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『非経常的な利益(財産評価基本通達)』につき実質的に判断すべきとした最新事例

2019/11/13

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『非経常的な利益(財産評価基本通達)』につき実質的に判断すべきとした最新事例

1 はじめに

類似業種比準価額における評価会社の「1株当たりの利益金額」の算定に当たり、「固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額を除く」と定められています(財産評価基本通達183(2))。
今回紹介する事例は、この「非経常的な利益」に該当するか否かが争われたものです。
以下で、事案、争点、裁判所の判断などについて、簡単に説明します。

2 事例(東京地方裁判所・令和元年5月14日判決)

《事例》

株式会社Xは、主に倉庫等の賃貸に係る不動産貸付業を営む同族法人。取引先から発注があれば、X社所有の移動式クレーン車を貸し出し、X社所有のオペレーターが揚重作業を行う事業(クレーン事業)の他、運送業等も営んでいました。
原告は、相続によりX株式会社の株式を取得しましたが、その株式の評価に、クレーン車の売却益が反映されていないなどの理由により相続税の更正処分等が行われたことから、原告はその処分の取り消しを求めました。

《争点》

相続等した株式会社の株式の評価において、クレーン車の売却益が「非経常的な利益」に該当するか否か。

《原告(納税者側)の主張》

〇評価通達183(2)は、「『1株当たりの利益金額』は、直前期末以前1年間における法人税の課税所得金額(固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額を除く。)に…」と定めている。そして、評価会社Xは、建設機械類のリース業を目的とし、クレーン車のオペレーティングリース業を実際に営んでいるのであるから、同社の保有するクレーン車は「固定資産」に該当する。
〇したがって、同社に関して同通達183(2)の「1株当たりの利益金額」を算定する上で、クレーン車の売却益である本件売却益は控除されなければならない。

※上記のように、原告は、非経常的な利益に該当するかどうかについて、評価通達183(2)の条文から、「固定資産売却益又は保険差益に該当するか否か」によって形式的に判断しています。

《被告(国側)の主張》

〇評価通達183(2)は、類似業種比準価額における評価会社の「1株当たりの利益金額」の算定にあたり、「非経常的な利益の金額を除く。」と定めるところ、これは、類似業種の利益金額と比較した評価会社の経常的収益力を適切に株価に反映させるために偶発的な利益を除外することとしているものであり、固定資産売却益や保険差益が挙げられているのは、これらが通常は偶発的な取引であることから例示されているにすぎない。
〇これに対し、固定資産売却益であっても、毎月継続的に売買が繰り返されるような固定資産売却益の場合には、その利益は当然会社の経常的収益力を構成するのであるから、非経常的な利益であるとはいえない。
〇したがって、評価会社の「1株当たりの利益金額」の計算に際し、ある利益が除外されるべき非経常的な利益に該当するか否かは、その利益が形式的に固定資産売却益又は保険差益に該当するか否かのみによって決せられるものではなく、➀評価会社の事業の内容、②その利益の発生原因、➂その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮して判断するのが相当である。

※上記のように、被告は、非経常的な利益に該当するかどうかについて、原告のように、形式的に判断すべきではなく、いくつかの考慮要素をもとに実質的に判断すべきとしています。

《東京地方裁判所の判断》

〇評価通達183(2)は、類似業種の利益金額と比較した評価会社の経常的収益力を適切に株価に反映させるために、偶発的な利益を除外することを定めたものというべきである。
〇同通達183(2)が評価会社の「1株当たりの利益金額」の算定に際して除外される「非経常的な利益」として固定資産売却益や保険差益を挙げているのも、これらの利益が通常は偶発的な取引によるものであることからその例として示したものにすぎず、これらの利益は、あくまでも偶発的な取引による非経常的な利益に当たる場合に除外されるものと解すべきである。
〇ある利益が評価会社の「1株当たりの利益金額」の計算に際して除外される非経常的な利益に当たるか否かは、その利益が固定資産売却益又は保険差益に該当するか否かのみによって判断すべきものではなく、評価会社の事業の内容、当該利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮した上で、実質的に判断するのが相当である。
〇本件についてみると、評価会社が平成21年3月期から平成26年3月期までの各事業年度においてクレーン事業に使用していたクレーン車を売却することによって得た利益は、1億5,265万円から16億2,168万円であり、同社の各期における営業利益の約23%から約341%をそれぞれ占めており、同社が行っていた事業の収益の相当程度を示すものであったということができる。
〇また、クレーン事業は同社が不動産賃貸業や運送業と並んで営んでいたものであるところ、この事業はクレーン車を毎期継続的に売却することによってはじめて利益を生じる仕組みとなっていたものであることなどから、本件売却益は評価会社の経常的収益力を構成するものと認められ、評価通達183(2)において1株当たりの利益金額の計算に際し法人税の課税所得金額から除くこととされている「非経常的な利益」には該当しない。

【まとめ】

上記のように、東京地方裁判所は、非経常的な利益に該当するかどうかについて、原告が主張するように固定資産売却益又は保険差益に該当するか否かのみによって判断すべきものではなく、固定資産売却益又は保険差益は例示にすぎないとした。
その上で、非経常的な利益に該当するかどうかについては、被告が主張するように、評価会社の事業の内容、利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮した上で、実質的に判断するのが相当であるとした。
本件クレーン車の売却益については、評価会社の経常的収益力を構成するものと認められると判断し、原告(納税者)の請求を棄却する判決を下しました。

※本記事は記事投稿時点(2019年11月13日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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