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雑種地とは?税金はどうなる?宅地との違いや判断方法について解説
雑種地という土地を聞いたことはありますか?
あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、あなたの周りには実は多くの雑種地が存在していることをご存知でしょうか。
雑種地の評価をするためには、まずは「あなたの所有する土地は本当に雑種地なのかどうか?」を明確にしなければいけません。
あなたの土地が雑種地に該当するかどうかを明確に判定するために、やるべきことをステップを追って説明していきます。
雑種地とは何かを知る【最初にやるべきこと】
雑種地とは?雑種地の定義
まずは、雑種地であるかどうかの判断をするために必要なのが「雑種地とは何か?」という観点です。
雑種地とはその名の通り、「雑種な土地」という意味で、いろいろな利用形態の土地を総称したものです。
土地評価の指針では、雑種地とは、①宅地 ②田 ③畑 ④山林 ⑤原野 ⑥牧場 ⑦池沼 ⑧鉱泉地 のどれにも当てはまらない土地のことを雑種地と定義しています。
雑種地の具体例
①~⑧以外の土地と言われてもイメージが湧かないと思いますので、ここでは実務でよくみる雑種地の例を3つご紹介します。
(1)駐車場
街で見かける雑種地の中でも身近なものとして、駐車場が挙げられます。
土地の上に何の設備も施されていない青空駐車場はもちろん雑種地ですが、アスファルト敷駐車場や、土地の上に構築物を設置して駐車場としている場合も、ほとんどが雑種地として評価されます。
駐車場は、もともと宅地であった土地を利用していることが多く、登記上の地目が宅地となっていることがよくありますが、土地評価では、その土地の現況によって判断しますので、現況が雑種地であれば雑種地として評価します。
(2)資材置き場
市街化が抑制されている市街化調整区域と呼ばれる地域などには、建物を建てることが規制されるために、住宅の敷地にすることが出来ない土地がたくさんあります。
そのような地域には、資材置き場として空地を活用している土地が多く存在します。
(3)ゴルフ場
ゴルフ場も相続税評価では雑種地として評価します。
多くのゴルフ場は、国税局が評価倍率というものを定めていて、固定資産税評価額に倍率を乗じた金額を評価額とします。
(4)その他の雑種地
他、国税庁が定めた相続税の土地評価上の雑種地を、弊社が実務でよく見る土地とそうでない土地とに分けて、全てご紹介します。
【実務でよくみる雑種地】
・ 墓地
・ 境内地:神社や寺の敷地
・ 水道用地:水道の水源地、貯水池、水道線路に要する土地
・ 用悪水路:かんがい用または悪水はいせつ用の水路
・ ため池:耕地かんがい用の用水貯留池
・ 堤:堤防
・ 公園
・ 公衆用道路
・ テニスコート又はプールで宅地に接続していないもの
・ 高圧線の下の土地で、他の目的に使用することができない土地
・遊園地、運動場、ゴルフ場又は飛行場で、建物敷地以外の土地の利用を主とし、建物はその附随的なものに過ぎないと認められる場合
【実務であまり扱わない雑種地】
・ 運河用地
・ 水力発電のための水路または排水路
・ 競馬場内の土地:馬場は雑種地とし、その他の土地は現況に応じてその地目を定める。
*事務所、観覧席および、きゅう舎など永久的設備と認められる建物の敷地およびその附属する土地は宅地
・火葬場:建物の設備のないときは雑種地
・ 鉄塔敷地または変電所敷地
・ 製錬所の煙道敷地
・ 木場(木ぼり)の区域内の土地は、建物がない限り、雑種地
・ 井溝:田畝または村落の間にある通水路
・ 坑口または、やぐら敷地
・ 陶器かまどの設けられた土地:永久的設備と認められる設備がないときに雑種地
(引用:不動産登記事務取扱手続準則)
宅地・田・畑と雑種地の違い
雑種地は「宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地のどれにも当てはまらない土地」と定義されています。
そのため、雑種地を知るためには、どういう土地が宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地となるのかを知っておく必要があります。
ここでは、土地評価で多く出てくる宅地、田、畑と雑種地の違いについて解説します。
①宅地と雑種地の違い
宅地か雑種地かの判断基準はズバリ「土地の上に建物があるかどうか」です。
宅地とは、「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」と定義されています。多くの場合、建物が建っていれば宅地、建っていなければ雑種地と判断してよいでしょう。
ただし、バッティングセンター、ゴルフ練習場など、建物が建っていても雑種地と判断されたケースもあります。
この判断は非常に難しいので、土地全体のうち建物の敷地以外のスペースが多い場合や、プレハブ小屋など建物の設備が簡易な場合などは、税理士や税務署に相談した方がよいでしょう。
②田・畑と雑種地の違い
田・畑(以下、農地と呼びます)は、「耕作の目的に供される土地」のことをいいます。
また、「耕作の目的に供される土地」には、現在耕作されている土地の他に、現在は耕作されていなくても耕作しようとすればいつでも耕作できるような休耕地や不耕作地も含まれます。
休耕地がもともと農地であったかが分からない場合は、「全国農地ナビ」というシステムで農地として市区町村に登録されているかを確認することが出来ます。
現在耕作されているような農地であればもちろん雑種地とはなりません。
ただし、何年も耕作していなかった休耕地で、雑草などが生育して簡単には農地の状態に戻せないような場合には、雑種地として評価する場合があります。
また、休耕地に砂利を敷いて駐車場などに利用している場合には、農地として市区町村に登録されていても雑種地として評価します。
雑種地かどうかの調べ方
どのような土地が雑種地になるかお判りいただけたでしょうか。
次は実際にあなたの土地が雑種地に該当するかを調べてみましょう。
①現地まで見に行く
これが一番確実な方法です。相続税申告の際に土地をどの地目で評価するかは相続開始日の現況によって判断するからです。
現地に行き所有している土地の状況を確認しましょう。
土地の上に建物が建っていないか、農地として利用されていないか、山林になっていないかを確認し、どれでもなければあなたの所有する土地は雑種地である可能性が高くなります。
②住宅地図で確認する
「所有している土地が遠いところにあり現地まで見に行くことができない。」という方も多いと思います。
Googlemapなどの住宅地図の閲覧ツールでは、現在ほとんどの地域で航空写真を見ることが可能です。
また、Googlemapでは、道路から全方向カメラで撮影したストリートビューという機能もあり、下の例のように、まるで現地に行ったかのように土地の状況を確認することが出来ます。
誤った雑種地の判断方法:登記簿上の地目により判断する
土地の登記簿謄本を取ると、その土地の地目が記載されています。
その地目が宅地や畑であるからといって、雑種地ではないと判断してしまう場合がありますが、それは間違いです。
先述したように、土地評価は登記地目ではなく現況で判断します。
また、駐車場や資材置き場として利用するのに登記地目の変更は必要ではありませんので、登記地目は宅地や畑になったままで駐車場利用していたり資材置き場としているような土地は多く存在します。
もし、現況が全く不明で、航空写真やストリートビューも見ることができない土地があった場合は、固定資産税の課税地目を見てみると良いでしょう。
毎年4月から5月くらいに土地の所有者に送られてくる「固定資産税納税通知書・課税明細書」という書類があります。そこに、登記簿上の地目と固定資産税上の現況地目が記載されています。
この現況地目は、役所の担当者が1月1日時点の現況を見て判断しています。
そのため、固定資産税の課税地目が雑種地となっている場合は、その土地は雑種地である可能性は高くなります。
※市区町村によっては、数年に一度しか現況を確認しない所や、雑種地であっても宅地として固定資産税を課税している市区町村もありますので、固定資産税上の課税地目のみで現況を判断するのは危険です!なるべく目で見て現況を確認しましょう。
雑種地の土地評価方法のすべて
相続においては土地の地目に「雑種地」と記載されていても必ずしも雑種地になるとは限りません。今土地をどのようにして使っているかなどの現状を加味して判断するためです。
また定義があいまいのため評価が難しく、相続を専門に勉強をしていなければ、正しい節税ができないことが多いです。
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相続税における雑種地の土地評価方法を知る