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税務上の簿価とは|非上場株式(取引相場のない株式)の相続税評価
2015/12/01
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非上場株式(取引相場のない株式)の相続税評価をする際の、第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の記載方法について解説します。非上場株式の相続税評価を行うには相続税に関する知識だけではなく法人税や会計に関する知識も必要なため、誤りやすいポイントがたくさんあります。さらに、市販されている書籍などにはあまり詳しく掲載されていない論点も多々あるため注意が必要です。
帳簿価額の欄には、“税務上の簿価”を入れなければいけない
第5表において、帳簿価額の欄には貸借対照表(B/S)の数字をそのまま転記するだけと思っていると大きな間違いをしてしまう可能性があります。
この第5表の帳簿価額というのは、“会計上の簿価”ではなく、“税務上の簿価”を入れる必要があります。貸借対照表(B/S)に記載されている数字は、“会計上の簿価”ですので、“会計上の簿価”と“税務上の簿価”が異なる場合には単純な転記では誤りになってしまいます。
“会計上の簿価”と“税務上の簿価”が異なる場合とは!?
では、“会計上の簿価”と“税務上の簿価”が異なる場合とはどんな場合でしょうか。
一例をあげると、減価償却超過額がある場合です。会計上は費用として計上されているが、税務上は認められなかったような場合。
例えば、取得価額10,000、会計上の償却費を500計上して、B/Sには簿価9,500で計上しているが、税務上は償却費は300までしか計上が認められない場合。この場合は、税務上の簿価は、9,700となります。つまり、第5表に記載する金額は9,700となります。
法人税の申告書、別表五(一)を見れば分かる!
法人税の申告書、別表五(一)「利益積立金額及び資本金等の計算に関する明細書」を見れば、税務上の簿価を知ることができます。
“会計上の簿価”と“税務上の簿価”が異なる場合には、この別表5に記載が必ずあります。前述の例ですと、“償却超過額”といった記載があります。
※本記事は記事投稿時点(2015年12月1日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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