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マンションを相続したら絶対に読むべき広大地評価の適用方法
※2018年1月以降発生の相続について、「広大地評価」は適用できません。代わりに「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されています。※
マンションを相続したら最大で65%の節税が見込める「広大地評価」を使いたいところです。
しかし広大地評価を使うにも要件があるため、必ず使えるとは限りません。
ではどのようにしたら土地の評価を65%減額する土地の広大地評価はマンションに適用できるのか?
結論から言えば「周りの状況によるって適用の不可が変わる」です。
これはどういうことかと言いますと、相続したマンションがある土地が「マンションとして使うのが最も有効的な使用」と判断された場合は、広大地評価を使えません。
つまり、65%の評価減(節税)ができません。
またマンションが建っている土地についての広大地評価の判定はもちろん
・農地や原野などマンションが建ってなくとも「マンションが最有効使用」とされる土地
の場合についても判定の必要性があります。
要は「農地を相続したからマンションの広大地評価は関係ない」ということはないということです。
それぞれどういった判定をするのか、具体的に見ていきましょう。
1.広大地評価を使うためにその土地のマンション利用が最有効使用かどうか判断
マンションが最有効使用かどうかを判断するためには「そのマンションは利益が最大化されているかどうか」を相場と比較して見比べます。
相場とは相続したマンションがある土地と似たような土地にあるマンションの賃料や入居率から判断した賃貸料収入のことを指します。
この賃貸料収入が相場と比較して低かったら最有効使用ではないと判断され広大地評価の活用が認められます。
具体的に判断の方法を見ていきましょう。
① 相続したマンションの賃料収入はいくらあるのか?
まず、類似する地域の家賃の相場からして、そのマンションがどの程度の賃貸料収入を生み出すのかを調べます。
賃料収入は「戸数当たりの賃貸料単価×総戸数×入居率」で求められます。
注意点は、家賃が高くなれば入居率は低下する傾向にある点です。
比較対象となるマンションが家賃も高く、入居率が高いということは実務経験上ありませんので、それも考慮した比較計算を次で行います。
② 類似したマンションの家賃相場を計算する
戸数当たりの賃貸料単価×総戸数×入居率=賃貸料収入の総額が最大値となるような賃貸条件を設定
③ 現在の家賃収入と相場の家賃収入を比較する
ここでもし、
現在の家賃収入 > 相場の家賃収入
となれば、現在、その土地はマンションとして使うことが最有効使用となるので、広大地評価が使えない可能性が高いです。
逆に
現在の家賃収入 < 相場の家賃収入
となれば、現在のマンションのある土地は、マンションとして使うことが最有効使用ではないので、広大地評価が使える可能性が高いです。
ポイントは、単に入居率(空室率)のみの基準で判断することはできませんので注意が必要です。
2.農地や都会の駐車場がマンション適地と判断された場合は広大地評価が使えない
例えば相続した農地や都会の駐車場などがマンション適地と判断されますと、その時点で広大地評価を適用することが難しくなります。
相続した土地が農地でもマンション適地と判定されることもあるので、「農地だから大丈夫」といかない点が、広大地のポイントです。
広大地評価を使うためには以下の①~④のように、相続した土地がマンション適地かどうかチェックすることが必須です。
広大地はマンション適地になるのか① その地域の容積率の確認~分かれ目は300%~
容積率とは、敷地面積に対する総床面積の割合のことで、戸建て住宅よりもマンションの方が当然高くなります。
例えば、その地域の容積率が200%だと、建設をするときには容積率が200%未満になるように建ててくださいね、という意味です。
つまり、この容積率が高い地域というのは、マンションを建設することが可能な地域、もっと言ってしまうと最有効使用が戸建てではないということを意味すると解釈できますので、広大地の判断材料となるのです。
一般的には300%以上だとマンション適地であると解されます。
広大地はマンション適地になるのか② 地域内のマンションやアパートなどの地積
該当地がマンション適地かどうかを判断するためです。
過去の判例では、地域内のマンションやアパートの最小地積と最大地積の平均を出して、その平均地積と該当地の地積を比べることで、マンション適地かどうか判断されます。
広大地はマンション適地になるのか③ 過去10年程度の開発事例
近隣地域で過去10年程度の開発事例を調べ、同規模の土地の開発でマンションが多く建設されていたら、マンション適地と言える可能性が高くなるでしょう。
しかし、直近に道路を入れた戸建開発を行っているところがあれば、広大地評価ができるかもしれません。
広大地の判断に迷った場合、その地域で最近どのような開発が行われたのかを調査することが非常に大切です。
例えば、付近にマンションがいくつか建設されているような地域でも、マンションの建設よりも後に戸建分譲用地としての開発が行われていれば広大地評価の可能性が高まりますし、逆に、戸建分譲用地としての開発の後でマンションや工場が建設されると、可能性は低くなってしまいます。
広大地はマンション適地になるのか④ 駅からの距離
駅からどれだけ離れているか(近いか)も判断の参考になります。
基本的にマンション業者は、駅から10分以内の土地を欲しがります。駅チカでないと需要が無いからです。
逆に、20分以上離れていると、戸建て業者が欲しがります。そのため、最有効は戸建てと解釈できます。
広大地評価のすべて
500㎡の土地を相続した場合、広大地評価を使った評価を行うと最大65%の大幅な節税が可能になります。
広大地はその名の通り広い土地を指しますが、広大地と認定される条件を満たしていなければ、たとえ土地が500㎡以上あろうとも広大地になりません。
あなたの相続した土地は広大地に適用されて大幅な節税ができるのか?
「広大地評価のすべて」をみるとあなたは以下のことができるようになります。
- ・お持ちの土地が広大地かどうかの判断ができる
- ・広大地と認定されるテクニックがわかる
- ・広大地評価を使うための書類の記載方法
無料で評価の判定から方法を知り、今すぐに節税を行ってください。
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