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準確定申告の電子申告手続き

2020/10/09

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1 はじめに

昨今、行政手続きへの情報通信技術の活用が推進されています。

所得税の準確定申告について、令和2年度分以後の申告につき電子申告が可能となりました。これに合わせて法令改正が行われておりますので、以下で簡単に説明いたします。(国税庁HP:国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第五条第一項第二号に規定する国税庁長官が定める者を定める件(平成18年告示第32号)の一部を改正する件(国税庁告示第25号

2 改正前の制度概要

準確定申告とは、年の中途で死亡した場合の確定申告(所法125①~③)のことを言います。またその場合、相続人(包括受遺者を含む。)が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。

この準確定申告については、死亡した者に相続人が2人以上いる場合には、全ての相続人が連名で提出することとなっています(所令263②)。

では、準確定申告について国税電子申告・納税システム(以下、e-Tax)を利用するとした場合は、どのような手続きになるのでしょうか。

まず、一般的に、e-Taxを使用して申請等を行う場合、申請者は、原則として、当該申請等の情報に①電子署名を行い、②その電子署名に係る電子証明書と併せて、これらを送信する必要があります。

つまり従来の法令に基づけば、準確定申告につきe-Taxを利用するとした場合は、①全ての相続人による電子署名、及び②その電子署名に係る電子証明書の送信が必要、という解釈になりますが、その方法だと実際上の手続きが煩雑になると予想されます。

3 改正の内容

今般、e-Taxによる準確定申告の運用が開始しました。

そこで、納税者の利便性向上を図る目的で、e-Taxを使用して行われる準確定申告書の提出について、改正が行われました。

この改正により、e-Taxを使用する準確定申告について、一定の要件を満たす場合には、①準確定申告書に記載すべき事項(「記載情報」という)に電子署名をして、②その電子署名に係る電子証明書の送信が必要となりますが、これらを送信する相続人(「申請等相続人」という)以外の相続人の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書を送信することまでは不要とされました(令和元年国税庁告示第25号)。

ここで、上記の「一定の要件」とは、e-Taxによる準確定申告書の提出と併せて申告書確認情報(申請等相続人以外の相続人がその記載情報を確認したことを証する電磁的記録を言います)が送信されること(令和元年国税庁告示第25号)を言います。

以上をまとめると、具体的には、申告書への署名及び電子証明書については代表相続人のみが必要で、相続人全員分は不要です。その代わり、相続人が2名以上いる場合は、各相続人が申告内容等を確認した上で、「準確定申告の確認書」という書類に自署で署名・捺印し、そのイメージデータ(PDF形式)をe-Taxで申告書とともに提出することとなります。この「準確定申告の確認書」は、今回の改正により新しく作られた書類です。代表相続人以外の相続人について、準確定申告の内容を確実に確認・了承しているか否かを担保するための書類となります。

4 適用関係

上記の改正は、令和2年分以後の準確定申告書を令和2年1月6日以後に提出する場合について適用されます。なお、準確定申告の電子申告についての手続き全般については、国税庁のページも参照下さい。

これまで準確定申告については電子申告の適用対象外でしたが、今回の改正により可能となり、また、相続人全員の電子署名等も不要とされました。電子申告については、今後も利用を促進する方向で各種整備が進むものと思われます。

※本記事は記事投稿時点(2020年10月9日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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