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配当還元方式を巡る株式評価で更正処分の取消し

2017/11/28

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配当還元方式による取引相場のない株式の評価の適否が争われた事件で、更正処分が取り消される判決(東京地裁平成29年8月30日)が確定しました。

1.事案概要

A社の代表取締役甲(本件の被相続人)の相続人乙が、同社の株式につき配当還元方式により1株当たり75円と評価し、相続税の申告をしました。これに対して、所轄税務署長は、同株式につき類似業種比準方式により1株当たり2,292円と評価し、更正処分等をしましたが、その処分が裁判所に取り消されたというものです。

争点は、乙が取得したA社の株式が「同族株主以外の株主等が取得した株式(財産評価基本通達188)」に該当するか否かですが、注目すべきは、国の主張する法解釈論を裁判所が排斥したことです。

2.国の主張

国は、以下のように主張しました。

C社及びB社(いずれもA社役員・従業員が株主)が、その有するA社の議決権についてA社又は乙の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意していれば、法人税法施行令4条6項により、財産評価基本通達188の適用上、その議決権はA社又は乙が有するとみなされる。

その結果、乙とその同族関係者の有するA社の議決権割合は15%以上となり、配当還元方式は使えない(財産評価基本通達188(3))。

3.裁判所の判断

裁判所は、同通達188の適用上、評価会社における株主の議決権割合の判定そのものに同条6項が適用されるわけではない旨述べ、国の主張を排斥しました。その理由として、同条6項は当該「同族関係者」に当たる同条3項に定める特殊の関係のある法人についてのその該当性の判断等に関して設けられた規定であることが挙げられています。

このように、国の主張する法解釈論が排斥された結果、乙とその同族関係者の有するA社の議決権割合は15%未満となり、配当還元方式でのA社株式の評価は誤りではなかったこととなります。

通達や法令の読み方について、非常に示唆に富む判決だと思われます。

(参照通達・法令 一部抜粋)

◆財産評価基本通達

(同族株主以外の株主等が取得した株式)

188 178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫の「同族株主以外の株主等が取得した株式」は、次のいずれかに該当する株式をいい、その株式の価額は、次項の定めによる。(・・略・・)

(1) 同族株主のいる会社の株式のうち、同族株主以外の株主の取得した株式

この場合における「同族株主」とは、課税時期における評価会社の株主のうち、株主の1人及びその同族関係者(法人税法施行令第4((同族関係者の範囲))に規定する特殊の関係のある個人又は法人をいう。以下同じ。)の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の30%以上(・・略・・)である場合におけるその株主及びその同族関係者をいう。

(3) 同族株主のいない会社の株主のうち、課税時期において株主の1人及びその同族関係者の有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の15%未満である場合におけるその株主の取得した株式

◆法人税法施行令

第四条

2 法第二条第十号に規定する政令で定める特殊の関係のある法人は、次に掲げる会社とする。(・・略・・)

3 前項各号に規定する他の会社を支配している場合とは、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合をいう。

一 他の会社の発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合

二 他の会社の次に掲げる議決権のいずれかにつき、その総数(当該議決権を行使することができない株主等が有する当該議決権の数を除く。)の百分の五十を超える数を有する場合(・・略・・)

三 他の会社の株主等(・・略・・)の総数の半数を超える数を占める場合

6 個人又は法人との間で当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者がある場合には、当該者が有する議決権は当該個人又は法人が有するものとみなし、かつ、当該個人又は法人(当該議決権に係る会社の株主等であるものを除く。)は当該議決権に係る会社の株主等であるものとみなして、第三項及び前項の規定を適用する。

※本記事は記事投稿時点(2017年11月28日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

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