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【速報】国税庁が「令和6年分相続税の申告事績の概要」及び「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」を発表しました

国税庁は、令和7年12月16日、国税庁HPにおいて、「令和6年分相続税の申告事績の概要」及び「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」を発表しました。
また、各国税局も、令和7年12月16日、各国税局HPにおいて、「令和6年分相続税の申告事績の概要」及び「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」を発表しました。
「各国税局発表分」は、こちらからご覧頂けます。
【参考】
- 東京国税局分:「令和6年分相続税の申告事績の概要」
- 東京国税局分:「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」
1.「令和6年分相続税の申告事績の概要」の分析
(1)申告事績の概要(内書は東京局)
令和6年分における被相続人数(死亡者数)は1,605,378人(前年対⽐101.9%)(内328,773人(同102.7%))でした。
そのうち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は 166,730人(同 107.1%)(内53,379人(同108.2%))、その課税価格の総額は23 兆 3,846億円(同108.1%)(内8兆6,522億円(同108.1%))、申告税額の総額は 3兆2,446億円(同108.0%)(内1兆4,250億円(同105.8%))と増加し、いずれも基礎控除額の引下げがあった平成 27 年分以降で最⾼となりました。
引用:国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」
(2)課税割合(内書は東京局)
課税割合は、10.4%(内16.2%)で、前年より0.5ポイント(内0.8ポイント)上昇しました。
(3)被相続人1人当たり(内書は東京局)
被相続人1人当たりの課税価格は1億4,025万円(前年比101.0%)(内1億6,209万円(同100.0%))、税額は1,946万円(同100.8%)(内2,670万円(同97.9%))となっています。
(4)相続財産の金額の構成比(内書は東京局)
相続財産の金額の構成比は、現金預貯金等34.9%(内32.1%)、土地30.2%(内33.7 %)、有価証券17.8%(内17.9%)、家屋4.8%(内4.5%)、その他12.3%(内11.8%)となり、構成比は、ほぼ前年並みでした。
(5)e-Taxの利用状況等(内書は東京局)
令和6年度における相続税の申告のe-Tax利用件数は12.2万件(内3.9万件)で、前年度に比べ3.7万件(143.5%)(内1.3万件(150.0%))増加、e-Tax利用率は50.3%(内48.5%)で、前年度に比べ13.2ポイント(内14.6ポイント)上昇しました。
2.「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」の分析
(1)相続税の実地調査の状況(内書は東京局)
実地調査件数9,512件(前年比111.2%)(内2,700件、同134.6%)及び追徴税額合計824 億円(同112.2%)(内298億円、同137.4%)と、いずれも増加しました。
(2)申告漏れ等の非違件数及び非違割合(内書は東京局)
申告漏れ等の非違件数は7,826件(前年比108.7%)(内2,118件(同129.6%))、非違割合は82.3%(内78.4%)で、前年より▲1.9ポイント(内▲3.0ポイント)減少しました。
(3)重加算税賦課件数及び賦課割合(内書は東京局)
重加算税賦課件数は1,065件(前年比109.7%)(内188件(同93.1%))、賦課割合は13.6%(内8.9%)で、前年より0.1ポイント(内▲3.5ポイント)増加しました(東京局は減少)。
(4)実地調査1件当たり(内書は東京局)
実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は3,093万円(前年比96.4%)(内3,385万円(同93.1%))、追徴税額は867万円(同100.9%)(内1,105万円(同102.1%))となっています。
(5)簡易な接触の状況(内書は東京局)
簡易な接触件数21,969件(前年比117.0%)(内7,017 件(同115.7%))、申告漏れ等の非違件数5,796 件(同 114.1%)(内1,766件(同116.3%))、非違割合26.4%(内25.2%)となっています。
なお、簡易な接触の事績の公表を始めた平成28事務年度以降で最高となりました。
(6)無申告事案に対する実地調査の状況(内書は東京局)
実地調査件数650件(前年比94.2%)(内126件(同108.6%))及び追徴税額合計142億円(同115.3%)(内58億円(同194.5%))と、いずれも増加しました。
なお、無申告事案に対する調査事績の公表を始めた平成21事務年度以降で最高となりました。
(7)海外資産関連事案に対する実地調査の状況(内書は東京局)
実地調査件数1,359件(前年比143.5%)(内651件(同189.2%))、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数209件(同124.4%)(内89件(同114.1%))及び海外資産に係る申告漏れ課税価格97億円(同155.5%)(内62億円(同214.6%))と、いずれも増加しました。
◎ チェスターの視点
1.相続税の申告事績について
相続税の課税割合は、全国が10.4%、東京局が16.2%で、その差は5.8ポイント、被相続人1人当たりの税額は、全国が1,946万円、東京局が2,670万円(全国比137.2%)で、その差は724万円となっています。
今後、課税割合や被相続人1人当たりの税額は、地価動向により更に上昇する可能性が高いと考えられますので注意が必要です。
2.相続税の調査等の状況について
相続税の実地調査と簡易な接触は、実施件数及び非違件数が、いずれも増加傾向にあります。
今後も地価の上昇が継続するとすれば、相続税の申告件数が増加し、それとともに税務調査(実地調査及び簡易な接触)の件数も増加していくと想定されます。
したがって、納税者の皆さまにとって、誤りのない相続税申告書を提出することが、大切な財産を守っていくためにも極めて重要となって参ります。
税理士法人チェスターは、すべての申告において税務調査リスク回避につながる適正な相続税申告書の作成に努めております。
相続税申告は税理士法人チェスターにご相談ください。
※本記事は記事投稿時点(2025年12月17日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
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