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平成30年度税制改正・事業承継税制の特例措置のポイント

2019/03/05

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1.はじめに

平成30年度税制改正により、事業承継税制の特例措置として「非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度の特例」が創設されました。
この特例措置のポイントについて、以下で簡単に説明いたします。

2.事業承継税制の概要

事業承継税制とは、後継者である受贈者又は相続人等が、非上場会社の株式等(株式又は出資)に係る贈与又は相続等について、その納税が猶予されるものです。そして、後継者の死亡等によって、納税が猶予されている贈与税又は相続税の全部又は一部について納税が免除されます。
もっとも、納税が猶予されるためには、上記の非上場会社の株式等は、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)に基づく都道府県知事の認定を受けている必要があります。そして、その認定を受けた非上場株式会社の株式等に係る贈与又は相続等について、経営承継円滑化法及び租税特別措置法が規定する要件を満たすことが必要となります。

平成30年度税制改正によって、従来の事業承継税制については、一部改正して一般措置として残した上で、事業承継税制の特例措置が創設されました。特例措置は、平成30年(2018年)1月1日から令和9年(2027年)12月31日までの10年の間に贈与又は相続等(相続若しくは遺贈)により取得する財産に係る贈与税又は相続税について適用されます。この10年間は、一般措置と特例措置が併存することになりますが、実務上、新たに事業承継税制を適用する場合には特例措置のみとなり、一般措置を検討する必要はありません。

(なお、この特例措置は、中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上という待ったなしの課題を解決するための極めて異例の時限措置であることから、適用期限は今後とも延長されないこととされています(自民党・公明党令和7年度税制改正大綱)。)

3.経営承継円滑化法の概要

事業承継税制の適用を受けるためには、経営承継円滑化法に定める要件や手続きを経る必要があります(中小企業庁「-経営承継円滑化法-申請マニュアル」参照)

ここで、経営承継円滑化法のポイントについて簡単に説明します。

(1)事業承継税制の前提となる認定等

中小企業の事業承継を円滑にするための施策の一つとして、上記のような事業承継税制があります。特に、平成30年度税制改正では、事業承継税制の要件が抜本的に緩和された特例措置が創設されたことから、実質的に贈与税や相続税の負担なく後継者に会社を承継させることができるようになりました。

(2)事業承継を阻害する遺留分に関する民法の特例

遺留分とは、特定の法定相続人に与えられる、最低限の遺産の取り分のことです。例えば、法定相続人が妻、長男(後継者)、長女の3人の場合に、父が長男にだけ全財産を承継させようとしても、妻や長女が遺留分侵害額請求をすることによって最低限の遺産を取得することができます。このような場合、例えば、父が所有していた自社株を会社の後継者である長男に集中させることができず、円滑な事業承継が阻害されかねません。そこで、後継者(長男)が、遺留分権利者全員(妻、長女)との合意及び所定の手続きを経ることを前提に、次のような民法の特例の適用を受けることができることとされました。

  1. 生前贈与株式等を遺留分の対象から除外(除外合意)
  2. 生前贈与株式等の評価額を予め固定(固定合意)

(3)事業承継に係る金融支援の前提となる認定

先代経営者の死亡等により、分散した自社株式の買い取りや相続税の支払いのために、資金調達の必要が生じることがあります。そこで、資金調達を支援するために、都道府県知事の認定を受けた中小企業者及びその代表者が次のような特例の適用を受けることができることになりました。

  1. 中小企業信用保険法の特例
  2. 株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例

4.特例措置の適用を受けるための手続き上の流れ

(1)特例承継計画の作成

特例承継計画とは、「特例後継者が株式等を承継した後5年間の経営計画」のことで、手続上は、「施行規則第17条第2項の規定による確認申請書」(様式第21)を作成します。そして、この確認申請書の中に特例承継計画が含まれています。
確認申請書のWORD文書が中小企業庁HPに掲載されており、経営計画のサンプル(サービス業、製造業、小売業)も掲載されています。(中小企業庁「 法人版事業承継税制(特例措置)の前提となる認定に関する申請手続関係書類」)

この確認申請書を記載する際には、「認定経営革新等支援機関のためのマニュアル」である「 特例承継計画に関する指導及び助言を行う機関における事務について 」を利用するとよいでしょう。

確認申請書を記載する際のポイントとしては、特例後継者が実際に事業承継を行った後の5年間の具体的な取組内容(項目)を記載すればよく、その項目に係る数値(例:売上目標、利益目標等)は記載しない方が良いでしょう。というのも、記載した数値に変更が生じた場合には、特例承継計画の変更手続きが必要となってしまうからです。

特例承継計画については、認定経営革新等支援機関(認定支援機関の例:商工会、商工会議所、金融機関、税理士等)が、円滑な事業承継に向けた指導及び助言を行った上で、所見を記載します。

(2)特例承継計画の提出

ⅰ)特例承継計画の提出先

提出先は「当該中小企業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事」です。
具体的には、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁の申請窓口が提出先となります。

ⅱ)提出期限

特例承継計画の提出期限は、現行の法令では令和8年(2026年)3月31日です。
贈与又は相続の後、認定申請時(上記の期限内に限る)までに特例承継計画を作成し、提出することも認められています。

なお、令和8年度税制改正大綱により、特例承継計画の提出期限は令和9年(2027年)9月30日まで延長される方針であることが発表されています。ただし、贈与・相続の実行期限(適用期限)である令和9年(2027年)12月31日は変更されていないため、注意が必要です。

(3)事業承継に係る贈与の実行又は相続の開始

ⅰ)贈与の場合

《取得株式要件》
特例後継者は、次の①又は②の区分に応じた一定数以上の特例対象受贈非上場株式等を取得する必要があります。

➀後継者が1人の場合……A又はBの区分に応じた株数

  1.  a ≧ b×2/3-cの場合 ………「b×2/3―c」以上の株数
  2.  a < b×2/3-cの場合 ………「a」の全ての株数

➁後継者が2人又は3人の場合……次のすべてを満たす株数

  1.  d ≧ b×1/10
  2.  d > 贈与後における先代経営者等の有する会社の非上場株式等の数
  1. 贈与の直前において先代経営者等が有していた会社の非上場株式等の数
  2. 贈与の直前の会社の発行済株式等(議決権に制限のないものに限る)の総数
  3. 後継者が贈与の直前において有していた会社の非上場株式等の数
  4. 贈与後における後継者の有する会社の非上場株式等の数

《保有株式要件》
後継者は次のような議決権数を保有する必要があります。

➀後継者が1人の場合
後継者と特別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

➁後継者が2人又は3人の場合
総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ、後継者と特別の関係がある者(他の後継者を除く。)の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

ⅱ)相続の場合

《取得株式要件》
後継者が取得する必要がある株数についての要件はありません。

《保有株式要件》
後継者は次のような議決権数を保有する必要があります。

➀後継者が1人の場合
後継者と特別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

➁後継者が2人又は3人の場合
総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ、後継者と特別の関係がある者(他の後継者を除く。)の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

(4)認定の申請

ⅰ)期限

都道府県知事の認定を受けるための申請をする必要がありますが、その申請期限は次のようになります。

《贈与税の場合》
「贈与があった日の年の10月15日」から「翌年の1月15日」までの間に申請する必要があります(※)。

《相続税の場合》
「相続の開始があった日の翌日から5ケ月を経過する日」から「相続開始の日の翌日から8ケ月を経過する日」までの間に申請する必要があります(※)。

※認定申請の期限は、贈与税又は相続税の通常の申告期限の2ケ月前になります。

ⅱ)添付書類

特例贈与と特例相続の場合では、ほぼ同様の書類の添付が必要となります。
(中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)の前提となる認定に関する申請手続関係書類」)

例えば、第一種特例贈与(先代経営者から後継者への贈与)の場合は、次のような添付書類が必要となります。

  1. 認定申請書(原本1部、写し1部)
  2. 定款の写し
  3. 株主名簿の写し
  4. 登記事項証明書
  5. 贈与契約書及び贈与税額の見込み額を記載した書類
  6. 従業員数証明書
  7. 贈与認定申請基準年度の決算書類
  8. 上場会社等及び風俗営業会社のいずれにも該当しない旨の誓約書
  9. 特別子会社・特定特別子会社に関する誓約書
  10. 贈与者・受贈者・その他の一定の親族の戸籍謄本等
  11. 特例承継計画又はその確認書の写し
  12. その他、認定の参考となる書類
  13. 返信用封筒
ⅲ)認定の有効期限

後継者ごとに、最初に特例措置の適用を受ける贈与に係る贈与税の申告期限又は相続に係る相続税の申告期限の翌日から5年を経過する日まで

(5)申告

贈与税又は相続税の申告期限までに、納税が猶予される贈与税額・相続税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提供した上で、申告期限内に申告する必要があります。

この場合に担保となるのは、納税猶予の対象となる認定承継会社の特例非上場株式等です。この特例非上場株式等の全部を担保として提供した場合は、非上場株式等についての納税猶予の適用については、必要な担保額に見合うだけの担保の提供があったものとみなされます(みなす充足)。

また、平成29年度税制改正によって事業承継税制と相続時精算課税制度との併用が認められることになりましたが、平成30年度税制改正によって、その適用関係がさらに拡充されました。

(6)申告後5年間の手続

申告期限後からの5年間を「特例経営(贈与・相続)承継期間」と言います。
この期間は、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の関与が継続することから、都道府県知事及び税務署長の両方への手続が必要となります。

ⅰ)都道府県知事への手続~年次報告書

贈与税又は相続税の申告期限から5年間、当該申告期限の翌日から起算して1年を経過するごとの日の翌日から3月を経過する日まで(贈与税の場合は6月15日が報告期限となります。)に、一定の事項を記載した「年次報告書」(様式第11)を都道府県知事に提出する必要があります。

ⅱ)税務署長への手続~継続届出書

贈与税又は相続税の申告期限から5年間、当該申告期限の翌日から起算して1年を経過する日ごとの日の翌日から5月を経過する日まで(贈与税の場合は8月15日が報告期限となります。)に、一定の事項を記載した「継続届出書」を税務署長に提出する必要があります。

(7)5年経過後の実績報告

5年経過後に雇用が平均8割を下回った場合に「特例承継計画に関する報告書」(様式第27)を用いて実績報告をする必要があります。
平成30年度税制改正により、雇用が平均8割を下回った場合であっても、直ちに認定取消(納税猶予の打ち切り)とはなりません。ただし、「雇用確保要件を満たせなかった理由書」を都道府県に提出し、認定経営革新等支援機関から「経営状況が悪化したこと」や「正当な理由があること」の確認・助言を受ける手続きが必要です。この手続きを怠ると猶予が打ち切られるため、「無条件での撤廃」ではない点に注意してください。

(8)6年目以降

税務署長への継続届出書の提出が3年に1度となり、都道府県知事への年次報告書の提出が不要となります。

※本記事は記事投稿時点(2019年3月5日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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