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5年間海外に移住して相続税をゼロ円にするスキームに国税庁のメス
2016/11/14
関連キーワード: 税制改正
日本は相続税の最高税率が55%と、資産家に対する税負担が重い国です。一方で海外には香港、シンガポール等のように相続税が非課税の国もあります。
このため日本の資産家は海外に財産を移転させて相続税をゼロ円にしたいと考えるものです。
しかし日本の税制も無条件に海外への資産フライトを見逃すことはしません。
現状の税制では、財産を持っている人と相続する人の両者が5年以上日本国外に実態を伴った居住をすることで日本の税制が適用されなくなるという5年間ルールというものがありました。
このルールについては財産をもらう人も5年間以上海外居住しなければならないこともあり高いハードルでしたが、数十億円から数百億円の資産を持つ超富裕層からすると5年の我慢で相続税や贈与税がゼロ円になるのであればという考えを持ち実行する人もいました。
しかし平成29年税制改正要望で、この5年ルールを10年へ延長する案が出されました。
繰り返しになりますが、すでにリタイアした年齢である財産を渡す側だけではなく、受け取る側が通常は若い世代であることが多いため日本を離れて海外に長期間居住しなければならない点がこの対策のネックとなっていました。
それが5年から10年に延長されるとなりますと、果たして税逃れのためだけに本当は日本に住みたいことを我慢して海外にフライトするという資産家が減少するはずです。
まとめ
このように海外移住スキームは相続税や贈与税の究極の節税スキームといわれていますが、実際には海外居住をしなければ当該国のタックスヘイブンの恩恵は受けられない税制となっています。平成29年改正で5年から10年へと変更が実施されるのかを注視したいと思います。
※本記事は記事投稿時点(2016年11月14日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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