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小規模宅地等の特例の改正 家なき子に一定の経過装置
2018/03/13
関連キーワード: 小規模宅地等の特例
平成30年度税制改正において、小規模宅地等の特例の特定居住用宅地等うち『家なき子』の要件が見直されます。
昨年12月公表の税制改正大綱では、家なき子の経過措置の内容は明記されておりませんでしたが、2月2日に国会に提出された税制改正法案に一定の経過措置が盛り込まれていることがわかりました。
この記事の目次 [表示]
①家なき子の現行要件
イ.被相続人に配偶者がいないこと
ロ.被相続人と同居していた相続人がいないこと
ハ.相続開始時から相続税の申告期限までその宅地等を所有していること.
ニ.相続開始前3年以内に、国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと
②改正後の新要件
※新要件は、原則平成30年4月1日以後の相続又は遺贈に適用されます。
イ.同上
ロ.同上
ハ.同上
ニ.相続開始前3年以内に、国内にある次の者が所有する家屋に居住したことがないこと
◇自己又は自己の配偶者
◇その親族の3親等内の親族
◇その親族と特別の関係のある一定の法人
ホ.相続開始時にその親族が居住している家屋を過去に所有していたことがないこと
③経過措置
平成30年4月1日から平成32年3月31日までの相続又は遺贈には現行要件を適用できる経過措置です。
この経過措置は平成30年3月31日時点に相続又は遺贈があったものとした場合に現行要件を満たすことになる宅地等(経過措置対象宅地等といいます)については、現行要件を満たせば家なき子の特例を適用できることとなります。
ただし、以下の留意点に注意が必要です。
<留意点>
1.今から持家を売却しても、平成30年3月31日時点に相続又は遺贈があったものとした場合においては家なき子に該当しませんので、経過措置の対象にはなりません。新要件の適用になります。
2.平成30年3月31日時点において親族が家なき子の要件を満たしていても、その後被相続人の自宅を売却し、新たに自宅を購入し、その後に相続又は遺贈が生じた場合、新たな自宅は平成30年3月31時点において家なき子要件を満たす「経過措置対象宅地等」には該当しませんので、経過措置の対象にはなりません。新要件の適用になります。
3.平成30年3月31日時点で複数の親族のいずれかが家なき子に該当していても、実際の相続で被相続人の自宅の敷地を取得する相続人が、平成30年3月31日時点で家なき子に該当していなければ、経過措置の対象にはなりません。新要件の適用になります。
4.平成30年3月31日時点で家なき子に該当する親族は、実際の相続開始時においても、現行要件を満たしていなければなりません。自宅を購入するなどして、実際の相続時に現行要件を満たしていない場合は、経過措置の対象にはなりません。新要件の適用になります。
以上の留意点からも、今後数年間はこれまで以上に家なき子の特例についての適用関係に注意が必要となります。
※本記事は記事投稿時点(2018年3月13日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
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