チェスター相続税実務研究所
調整池の相続税評価
2018/02/28
開発が行われた土地等、近隣の住民が共有で調整池の持分を持っているケースがあります。
ここでは、調整池の相続税評価について記載します。
調整池の評価について詳しく知りたい方はコチラ>>
調整池は地目としては池沼に該当することになりますが、池沼は原野に準じて評価を行うこととなっています。ここで、その調整池が市街地原野の評価となる場合には、宅地転用が可能か否かにより、評価が変わってくるため、留意する必要があります。
(市街地山林の評価)
49 市街地山林の価額は、その山林が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額から、その山林を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に、その山林の地積を乗じて計算した金額によって評価する。
ただし、その市街地山林の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある山林の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することができるものとし、その倍率が定められている地域にある市街地山林の価額は、その山林の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する。なお、その市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合には、その山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価する。(財産評価基本通達49)
財産評価基本通達49は市街地山林の評価についてですが、こちらは池沼の評価においても準用されます。宅地転用が見込めない場合とは、以下が該当します。
①造成費用が多大で市街地山林の評価額が純山林の評価額を下回る場合。
②急傾斜地等で宅地造成ができないと認められる場合。
役所調査及び現地調査等で、①または②に該当するか否かを確認し、該当するようであれば、その調整池は純原野評価となります。また、いずれにも該当しない場合であっても、例えば調整池の機能を失うような開発については市町村から制限を受ける等、実質的に宅地造成ができない状態である可能性もあるため、留意が必要です。
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