは、特定課税未成年者口座において管理しなければならないこととする。

    1. (注)上記の「特定課税未成年者口座」とは、当該居住者等が非課税口座を開設している金融商品取引業者等の営業所(当該金融商品取引業者等の関連会社の営業所を含む。)に開設した預貯金口座又は預り金の管理口座をいう。

  • ニ 未成年者特定累積投資勘定で管理される公募等株式投資信託の受益権は、非課税口座を開設した居住者等の基準年の前年12月31日までは、当該公募等株式投資信託の受益権を当該非課税口座以外の口座に払い出すことはできないこととする。ただし、次に掲げる年の区分に応じそれぞれ次に定める場合は、この限りでない。

    1. (イ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年の前年以前の各年 当該居住者等が、その居住する家屋が災害により全壊したことその他これに類する事由(当該事由が生じたことにつき税務署長の確認を受けた場合に限る。)に基因して当該未成年者特定累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の受益権及び特定課税未成年者口座内の金銭等の全てを払い出す場合

    2. (ロ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年以後の各年 上記(イ)に定める場合及び当該居住者等が、当該非課税口座が開設された金融商品取引業者等に払出しの基因となる事由(当該居住者等に係る学校等の入学金又は授業料その他の当該居住者等の教育費又は生活費の支払に限る。以下「特定事由」という。)その他の事項を記載した書類を提出して当該公募等株式投資信託の受益権を払い出す場合

      (注)上記の書類提出手続は当該居住者等の親権者等が行うとともに、上記の書類には特定事由に基因して払い出すことについて当該居住者等の同意を得たことを証する書類を添付しなければならない(下記ホ(ロ)の書類提出手続についても同様とする。)

  • ホ 特定課税未成年者口座内の金銭等は、当該特定課税未成年者口座を開設した居住者等の基準年の前年12月31日までは、その金銭等を非課税口座における投資に用いる場合を除き、当該特定課税未成年者口座から払い出すことはできないこととする。ただし、次に掲げる年の区分に応じそれぞれ次に定める場合は、この限りでない。

    1. (イ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年の前年以前の各年 上記ニ(イ)に定める場合

    2. (ロ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年以後の各年 上記(イ)に定める場合及び当該居住者等が、当該特定課税未成年者口座が開設された金融商品取引業者等に特定事由その他の事項を記載した書類を提出して当該金銭等を払い出す場合

  • ヘ 非課税口座及び特定課税未成年者口座を開設した居住者等が基準年の前年12月31日までに、これらの口座の公募等株式投資信託の受益権及び金銭等をこれらの口座から上記ニ及びホの取扱いに反する払出しをした場合等には、当該払出しがあった日において公募等株式投資信託の受益権の譲渡又は公募等株式投資信託の配当等の支払があったものとして、次の金額に対して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により源泉徴収(特別徴収)を行うこととする。

    1. (イ)次に掲げる金額の合計額から、当該非課税口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に当該非課税口座において取得した公募等株式投資信託の受益権の取得対価の額等の合計額を控除した金額

      1. a 当該非課税口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に、当該非課税口座において行われた公募等株式投資信託の受益権の譲渡に係る譲渡対価の額の合計額

      2. b 当該払出しがあった日において当該非課税口座において有する公募等株式投資信託の受益権の価額(時価)の合計額

    2. (ロ)当該非課税口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に当該非課税口座において支払を受けた公募等株式投資信託の配当等の額の合計額
      (注)上記(イ)の譲渡所得等の金額の計算上損失が生じた場合には、その生じた損失の金額はなかったものとみなす。また、上記(ロ)の配当所得の金額から控除することもできない。

  • ト 上記ヘにより源泉徴収された公募等株式投資信託の受益権に係る譲渡所得等の金額は、確定申告不要制度を適用できることとする。

  • チ 上記ヘによる源泉徴収を行う金融商品取引業者等は、当該源泉徴収に係る税額その他の事項について記載した報告書を作成し、これを上記ヘの払出しがあった日の属する月の翌月末日までに、当該居住者等に交付しなければならないこととする。

  • ③ 特定累積投資勘定に受け入れることができる公募株式投資信託の受益権及び上場株式投資信託の受益権について、次の措置を講ずる。
  • イ 指定インデックス投資信託及び上場株式投資信託に係る指定指数について、次の措置を講ずる。

    1. (イ)指定指数の範囲に、次に掲げる指数を加える。

      1. a 読売株価指数

      2. b JPXプライム150指数

    2. (ロ)指定インデックス投資信託の対象となる株式に係る指定指数のうち、投資信託約款において2以上の指定指数に採用されている資産に投資を行う旨等の定めがあることとの要件が適用されるものについて、投資信託約款において1の指定指数に採用されている資産に投資を行う旨等の定めがあることとの要件が適用される指定指数とするとともに、上場株式投資信託の対象となる指定指数に加える。

  • ロ 指定インデックス投資信託以外の公募株式投資信託の主たる投資の対象資産に係る要件について、対象資産を株式又は公社債(現行:株式)とする。

  • ハ 公募株式投資信託の受益権及び上場株式投資信託の受益権の譲渡等の手数料に係る要件について、対象となる手数料の範囲から、これらの投資信託の受益者が金融商品取引業者等と締結したこれらの投資信託の受益権の定期的かつ継続的な方法による譲渡等に関する契約に基づき当該受益者が当該金融商品取引業者等に対して支払う当該譲渡等の手数料で、通常必要と認められるものを除外する。

  • ④ 非課税累積投資契約に係る非課税措置及び特定非課税累積投資契約に係る非課税措置について、金融商品取引業者等が行う基準経過日における非課税口座を開設している居住者等の住所等の確認に係る措置を廃止する。
  • (注)上記の廃止に伴い、金融商品取引業者等において、非課税口座を開設している居住者等の住所等の変更の有無等を確認し、その変更の可能性がある居住者等から一定期間内に非課税口座異動届出書の提出等がなかった場合には当該口座に係る特定累積投資勘定等に上場株式等を受け入れないこととする等の運用上の対応を行うほか、当該特定累積投資勘定等に上場株式等を受け入れないこととした場合には、その年の当該口座に係る非課税口座年間取引報告書にその旨を記載することとする。

⑤その他所要の措置を講ずる。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
金融商品取引法等の改正を前提とした措置(大綱52頁)

措置のポイント

次の措置を講ずる。

  • ① 居住者等が、暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限る。以下「特定暗号資産」という。)の譲渡等をした場合には、その譲渡等による譲渡所得等については、他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により課税する。
  • ② 暗号資産取引業を行う者は、その年中に特定暗号資産の取引を行った居住者等の氏名、住所及び個人番号、その取引に係る特定暗号資産の名称その他の事項を記載した報告書を、その取引があった日の翌年1月31日までに、税務署長に提出しなければならないこととする。
  • ③ 特定暗号資産を暗号資産取引業を行う者に対して譲渡等をしたことにより生じた損失の金額のうちに、その譲渡等をした日の属する年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額があるときは、一定の要件の下で、その控除しきれない金額についてその年の翌年以後3年内の各年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額からの繰越控除を可能とする。
  • ④ 先物取引に係る雑所得等の課税の特例及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用対象に、暗号資産デリバティブ取引(特定暗号資産に係るものに限る。以下「特定暗号資産デリバティブ取引」という。)に係る雑所得等を加える。
  • ⑤ 投資信託及び投資法人に関する法律施行令の改正を前提に、次の措置を講ずる。
  • イ 上場証券投資信託等の償還金等に係る課税の特例の適用対象に、一定の投資信託を加える。
  • ロ 一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例等の対象となる株式等の範囲に、特定暗号資産を投資の対象とする投資信託の受益権を加える。
  • ⑥ 総合課税の譲渡所得の基因となる暗号資産について、次の措置を講ずる。
  • イ 当該暗号資産の譲渡益について、譲渡所得の特別控除額を控除しないこととする。
  • ロ 当該暗号資産については、5年を超えて保有した資産に係る譲渡所得の金額の計算上2分の1とする措置を適用しないこととする。
  • ハ 当該暗号資産に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、他の総合課税の対象となる所得との損益通算を適用しないこととする。
  • ⑦ その他所要の措置を講ずる。

    (注1)上記①及び③の改正は、金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日(以下「適用開始日」という。)以後に行う特定暗号資産の譲渡等について適用する。

    (注2)上記②の改正は、適用開始日の属する年の翌年の1月1日以後に行う特定暗号資産の取引について適用する。

    (注3)上記④の改正は、適用開始日以後に行う特定暗号資産デリバティブ取引に係る差金等決済について適用する。

    (注4)上記⑥の改正は、金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年分以後の所得税について適用する。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等の見直し(大綱54頁)

現行制度

居住者等が、金融商品取引業者等に特定口座を開設した場合に、その特定口座内の上場株式等の譲渡による譲渡所得等の金額については、特定口座外で譲渡した他の株式等の譲渡による所得と区分して計算する。また、特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収を選択した場合には、その特定口座内の上場株式等の譲渡による所得を申告不要とすることができる(措法37の11の3から37の11の6)。

改正のポイント

特定口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に、持株会契約等に基づき取得した上場株式等で、当該持株会契約等に基づき持株会等口座が開設されている金融商品取引業者等との間に支配関係がある他の金融商品取引業者等の営業所に開設されている特定口座に受け入れられるものを加える。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の終了(大綱65頁)

現行制度

受贈者(教育資金管理契約を締結する日において30歳未満の人に限ります。)が、教育資金に充てるため、金融機関等とのその教育資金管理契約に基づき、贈与者(受贈者の直系尊属である父母や祖父母など。)から信託受益権を取得した場合、書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合または書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等において有価証券を購入した場合には、その信託受益権または金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して教育資金非課税申告書の提出等をすることにより、受贈者の贈与税を非課税とする(措法70の2の2、70の2の5)。

改正のポイント

令和8年3月31日までとされている教育資金管理契約に基づく信託等可能期間を延長せずに終了することとし、同日までに拠出された金銭等については、引き続き本措置を適用できることとする。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度に係る特例承継計画の提出期限の延長(大綱65頁)

現行制度

後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度で、平成30年度税制改正において、10年間の措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)等がされた特例措置が創設された(措法70の7の6から70条の7の8)。

改正のポイント

特例承継計画の提出期限を1年6月延長する。

令和8年度 税制改正解説 | 資産課税
相続税等の財産評価の適正化(大綱82頁)

見直しのポイント

相続税法の時価主義の下、貸付用不動産の市場価格と相続税評価額との乖離の実態を踏まえ、その取引実態等を考慮し、次の見直しを行う。

  • ① 被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得又は新築をした一定の貸付用不動産については、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価する。

    (注)上記の課税時期における通常の取引価額に相当する金額については、課税上の弊害がない限り、被相続人等が取得等をした貸付用不動産に係る取得価額を基に地価の変動等を考慮して計算した価額の100分の80に相当する金額によって評価することができることとする。

  • ② 不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産については、その取得の時期にかかわらず、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価する。

    (注)上記の課税時期における通常の取引価額に相当する金額については、課税上の弊害がない限り、出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格・買取価格等、事業者等が把握している適正な売買実例価額又は定期報告書等に記載された不動産の価格等を参酌して求めた金額によって評価することができることとする。ただし、これらに該当するものがないと認められる場合には、上記①に準じて評価(取得時期や評価の安全性を考慮)する。

    (注)上記の改正は、令和9年1月1日以後に相続等により取得をする財産の評価に適用する。ただし、上記①の改正については、当該改正を通達に定める日までに、被相続人等がその所有する土地(同日の5年前から所有しているものに限る。)に新築をした家屋(同日において建築中のものを含む。)には適用しない。

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