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暦年贈与と相続時精算課税制度との有利判定
2011/06/13
関連キーワード: 相続時精算課税制度
相続税の節税対策として、出来るだけ、財産を次の世代に承継させておきたいと感じる方々が多いかと思われます。
しかし、どのような対策方法が最善な選択であるのか、単純には導き出せないのが現状かと思われます。贈与税の基礎控除は1年間に110万円ありますので、1年間に1人に対する贈与につき、この範囲内の贈与ならば、贈与税がかかりません(暦年贈与)。
しかし、ここでの問題は、贈与をしてから3年以内に相続が発生すると(※1)、贈与財産が相続財産に加算されてしまうことです。
また、贈与税の税率は高いため、高額な財産の贈与を行うことが難しくなってきます。
一方、相続時精算課税(※2)の方法を取れば、2,500万円までは贈与税がかからず、一度に多額の贈与を行うことができるので、贈与税の節税対策にはなります。
しかし、相続時精算課税制度では、制度の対象となる親世代の相続時に相続財産に当該贈与財産を加えて計算することになります。
そのため、相続時精算課税制度を適用することは、必ずしも相続税の節税対策になるとは限りません。
相続税がかからないくらいのご家庭で、とにかく早めに財産を次の世代に移転させたいという場合には大いに利用するべきですが、生前贈与により相続税の節税対策を行いたいという場合には、十分な検討が必要となります。
(※1)贈与財産が相続財産に加算される対象の期間は令和9年以降段階的に延長され、令和13年以降は「7年以内」となります。そのため、今後相続税の節税対策は、より早い段階から行う必要があります。
(※2)国税庁タックスアンサー No.4103 相続時精算課税の選択
※本記事は記事投稿時点(2011年6月13日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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