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養子縁組による相続税対策の税務リスク
相続人の人数を増やして節税!?
日本の相続税の計算方法は、法定相続分課税方式といわれ、法定相続人の人数が増えれば増えるほど、相続税が低くなる計算の仕組みとなっています。
このため同じ財産額であっても、相続人の人数によって相続税額が異なるのです。これは富の再分配による格差是正を目的とした相続税の趣旨からすると、一人で財産を受け継ぐよりも複数で受け継いだ方が、相続額が少なくなるという前提のもとで考えられています。
このため子沢山は、相続税節税になるといわれるのです。
養子縁組による相続税の節税は無制限に可能か?
そうなると、誰しもが考えるのが、養子縁組をたくさんして、相続税を意図的に節税しようというものです。
しかしこれに対しては、すでに行き過ぎた節税策を防止するために、制限が設けられています。
【相続税の計算上、控除対象となる養子の人数】
① 実子がいる場合には、養子は一人まで
② 実子がいない場合には、養子は二人まで
ただしこの制限規定は、養子縁組の人数を制限しているわけではありませんので、養子の人数そのものを増やすことは可能です。
税務署に否認される可能性はあるか?
相続が発生する直前に養子縁組をしたり、被相続人が意思表示できない状態であるにも関わらず養子縁組がされていたりなど、理由が正当でない場合は否認される可能性があります。しかし、養子縁組をした理由が正当でないかどうかの判断については、難しいものがあります。
相続開始直前に養子縁組したにも関わらず、養子に一切財産を相続させない遺産分割協議を行う、このようなケースでは、税務署に後から指摘を受ける可能性があります。
しかしながらある程度、説明できるストーリーがあれば、養子縁組による相続税対策そのものには、さほどリスクがないと考えられます。
特に財産総額が2億円以上あるような方では、養子縁組をするだけで1,000万円単位の相続税を節税することも可能です。ただし、戸籍に変更が生じたり、名字が変わったりすることがあるため、そのあたりに抵抗感を感じられる方もいるでしょう。
※本記事は記事投稿時点(2015年11月5日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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