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国税庁が令和3年分の路線価等を発表~標準宅地の評価基準額の全国平均値がコロナ禍で6年ぶりに下落~

2021/08/16

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1.はじめに

令和3年7月1日、国税庁は令和3年分の「路線価図及び評価倍率表(財産評価基準書)」を公表しました。

今回発表された路線価等は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の観光客が減少した地域や、飲食店への営業自粛・営業時間短縮の要請が続いた地域の下落が目立っています。

本稿では、令和3年分の路線価等の動向についてお伝えします。

令和3年分の路線価等は、令和3年1月1日~令和3年12月31日までの間に、相続・遺贈・贈与(以下、相続等)によって取得した土地等の財産に係る、相続税及び贈与税を算出する際に適用します。

なお、路線価等は毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格等を元にした価額の80%程度を目途に評価されています。

 

2.令和3年度の標準宅地の評価基準額~全国平均は6年ぶりに下落~

標準宅地の評価基準額の変動率の全国平均は対前年▲0.5%(前年は1.6%)となり、6年ぶりに下落しました。

都道府県別では7都道府県が上昇したものの、上昇率は5%未満に留まり、前年の21都道府県の上昇と比べると、上昇した都道府県の数が減っています。

また静岡県をはじめとする39都道府県が下落し、前年の26都道府県の下落と比べると、下落した都道府県が増えています。

 

 

3.令和3年度の最高路線価~36年連続で鳩居堂前~

令和3年度の全国の地点別の最高路線価は「東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り(鳩居堂前)」で、1㎡あたり4,272万円となりました。

当該路線価は36年連続で全国トップとなりますが、対前年比▲7.0%となり、9年ぶりに下落しました。

都市別の最高路線価では、再開発などの影響により札幌・仙台・宇都宮・千葉・横浜・福井・佐賀・大分の8都市が上昇(前年38都市)したものの、22都市で下落(前年1都市)をしています。

最も下落率が大きかったのは「奈良市東向中町大宮通り」で、対前年比▲12.5%と大幅に下落しました。

また令和2年に上昇率40.8%となった「那覇市久茂地3丁目国際通り」は、令和3年は対前年比▲1.4%と下落に転じています。

 

【参考:国税庁「令和3年分都道府県庁所在都市の最高路線価」】

 

4.令和2年度と同様に路線価の減額補正が行われる可能性も

令和3年分の路線価等は、年の途中で大幅に地価が下落したことが確認された地域があれば、路線価等の減額補正を行うことを検討するとされます。

令和2年は上半期の路線価の減額補正はされませんでしたが、令和2年下半期には大阪市中央区の一部地域において地価の下落が20%以上認められたため、路線価等の減額補正が行われました(過去のニュース記事はコチラ)。

なお、該当地域に所在する土地等を相続等によって取得した場合は、「路線価に地価変動補正率を乗じた価額に基づいて土地等の評価額を算出すること」とされています。

今回発表された令和3年分の路線価等に減額補正が行われる場合は、国税庁「路線価図・評価倍率表」の左側にある、「お知らせ」部分に最新情報が記載されますので確認するよう心がけましょう。

 

5.さいごに

令和3年分の路線価等は、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった地域の下落が目立っています。

なお、今回公表された路線価等は令和3年1月1日を評価時点としているため、その後の新型コロナウイルス感染症の影響などは反映されていません。

年の途中で大幅な地価下落が認められた地域があった場合は、令和2年分と同様、路線価等の減額補正も検討されることとなります。

令和3年1月1日~12月31日までの間に、新型コロナウイルス感染症の影響があると予測される地域の土地を相続等で取得した方は、常に国税庁の最新情報を元に、路線価等の減額補正の有無を確認するよう心がけましょう。

※本記事は記事投稿時点(2021年8月16日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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