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土地の路線価と時価の違い。路線価は時価の8割程度?
2015/05/25
関連キーワード: 路線価
(1)路線価ってなに?
路線価とは、国税庁が毎年7月1日に発表する、相続税の土地評価の計算のためのものです。
(2)路線価は売買金額と違う?
路線価は、あくまで相続税の申告や贈与税の申告等、税金計算のために用いる指標であり、土地の一般的な取引相場である時価とは乖離しているケースが大半です。
路線価=取引相場(時価)×約80%
路線価は時価の8割程度に設定されているため、時価よりも低いことがほとんどです。
(3)路線価と時価の乖離は相続の際に問題に!?
このように路線価と時価は同じ土地の価値をあらわすものですが、金額が異なります。
そして相続の際には、この路線価と時価の乖離が度々問題になるのです。
例えば、お父さんに相続が発生して、子が2人のケースを想定してみましょう。
財産:土地8,000万円(路線価評価)、預貯金8,000万円
長男が土地を相続、二男が預貯金8,000万円を相続。
この時に、二男の立場にたってみると、預貯金8,000万円を相続できるので、長男と平等に見えますが、土地は売却すれば1億円で売ることができます。
そうすると、二男としては土地を路線価ではなく、時価の1億円で評価して財産の分け方を決めようという心情になりますね。
これが相続における路線価と時価の乖離問題です。
(4)実際は路線価を用いるケースも多い!?
上記のような問題がありますが、実際には、相続の際に路線価を用いて財産の分け方を決定することも多くあります。
それは、土地という財産はすぐに売却をしないことも多く、流動性のある預貯金よりも換価性がないことや、実際に土地を売却する際には「譲渡所得税」という税金がかかること、土地を所有していると毎年固定資産税等の維持費がかかること等を総合的に勘案すると、路線価で評価した土地の価値をベースに遺産分割案を決定した方が、結果的に平等な分け方になることも多いためです。
路線価もしくは、取引相場(時価)、どちらを使って遺産分割を決定するかについては、決まり事はなく、最終的には相続人同士の話し合いに委ねられます。
揉め事に発展しないように、それぞれの財産の特徴等を考えて、遺産分割の話し合いをすることが望まれます。
※本記事は記事投稿時点(2015年5月25日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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