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マイナンバーが税務署のデータと本格的に紐づけ開始

2017/05/30

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マイナンバーが税務署のデータと本格的に紐づけ開始

マイナンバーとは?

マイナンバーとは、ご存知の通り国民一人一人に対して付された12桁の番号で、「社会保障分野」、「税分野」、「災害対策」へ利用されるものです。

これらの分野には、それぞれ専門の省庁(厚生労働省や国税庁など)がありますが、今まで、各省庁がそれぞれのシステムで管理していた国民の情報を、同じ番号で一括管理しようとするのがこのマイナンバーです。

これにより、税分野においては、各国民の所得や財産の状況を漏れなく把握し、より正確な課税を効率的に行うことができるようになることが期待されています。

国税分野での紐づけが本格開始

税分野では、平成28年1月1日以降に開始した相続に係る相続税申告書や平成28年分の所得税の確定申告書などから、申告書にマイナンバーを記載することが義務付けられましたが、国税ではこうして把握したマイナンバーを、もともと税務署が保有している情報(申告書や支払調書など)と紐づけをする作業が本格的に開始したようです。

税務署では、今まで納税者の情報は、「整理番号」という番号で管理していましたが、この整理番号は税務署ごとに作成されていましたので、例えば引っ越しなどにより税務署の管轄が変わり、別の税務署に申告書を提出した場合などには、同じ人に複数の整理番号が付されるなどという状況があったため、その整理番号では個人を完全に特定することができませんでした。

そこで、マイナンバーとこの整理番号を紐づけすることにより、税務署が保有している情報について個人を特定できるようにしようとするのが、今回の紐づけ作業です。

このような作業を一般的に、「名寄せ」と呼ぶことがあります。

申告書にマイナンバーを記載しなくても税務署はマイナンバーを把握できる

税務署は、基本的に申告書に記載されたものから、マイナンバーを把握しています。

また、申告書へのマイナンバーの記載は、法律で義務付けられてはいますが、仮にマイナンバーの記載のない申告書を提出した場合でも、税務署はその申告書を受け付けてくれます。

また、現在、罰則等も設けられていないため、納税者側にはマイナンバーを記載しないことによる不利益は特にないことになります。(ただし、あくまで法律上記載する義務はありますので、ご注意ください。平成29年5月時点の情報)

ということは、「申告書にマイナンバーを記載しなければ、名寄せはされないのではないか?」と考えることもできますが、国税はそんなに甘くはありません。

国税では、地方公共団体情報システム機構(マイナンバーなどの事務を行う組織)からマイナンバーや住所、氏名、生年月日などの情報を取り寄せることができますので、申告書にマイナンバーを書かずとも、国税はマイナンバーを簡単に把握できるようになっています。

平成30年から預金の名寄せにも使用されることに!!

その他、相続税の申告をする上で、特に注目しておきたいのが、「平成30年からマイナンバーが預金の名寄せでも使用可能とされた」点です。

もともと、マイナンバーはその利用範囲を、原則として「社会保障分野」、「税分野」、「災害対策」の3つの分野に(かなり厳格に)限定してスタートしたものですが、平成27年9月3日にマイナンバー法が改正され、これらの3分野に加えて、「預金の名寄せ」も利用範囲に追加されることとなりました。(その他、医療分野での利用も追加されています)

具体的な内容は、金融機関に対し、預金情報(顧客情報)をマイナンバーで検索可能な状態で管理することが義務付けられるというものですが、これはつまり、例えば、税務署が被相続人名義の預金を金融機関に照会した場合に、金融機関はそのマイナンバーで名寄せをした情報で回答することとなりますので、今までよりも預金の申告漏れを把握しやすくなるということです。

また、現段階では、預金者側にマイナンバーを提供する義務はありませんので、金融機関にマイナンバーを提供するかどうかは、あくまで任意ということになっていますが、今後、義務化も予定されていますので、注意が必要です。

したがって、相続税の申告では、今まで以上に預金口座の申告漏れには注意して申告する必要がありそうです。

まとめ

このように、マイナンバーについては、税分野をはじめ多方面での利用が検討されており、今後もその範囲が拡大していくことが見込まれます。

今回の、税分野での紐づけ作業はその第一歩といったところでしょう。

今後も、マイナンバーの動向については、注目していく必要がありそうです。

※本記事は記事投稿時点(2017年5月30日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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