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被相続人が入院していた場合、小規模宅地等の特例を使えるのか?
土地の評価を80%減額する小規模宅地等の特例を使うためには、特例を使う土地を居住用にして使っていたということが要件になります。
しかし被相続人が入院中に亡くなった場合は、特例を受けるための土地は居住用として扱われるのでしょうか?
入院中に相続が発生しても小規模宅地等の特例は使える
被相続人が入院した場合、退院後は自宅に戻ることが想定されるため、生活の拠点は入院前に居住していた建物であるとみなされ、小規模宅地等の特例の適用が可能とされています。
長期入院で自宅が空き家になっていた場合は?
長期入院で自宅が空き家になっていた場合でも、相続人が一定の要件を満たしている場合には、小規模宅地の特例の適用が可能です。
先ほどと同様、入院で空き家になっていても被相続人の生活の本拠は依然として空き家となっている建物にあると考えられるためです。
相続人が別居していた場合はどうなる?
入院中に亡くなった被相続人の空き家を、別居している親族が相続した場合は、以下の要件をすべて満たせば小規模宅地等の特例の使用が可能です。
(1)被相続人に配偶者や同居の親族がいないこと
同居の親族とは、被相続人と同居している被相続人の子供等で相続人のことを言います。
(2)被相続人および相続人が、日本国内に住所を有していること
相続人が日本国内に住所を持っていない場合でも日本国籍を持っている場合も条件を満たしたとみなされます。
(3)相続人が、相続開始前3年以内に、自分(又は配偶者)の居住用建物に居住したことがないこと
(4) 特例の対象となる宅地を相続人が相続により取得
別居中の配偶者は要件なしで小規模宅地等の特例を使える
配偶者であれば、同居している場合・別居している場合でも要件なしで小規模宅地等の特例を適用できます。
入院していても小規模宅地等の特例を使えない場合
被相続人の住まいを居住以外の用途に使っていた場合は小規模宅地等の特例を使うことができません。
例えば下記のような場合があげられます。
建物を改装して、貸付アパートにした場合
入院した後に、子供世代が親の自宅に引越してきたような場合
同居の期間がないため
退院後に戻ることはないと荷物を処分していたような場合
退院後に家に戻ることを前提にしていないため
小規模宅地等の特例のすべて
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- 2世帯住宅、被相続人が老人ホームにいた、賃貸アパートを相続など。
パターン別特例の適用判断一覧 - 書くべき2枚の申告書とステップを追った具体的書き方
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