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国税庁が相続税の申告事績の概要(R5)と調査等の状況(R5)を発表【速報】

2024/12/19

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国税庁が相続税の申告事績の概要(R5)と調査等の状況(R5)を発表【速報】

国税庁は、令和6年12月18日、国税庁HPにおいて、「令和5年分相続税の申告事績の概要」及び「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」を発表しました。

また、各国税局も、令和6年12月18日、各国税局HPにおいて、「令和5年分相続税の申告事績の概要」及び「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」を発表しました(現時点では、発表のない局もあるようです)。

「各国税局発表分」は、こちらからご覧いただけます。

【参考】

1.「令和5年分相続税の申告事績の概要」の分析

1-1.申告事績の概要(内書は東京局)

令和5年分における被相続人数(死亡者数)は 1,576,016 人(前年対⽐ 100.4%)(内320,254人(同99.6%))でした。

そのうち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は 155,740 人(同 103.2%)(内49,356人(同102.1%))、その課税価格の総額は 21 兆 6,335 億円(同 104.6%)(内8兆28億円(同104.8%))、申告税額の総額は 3 兆 53 億円(同 107.4%)(内1兆3,465億円(同109.1%))でした。

1-2.課税割合(内書は東京局)

課税割合は、9.9%(内15.4%)で、前年より0.3ポイント(内0.4ポイント)上昇しました。

1-3.被相続人1人当たり(内書は東京局)

被相続人1人当たりの課税価格は1億3,891万円(前年比101.3%)(内1億6,214万円(同102.7%))、税額は1,930万円(同104.0%)(内2,728万円(同106.9%))となっています。

1-4.相続財産の金額の構成比(内書は東京局)

相続財産の金額の構成比は、現金預貯金等(35.1%)(内31.7%)、土地(31.5%)(内34.8%)、有価証券(17.1%)(内18.7%)、家屋(5.0%)(内4.7%)、その他(11.4%)(内10.1%)となり、構成比は、ほぼ前年並みでした。

1-5.e-Taxの利用状況等(内書は東京局)

令和5年度における相続税の申告のe-Tax利用件数は8.5万件(内2.6万件)で、前年度に比べ2.4万件(38.7%)(内7千件(38.6%))増加、e-Tax利用率は37.1%(内33.9%)で、前年度に比べ7.6ポイント(内7.2ポイント)上昇しました。

2.「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」の分析

2-1.相続税の実地調査の状況(内書は東京局)

実地調査件数(8,556 件、対前事務年度⽐ 104.4%)(内2,006件、同106.5%)及び追徴税額合計(735 億円、同109.8%)(内217億円、同97.9%)は、ともに増加しました(東京局の追徴税額は減少)。

2-2.申告漏れ等の非違件数及び非違割合(内書は東京局)

申告漏れ等の非違件数は7,200件(前年比102.3%)(内1,634件(同101.3%))、非違割合は84.2%(81.5%)で、前年より1.7ポイント(内4.2ポイント)減少しました。

2-3.重加算税賦課件数及び賦課割合(内書は東京局)

重加算税賦課件数は971件(前年比93.1%)(内202件(同86.3%))、賦課割合は13.5%(内12.4%)で、前年より1.3ポイント(内2.1ポイント)減少しました。

2-4.実地調査1件当たり(内書は東京局)

実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は3,208万円(前年比100.0%)(内3,634万円(同94.0%))、追徴税額は859万円(同105.2%)(内1,083万円(同91.9%))となっています。

2-5.簡易な接触の状況(内書は東京局)

簡易な接触件数(18,781件、対前年比125.2%)(内6,066件、同109.0%)、申告漏れ等の非違件数(5,079件、同137.8%)(内1,518件、同126.0%)、非違割合(27.0%)(内25.0%)となっています。

◎ チェスターの視点

1.相続税の申告事績について

相続税の課税割合は、全国が9.9%、東京局が15.4%で、その差は5.5ポイントとなっています。

これに対し、被相続人1人当たりの税額は、全国が1,930万円、東京局が2,728万円(全国比141.3%)で、その差は798万円となっています。

この差は、地価の違いから生ずるものと考えられますが、令和6年分の相続税申告から「居住用の区分所有財産の評価について(法令解釈通達)」(いわゆるマンション通達)が適用されることになりますので、特にマンションが多い東京局の課税割合や被相続人1人当たりの税額は、更に上昇する可能性がありますので注意が必要です。

2.相続税の調査等の状況について

相続税の実地調査及び簡易な接触の件数は、いずれも増加傾向にありますが、非違割合を見ますと、実地調査の非違割合が減少し、簡易な接触の非違割合は増加していることが分かります。

現状、相続税の課税割合は上昇傾向にあります。

そうすると、税務調査は、今後、実地調査から簡易な接触に更にシフトし、接触件数を増やしていくことが想定されます。

そういう意味からも、誤りのない相続税申告書を作成することがとても大切だと考えます。

※本記事は記事投稿時点(2024年12月19日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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