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5か月の空室期間は一時的空室部分に当たらない

2017/08/29

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5か月の空室期間は一時的空室部分に当たらない

賃貸アパート、賃貸マンション等の敷地である土地や、その建物を相続した場合には、その貸家建付地、貸家の相続税評価額は、賃貸割合に応じて減額することが可能です。
賃貸割合については、原則として、「課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計」に基づいて算定されますが、例えば引越しシーズンなどで、賃貸アパートや賃貸マンションのうちに、一時的に空室である部分があった場合には、「課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計」について「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含めて差し支えない」とされています(財産評価基本通達26)。

この空室が、一時的な空室と認められるか否かは、以下の5要件に基づき、総合的に判断します。

①各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか
②賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか
③空室の期間、他の用途に供されていないかどうか
④空室の期間が課税時期の前後の例えば1ケ月程度であるなど一時的な期間であったかどうか
⑤課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうか
(国税庁:質疑応答事例)

今回、大阪高裁平成27年5月11日判決では、一時的空室であるか否かの判断に当たっては、空室期間の長短は重要な要素であるとして、本件における空室の最短期間である5か月は1か月程度の期間にとどまらず、一時的なものでなく長期間であることから、一時的空室に当たらないと判断しました。

本件では、空室期間の長短は重要な要素である、との見解が示されましたが、一時的空室の判断に当たっては、空室期間のみで判断されるわけではなく、質疑応答事例に基づく5要件に沿って、あくまでも総合的に判断されることには留意が必要です。

※本記事は記事投稿時点(2017年8月29日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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