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贈与税の認定について
2018/01/16
関連キーワード: 贈与税
贈与税とは、贈与により取得した財産に対して課税されるものです。
「今年は110万以上の財産を受け取ったから、来年申告しなくては」
「相続時精算課税制度を使いたいから、申告をしておかないと…」
日ごろ、税法に興味があり、テレビや書籍などで情報収集されている方であれば、贈与を受ければこのように思うはずです。
しかし、必ずしも税法に明るい人ばかりではありません。
何の気なしに株式の名義変更をしたり、奥様の名義で車を買ってあげたり、自宅を購入するときに、資金を出していない息子の名義を入れてしまったり…
贈与になるということを意識しなかったために、うっかり他人の名義にしてしまった、というのはありえない事ではないと思います。このような場合、どうなるのでしょうか。
税務当局がその贈与の事実に気づいた場合、当然ですが課税処分がなされます。
要件事実を認定し、法令を解釈、適用していく事になるのですが、贈与があったことを税務当局が事実認定するのは簡単ではありません。特に、贈与は親族間で行われることが多く、贈与の種類も多種多様で、何をもって事実認定すべきかの判定は困難なものとなります。
そこで、通達によって推認を可能とするため、経験則の定式化・成文化がなされており、
贈与の認定に関するもの(相続税法基本通達9-9)として、財産の名義変更があった場合について定められています。
9-9 不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする。(昭39直審(資)22改正)
このように、不動産、株式等については、名義変更=贈与となりますので、名義変更や、新たに自分以外の人の名義で取得する場合は贈与になることを念頭に置かなければなりません。
では、うっかりしていて、不動産を妻の名義にしてしまったような場合、取り消しはできないのでしょうか。このような場合についても定めがあります。
贈与の取り消しについての取り扱いについての規定です。
「名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて」(昭和39年5月23日付直審(資)22、直資68 国税庁長官通達<昭和57年5月17日一部改正>)
かなり長い文章ですので、直接ご覧になることをおすすめしますが、このうち(過誤等により取得財産を他人名義とした場合の取扱い)では、間違えて、もしくはうっかりしていて他人名義で不動産などの登記をしてしまった場合で、取得者の年齢その他により確認できるときは、贈与財産に対する最初の贈与税申告の日(その他一定の日)の前に、本来の取得者(例えばお金を出した本人)の名義に直せば、贈与がなかったものとしますよ、という趣旨の事が記載されています。
本当に間違えてしまった場合などについては、救済措置もあるということです。
ただ、こうして成文化されていても、適用範囲をめぐる問題もありますので、いずれにしても贈与は適切に、慎重にしなければなりません。
※本記事は記事投稿時点(2018年1月16日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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