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平成31年度税制改正・個人版事業承継税制の承継パターン

2019/03/12

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1.平成31年度税制改正・個人版事業承継税制の概要

平成31年度税制改正において、「個人版事業承継税制」が創設されます。
この「個人版事業承継税制」とは、個人事業主に相続が発生した場合のみならず、個人事業主が事業用資産を生前贈与した場合にも、その課税価格に対応する相続税や贈与税を猶予する制度です。

この制度の概要は、以下のようになります。

ⅰ)猶予税額

→相続等・贈与で取得した対象資産の課税価格に対応する相続税・贈与税の金額

ⅱ)対象資産

→先代経営者が行っていた事業(不動産貸付事業を除く)に係る特定事業用資産。例えば、土地(面積400㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、一定の減価償却資産(機械、車両、運搬具等)

ⅲ)対象期間

→平成31年1月1日から平成40年(2028年)12月31日までの相続等・贈与

ⅳ)手続

→平成31年4月1日から平成36年(2024年)3月31日までに承継計画(※1)を都道府県に提出。経営承継円滑化法の認定を受ける。申告期限後、3年毎に継続届出書を税務署に提出など。

※1:承継計画とは、認定経営革新等支援機関の指導等を受け作成した対象資産の承継前後の経営見通し等が記載された計画

ⅴ)適用条件

→猶予税額等に見合う担保の提供。青色申告など。

ⅵ)猶予税額の免除等の要件

→相続人が死亡時まで対象資産を保有し事業を継続した場合等には、猶予税額の全額を免除。相続人が対象資産に係る事業を廃止した場合等には、猶予税額の全額を納付。

2.個人版事業承継税制の承継パターン

この個人版事業承継税制の適用を受けるためには、経営承継円滑化法の認定を受けることが必要となります。では、どのような承継パターンの場合に認定を受けることができるのか、承継のパターン毎に具体的に説明いたします。

(1)父→子1人への承継(①~➅)

経営承継円滑化法の認定を受けるための後継者の要件に「被相続人が生前営んでいた事業に係る特定事業用資産の全てを取得していること(改正経営承継円滑化法施行規則)」というものがあります。
それゆえ、以下の例➀➁➂のように、先代経営者が営んでいた事業において、先代経営者が所有していた特定事業用資産の全てを後継者が取得している場合には、経営承継円滑化法の認定の対象となります。また、例➃のように、先代経営者が生前所有していた土地建物が他者との共有財産である場合であっても、先代経営者の共有持分の全てを後継者1人が承継するのであれば、経営承継円滑化法の認定の対象となります。
他方、例➄のように、先代経営者の持分の一部のみを後継者が承継するような場合、経営承継円滑化法の認定は認められません。また、例➅のように、特定事業用資産の一部だけを後継者が承継した場合も、経営承継円滑化法の認定は認められません。

➀父がすべて所有
先代経営者(父)            →  後継者(子)
(土地・建物、機械等を父が全て所有)     (土地・建物、機械等を全て承継)
                       〇認定対象となる。

②父は機械のみ所有
先代経営者(父)            →  後継者(子)
(土地・建物は賃借。父は機械等のみ所有)   (機械等を承継)
                       〇認定対象となる。

③父は不動産のみ所有
先代経営者(父)            →   後継者(子)
(土地・建物は父所有、機械等は賃借)     (土地・建物を承継)
                       〇認定対象となる。

➃父の共有持分を全て承継
先代経営者(父)            →  後継者(子)
(土地・建物の70%を父が所有)       (土地・建物の父の持分70%を承継)
                       〇認定対象となる。

➄父の持分の一部を承継
先代経営者(父)            →  後継者(子)
(土地・建物全部を父が所有)         (土地・建物の70%のみ承継)
                       ×認定不可
                       ※父の持分の100%承継する必要あり

➅その事業に係る特定事業用資産の一部を承継

先代経営者(父)            →  後継者(子)
(土地・建物、機械等の全てを父が所有)    (土地・建物のみを承継)
                       ×認定不可
                       ※その事業に係る特定事業用資産の全ての承継が必要
                       ※複数回の贈与は不可

(2)父→子2人へ承継(➆~⑩)

上記(1)の事例のように、1人の後継者が事業に係る特定事業用資産を全て承継するのが原則ですが、以下の事例にあるように、複数の後継者に承継する場合でも、経営承継円滑化法の認定が認められる場合があります。
まず、例➆のように、先代経営者が別々の土地で別の事業を営んでおり、それぞれの事業ごとに2人の後継者に承継させる場合には、経営承継円滑化法の認定が認められますが、例⑧のように、同一の土地で営んでいる事業を事業ごとに2人の後継者に承継させるような場合には、認定が認められません。
また、例⑨のように、支店ごとに2人の後継者に承継させるような場合には、経営承継円滑化法の認定が認められます。
他方、例⑩のように、先代経営者の事業を2人の後継者が承継して共有するような場合に認定は認められません。

➆別々の土地で製造業と小売業を営んでおり、事業ごとに子へ承継

先代経営者(父)            →長男が製造業を承継
製造業+小売業              〇認定対象となる。
                    →次男が小売業を承継
                     〇認定対象となる。

⑧同一の土地で製造業と小売業を営んでおり、事業ごとに子へ承継

先代経営者(父)            →長男が製造業を承継
製造業+小売業              ×認定不可
                    →次男が小売業を承継
                     ×認定不可
                    ※長男と次男が土地・建物を共有しているため認定不可となります。

⑨小売業をA市とB市で営んでおり、支店ごとに子へ承継

先代経営者(父)            →長男がA市の小売業を承継
小売業(A市)+小売業(B市)         〇認定対象となる。
                    →次男がB市の小売業を承継
                     〇認定対象となる。

⑩子2人で共有持分として承継

先代経営者(父)            → 長男が60%を承継
(土地・建物、機械等を全て父が所有)     ×認定不可
                    → 次男が40%を承継
                     ×認定不可
                    ※父の持分を共有とする承継は認定不可

(3)父と母 → 子1人へ承継 (⑪)

前述のように、原則として、事業を営む先代経営者が所有していた特定事業用資産が認定の対象となりますが、先代経営者と生計を同一にする親族が所有していた特定事業用資産で先代経営者の事業の用に供されていたものも認定の対象となります。ただし、先代経営者が営む事業の青色申告書の貸借対照表に計上されていることが必要となります。

例⑪のように、先代経営者と生計を同一にする親族である配偶者が所有する土地建物を先代経営者の事業用に賃貸していた場合、先代経営者が配偶者に支払う賃料は必要経費には算入されません。他方、配偶者が負担する固定資産税、減価償却費等は必要経費に算入されることから、配偶者が所有する土地・建物は先代経営者が営む事業の貸借対照表に計上されます(所得税法56条)。
⑪にあるように、先代経営者から後継者である子が特定事業用資産である機械等を承継し、先代経営者の相続開始の日から1年以内に、先代経営者の配偶者が所有する土地・建物を後継者である子が贈与等を受けた場合には、経営承継円滑化法の認定の対象となります。
他方、例⑫のように、先代経営者の事業用の土地・建物を、先代経営者とは生計を別にする親族(叔母)が所有している場合には、先代経営者の相続後1年以内にその土地・建物を後継者である子が叔母から相続等で取得したとしても、その土地建物は先代経営者が営む事業の貸借対照表に計上されていないことから、経営承継円滑化法の認定の対象とはなりません。

⑪父が機械を贈与(相続)し、その1年以内に母が建物を贈与(相続)

先代経営者(父)           →後継者(子)が土地建物、機械等全てを承継
機械等は父が所有            〇認定対象となる。
先代経営者の配偶者(母)
(父母は「同一生計の親族」)
土地・建物は母が所有

(4)父と叔母→子1人へ承継 (⑫)

⑫父が機械を贈与(相続)し、その1年以内に叔母が建物を贈与(相続)

先代経営者(父)           →後継者(子)が土地建物、機械等全てを承継
機械等は父が所有            △機械等は認定対象となるが、
先代経営者の妹(叔母)         土地・建物は認定不可
(父と叔母は「別生計の親族」)     ※叔母は、先代経営者である父と同一生計
土地・建物は叔母が所有         ではないため、適用不可となります。

※本記事は記事投稿時点(2019年3月12日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

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