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令和4(2022)年度税制改正大綱(資産税関連)

令和3(2021)年12月10日に、自由民主党及び公明党から令和4(2022)年度の税制改正大綱が公表されました。
本稿では、特に資産税関連の項目について解説します。

なお、注目されていた相続税及び贈与税の抜本改正については、今回の大綱において、
「今後、諸外国の制度も検討しつつ、相続税と贈与税をより一体的にとらえて課税する観点から、現行の相続税精算課税制度と暦年課税制度の在り方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。」
とされ、令和4年度の改正は見送られています。

また、下記の内容を織り込んだ税制改正法案は、例年1月下旬に国会に提出され、国会での審議を経て3月下旬に成立しています。
本稿は、その確定前の段階の解説であることにご留意ください。

相続税・贈与税関係

1. 相続税に係る死亡届の情報等の通知〈相法58関係〉

内容

  • • 法務大臣は、死亡等に関する届書に係る届書等情報等の提供を受けたときは、当該届書等情報等及び当該死亡等をした者の戸籍等の副本に記録されている情報を、翌月末日までに、国税庁長官に通知しなければならないこととされます。
  • • 市町村長は、死亡届を受理したときは、その者が有していた土地又は家屋に係る固定資産税台帳の登録事項等を、翌月末日までに、当該市町村の所在地の所轄税務署長に通知しなければならないこととされます。
  • これらの改正は、戸籍法の一部を改正する法律の施行の日以後に適用することとされています。

  • • 信託に関する受益者別(委託者別)調書について、「信託財産の価額」の欄に記載すべき相続税評価額の算定が困難な場合には、見積価額を記載しなければならないこととされます。

    この改正は、令和5年1月1日以後に提出すべき事由が生じる調書から適用することとされています。

    (POINT!)

    相続税の申告対象者及び所有不動産を把握するため、税務署においては、相続税申告の対象となる被相続人の情報に加え、法定相続人に関する情報及び被相続人の所有不動産情報を入手することが可能となります。

2. 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税〈措法70の2〉

内容

  • • 父母や祖父母などから住宅取得のための資金の贈与を受けた場合で、一定の要件を満たすときは、贈与税の申告をすることにより一定の金額について贈与税が非課税となります。
  • この制度について、次の改正が行われます。

    • ① 適用期限(令和3年12月31日まで)が、令和5年12月31日までと2年延長されます。
    • ② 非課税限度額について、住宅取得の契約時期にかかわらず、次の表の区分に応じた金額となります。
    • ③ 適用対象となる既存住宅用家屋の要件から、築年数基準が廃止され、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることが加わります。
    • ④ 受贈者の年齢が18歳以上(現行:20歳以上)となります。
    • 令和3年12月31日まで 令和4年1月1日以降
      耐震、省エネ又は
      バリアフリーの住宅用家屋
      一般の
      住宅用家屋
      耐震、省エネ又は
      バリアフリーの住宅用家屋
      一般の
      住宅用家屋
      消費税等の税率10%が適用される住宅用家屋の新築等 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
      上記以外の住宅用家屋の新築等 1,000万円 500万円

      (POINT!)

      上記改正は、令和4年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金に係る贈与税について適用されます。
      なお、④の受贈者の年齢の引下げは、令和4年4月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金に係る贈与税について適用されます。

    3. 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例など〈措法70の3・震災特例法〉

    内容

    • • 父母又は祖父母からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合には、贈与者がその贈与の年の1月1日において60歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます。
      この制度について、次の改正が行われます。
    • ① 適用期限が令和5年12月31日まで2年延長されます。
    • ② 適用対象となる既存住宅用家屋の要件から、築年数基準が廃止され、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることが加わります。
    • ③ 受贈者の年齢が18歳以上(現行:20歳以上)となります。
    • ※ 上記①~③は、震災特例法による贈与税の特例措置についても同様の改正とされています。

    (POINT!)

    上記改正は、令和4年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金に係る相続時精算課税について適用されます。

    なお、③の受贈者の年齢の引下げは、令和4年4月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金の贈与に係る相続時精算課税について適用されます。

    (POINT!)

    上記2及び3のほか、先の民法改正を受け、令和4年4月1日以降、相続税・贈与税関係において、適用対象者が20歳から18歳に引き下げられる制度として、次のものがある。

    • ① 未成年者控除(相法19の3)
    • ② 相続時精算課税(相法21の9)
    • ③ 住宅資金贈与(措法70の2の2)
    • ④ 結婚・子育て資金贈与(措法70の2の3)
    • ⑤ 贈与税の税率の特例(措法'70の2の5)
    • ⑥ 相続時精算課税(孫への贈与)(措法70の2の6)
    • ⑦ 事業承継税制(一般・特例)(措法70の7、70の7の5)

    4. 農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度〈措法70の4、70の6ほか〉

    内容

    • {相続税の納税猶予制度}
      相続等により、被相続人の農業の用に供されていた農地等を取得した相続人が、当該農地等を引き続き農業の用に供していく又は特定貸付け若しくは認定都市農地貸付け等を行う場合、これらの農地等の価格のうち農業投資価格を超える部分に対応する相続税の納税を猶予し、相続人が死亡したとき等に免除されます。
    • {贈与税の納税猶予制度}
      農業を営む人(贈与者)が、その農業の用に供している農地等を農業後継者(推定相続人の1人)に贈与した場合には、農業後継者に課税される贈与税の納税を猶予し、贈与者又は後継者のいずれかが死亡したときに免除されます。

    これらの制度につき、農業経営基盤強化促進法等の改正を前提に、農用地利用集積計画の農用地利用集積等促進計画(仮称)への統合等の措置が講じられた後も、引き続き、適用することができることとされます。

    5. 特定の美術品に係る相続税の納税猶予制度〈措法70の6の7〉

    内容

      • 美術館に寄託していた特定美術品を相続又は遺贈により取得した相続人等が、その特定美術品の寄託を継続する場合には、その特定美術品に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予され、美術館法寄託相続人の死亡等により、納税が猶予されている相続税の納付が免除されます。

      これらの制度につき、美術館法の改正を前提に、帰宅美術館等の審査基準の見直し等の措置が講じられた後も、引き続き、適用することができることとされます。

    6. e-Taxによる相続税の申告書の添付書面等記載事項

    内容

    • • e-Taxによる相続税の申告書の添付書面等記載事項の提出方法に、光ディスク又は磁気ディスクで提出する方法が加わります。

    事業承継税制関係

    1. 非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度〈措法70の7の5、70の7の6〉

    内容

    • • 一定の中小企業の事業承継において、特例承継計画を提出し、令和9年12月31日までに実際に承継を行う者を対象として、贈与・相続又は遺贈した非上場株式の株式等に係る贈与税又は相続税の100%が猶予・免除されます。

    この特例承認計画の提出期限(令和5年3月31日まで)が、1年延長され、令和6年3月31日までとされました。

    (POINT!)

    今回の大綱では、「法人版事業承継税制については、令和9年12月末までの適用期限については今後も延長を行わない。」と明記されています。
    事業承継を検討されている中小企業経営者の方々は、早期に事業承継に取り組むことが好ましいでしょう!

    所得税(譲渡所得・財産債務調書等)関係

    1. 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例〈措法31の2〉

    内容

    • 長期譲渡所得のうちに優良住宅地等のための譲渡に係る所得がある場合には、その長期譲渡所得に対する所得税等は、次のように軽減されます。

  • ① 課税長期譲渡所得金額が2,000万円以下である場合
    課税長期譲渡所得金額×10.21%(住民税4%)
  • ② 課税長期譲渡所得金額が2,000万円を超える場合
    204.2万円+(課税長期譲渡所得金額-2,000万円)×15.315%(住民税5%)

この制度について、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の改正を前提に、地域福利増進事業の拡充後も引き続き、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の規定により行われた裁定に係る裁定申請書に記載された地域福利増進事業を行う事業者に対する一定の土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該地域福利増進事業の用に供されるものが対象となります。

2. 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例〈措法33の2〉

内容

• 所有期間10年超の居住用財産の譲渡をし、一定期間内に居住用財産の取得をして自己の居住の用に供した場合において、その譲渡した資産に係る譲渡所得については、3,000万円特別控除との選択により、取得価額の引継ぎによる課税の繰延べができます。

この制度について、次の改正が行われます。
  • ① 適用対象となる買換資産について、次の要件が加わります。
    買換資産が令和6年1月1日以後に建築確認を受ける住宅(登記簿上の建築日付が同年6月30日以前のものを除く。)又は建築確認を受けない住宅で登記簿上の建築日付が同年7月1日以降のものである場合の要件に、その住宅が一定の省エネ基準を満たすものとする。
  • ② 適用期限(令和3年12月31日まで)が、令和5年12月31日までと2年延長されます。

(POINT!)

上記改正は、令和4年1月1日以後に行う譲渡所得の譲渡に係る買換資産について、適用されます。

3. 収用交換等の場合の譲渡所得の5,000万円特別控除〈措法33の4〉

内容

• 土地等が土地収用法対象事業等の用に供するために収用等された場合、譲渡所得から5,000万円控除できます。

この制度について、次の改正が行われます。
  • ① 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の改正を前提に、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する土地収用法の特例の対象となる土地の範囲の拡充後も引き続き、当該土地収用法の特例の規定による収用があった場合について、その対象となります。
  • ② 博物館法の改正を前提に、登録要件の見直し後の博物館に関する事業のために収用により土地等が買い取られる場合について、引き続き本制度の対象となります。
  • 4. 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除〈措法34〉

    内容

    • 国、地方公共団体等による特定土地区画整理事業のために土地等を譲渡した場合、譲渡所得から2,000万円控除できます。

    この制度について、次の改正が行われます。
    • ① 博物館法の改正を前提に、博物館に相当する施設の指定要件の見直し後も引き続き、重要文化財、史跡、名勝又は天然記念物として指定された土地が博物館又は植物園のうち博物館法の規定により博物館に相当する施設として指定を受けたものの設置及び管理の業務を主たる目的とする地方独立行政法人に買い取られる場合について適用対象となります。
    • ② 博物館法の改正を前提に、適用対象に、重要文化財、史跡、名勝又は天然記念物として指定された土地が博物館又は植物園のうち博物館法の規定により登録を受けた博物館の設置及び管理の業務を主たる目的とする地方独立行政法人に買い取られる場合が加わります。
    • ③ 農業経営基盤強化促進法等の改正を前提に、本制度における農用地利用規定の特例に係る措置について、地域農業経営基盤強化促進計画(仮称)の特例に係る事項が定められた地域農業経営基盤強化促進計画(仮称)の区域内にある農地に係る措置に改組されます。

    5. 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除〈措法34の2〉

    内容

    • 地方公共団体、独立行政法人都市再生機構等による特定の住宅建設又は宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合、譲渡所得から1,500万円控除できます。

    この制度について、農業経営基盤強化促進法等の改正を前提に、本制度の対象となる農用地区内にある農用地が農業経営基盤強化促進法の協議に基づき農地中間管理機構に買い取られる一定の場合において、その農用地が地域農業経営基盤強化促進計画(仮称)の区域内にある場合に限定されることとなります。

    6. 農地保有合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除【不利改正】〈措法34の3〉

    内容

    • 個人の有する農地等が、農業振興地域内の農地等をで、かつ、農業委員会のあっせん等により譲渡した場合などには、譲渡所得から800万円の控除できます。

    この制度について、次の改正が行われます。

    イ 適用対象から、次に掲げる場合が除外されます。

    • ① 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律に規定する所有権移転等促進計画の定めるところにより土地等の譲渡をした場合
    • ② 林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法の規定による都道府県知事のあっせんにより、同法の規定を受けた者に一定の山林に係る土地の譲渡をした場合
    • ③ 集落地域整備法に基づく交換分合により土地等を取得しなかったことに伴い清算金を取得する場合

    ロ 本制度における農用地利用集積促進計画に係る措置について、農用地区域内にある土地等を農用地利用集積等促進計画(仮称)の定めるところにより譲渡した場合の措置に改組されます。

    7. 特定の交換分合により土地等を取得した場合の特例〈措法37の6〉

    内容

    • 農業振興地域の整備に関する法律の規定による特定の交換分合、集落地域整備法の規定による交換分合又は農住組合の組合員等が農住組合法の規定による交換分合で一定の区域内で行われたものにより土地等の譲渡をした場合には、譲渡所得の課税について、譲渡がなかったものとする取得価額の引継ぎによる課税の繰延べの特例が認められています。

    この措置について、次の改正が行われます。

    この制度の対象から、集落地域整備法に係る措置が廃止されます。

    8.国等に対して重要文化財を譲渡した場合の譲渡所得の非課税制度〈措法40の2〉

    内容

    • 重要文化財として指定されたものを、国、地方公共団体、独立行政法人国立文化財機構や一定の文化財保存活用支援団体などに譲渡した場合には、譲渡所得に係る所得税が課されません。

    博物館法の改正を前提に、この制度について、次の改正が行われます。

    • ① 博物館に相当する施設の指定要件の見直し後も引き続き、重要文化財を博物館法の規定により博物館に相当する施設として指定を受けた地方独立行政法人に譲渡した場合が適用対象とされます。
    • ② 適用対象に、重要文化財を博物館法の規定により登録を受けた地方独立行政法人に譲渡した場合が加わります。

    9. 債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例〈措法40の3の2〉

    内容

    • 中小企業の取締役等で、当該法人の債務の保証人であるものが、その個人が有する資産(有価証券を除く。)を当該法人の事業の用に供した場合において、その法人について策定された債務処理に関する計画に基づき、その法人に贈与した場合には、その贈与によるみなし譲渡課税を適用しないこととされています。

    この制度の適用期限が3年延長されました。

    10. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除〈措法41の5〉

    内容

    • マイホーム(旧居宅)を売却して、新たにマイホーム(新居宅)を購入した場合に、旧居宅の譲渡による損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

    この制度について、その適用期限(令和3年12月31日まで)が令和5年12月31日まで2年延長されます。

    11. 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除〈措法41の5の2〉

    内容

    • 住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高を下回る価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年間繰り越して控除(繰越控除)することができます。なお、これらの特例は、新たなマイホーム(買換資産)を取得しない場合であっても適用することができます。

    この制度について、その適用期限(令和3年12月31日まで)が令和5年12月31日まで2年延長されます。

    12. 財産債務調書制度等の見直し〈国外送金等調書法5・6の2〉

    内容

    [財産債務調書]
    所得税などの確定申告をする必要がある人で、その年の所得金額が2,000万円を超え、かつ、年末時点での財産価額が3億円以上、または有価証券などの資産価額が1億円以上ある方は、財産の種類、数量、価額、債務の金額とともに、財産の所在、有価証券の銘柄や取得価格などの事項を掲載した調書を所轄税務署長に提出しなければなりません。

    なお、財産債務調書を提出期限内に提出し、同調書に記載があるものに関して所得税や相続税の申告漏れが生じたときは、その財産又は債務に係る過少申告加算税又は無申告加算税が5%軽減されます。 また、未提出や記載されていない財産又は債務に関する所得税の申告漏れが生じた場合には、過少申告加算税等が5%加重されます。 財産債務調書の提出が、提出期限後、かつ、更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、提出期限内に提出されたものとみなされます。

    [国外財産調書]
    居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を所轄税務署長に提出しなければなりません

    なお、国外財産調書を提出期限内に提出し、同調書に記載があるものに関して所得税や相続税の申告漏れが生じたときは、その財産又は債務に係る過少申告加算税又は無申告加算税が5%軽減されます。
    また、未提出や記載されていない国外財産に関する所得税や相続税の申告漏れが生じた場合には、過少申告加算税等が5%加重されます。
    国外財産調書の提出が、提出期限後、かつ、更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、提出期限内に提出されたものとみなされます。

    これらの措置について、次の改正が行われます。
    • ① 財産債務調書の提出義務者に、その年の所得金額にかかわらず、年末時点での財産価額が10億円以上である居住者が加わります。
      この改正は、令和5年分以後の財産債務調書について適用されます。
    • ② 財産債務調書及び国外財産調書それぞれの提出期限(翌年3月15日まで)が、翌年6月末までとされます。
      この改正は、令和5年分以後の財産債務調書及び国外財産調書について適用されます。
    • ③ 提出期限後に財産債務調書又は国外財産調書が提出された場合において、調査通知前に提出されたものについてのみ、提出期限内に提出されたものとするみなす措置が適用されます。
      この改正は、令和6年1月1日以後に提出される財産債務調書又は国外財産調書について適用されます。
    • ④ 財産債務調書への記載を運用上省略できる「その他の動産の区分に該当する家庭用動産」の取得価額の基準を300万円未満(現行100万円未満)に引き上げられます。
      この改正は、令和5年分以後の財産債務調書について適用されます。

    固定資産税関係・登録免許税関係

    1. 土地に係る固定資産税の負担調整

    内容

    • 商業地等(負担水準が60%未満の土地に限ります。)の令和4年度の課税標準額を、令和3年度の課税標準額に令和4年度の評価額の2.5%(現行5%)を加算した額とされます。
    ただし、令和4年度の課税標準額が、評価額の60%を上回る場合には60%相当額となり、評価額の20%を下回る場合には20%相当額となります。

    (POINT!)

    本措置は、令和4年度限りの措置とされています。

    2. 相続人申告登記等の職権登記に係る登録免許税の非課税措置

    内容

      • 不動産登記法の一部改正により創設される相続人申告登記(下記※参照)等の職権登記について、登記官が職権に基づく登記に対する登録免許税は非課税となります。

      ※ 令和6年4月1日以降、不動産の相続人は、相続が開始して所有権を取得したことを知ってから3年以内に相続登記をしなければならないこととされています。しかし、財産分割協議が整わないなど、相続登記ができない場合には、「相続人申告登記」により法務局に申請することにより、上記の義務を履行したことになります(改正後不動産登記法76条の2)。

      3. 相続に係る所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置〈租特法84条の2の3②〉

      内容

        • 個人が、土地について①一定の所有権の保存登記又は②相続による所有権の移転登記を受ける場合において、㋑その土地が相続登記の促進を特に図る必要がある一定の土地であり、かつ、㋺その土地の登録免許税の課税標準となる不動産の価額が10万円以下であるときは、登録免許税を課さないこととされています。
        この制度について、次の改正が行われます。

        • ① 適用対象となる土地の範囲に、市街化調整区域に所在する土地を加わります。
        • ② 適用対象となる土地の価額の上限を100万円(現行:10万円)に引き上げられます。
        • ③ 適用期限が3年延長され、令和7年3月31日までの登記に対して適用されることになります。

        4. 登録免許税の主な措置の適用期限延長

        内容

          次に係る登録免許税の軽減・免税措置等の適用期限が2年延長され、令和6年3月31日までとなります。

          • ①  住宅用家屋の所有権の保存登記の軽減措置(措法72の2)
            なお、同制度の適用対象となる住宅用家屋の要件について、築年数要件が廃止され、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることが加わります。
          • ②  特定認定長期優良住宅等の所有権の保存登記等の軽減措置(措法74)
          • ③  認定低炭素住宅の所有権の保存登記等(措法74の2)
          • ④  特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記の軽減措置(措法74の3)
            なお、同制度の適用対象となる住宅用家屋の要件について、築年数要件が廃止され、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることが加わります。
          • ⑤  住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の軽減措置(措法75)
            なお、同制度の適用対象となる住宅用家屋の要件について、築年数要件が廃止され、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることが加わります。
          • ⑥  マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等の免税措置(措法76)
              なお、同制度の適用対象となる登記の範囲に、表題部所有者の相続人が受ける土地の所有権の保存登記が追加されます。
          •   

          税理士法関係

          1. 税理士の業務の電子化等の推進

          内容

          • 税理士及び税理士法人は、税理士の業務の電子化等を通じて、納税義務者の利便の向上及び税理士の業務の改善進歩を図るよう努めるものとする旨の規定が設けられます。

          2. 税務代理の範囲の明確化

          内容

          • ① 税務代理を行うに当たって前提となる通知等について、税務代理権限証書に記載された税理士又は税理士法人が受けることができることを明確化する等の運営上の対応が行われます。
          • ② 税務代理権限証書について、税務代理に該当しない代理をその様式に記載することができることとするなどの見直しが行われます。
          • ②の改正は、令和6年4月1日以後に提出する税務代理権限証書についてから運用されます。

          3. 税理士試験の受験資格の緩和

          内容

          • 税理士試験の受験資格について、次の見直しが行われます。

          • ① 会計学に属する科目の受験資格が不要とされます。
          • ② 大学等において一定の科目を収めた者が得ることができる受験資格について、その対象となる科目を社会科学に属する科目(現行:法律学又は経済学)に拡充されます。

          (POINT!)

          上記の改正は、令和5年4月1日から施行されます。

          4. 税理士法人の業務範囲

          内容

          • 税理士法人の業務の範囲に、次の業務が加わります。

          • ① 租税に関する教育その他知識の普及及び啓発の業務
          • ② 後見人等の地位に就き、他人の法律行為について代理を行う業務

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