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成年後見制度とは ~その2 相続人の中に認知症等の方がいるケース~

2008/11/16

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遺産分割協議も、法律行為であるため、有効な遺産分割を行うためには、遺産分割協議の当事者全員すなわち相続人全員が有効に『法律行為』を行うことができる意思能力と行為能力を有していることが必要です。

もし相続人の中で認知症の方がいらっしゃる場合で、面会者の名前や、自分との関係がはっきりせず、誰と面会しているかわからないという状態が常時続くというような、「精神上の障害により事理を弁論する能力を欠く常況」といえるときは、行為の結果を弁論するに足る精神能力があるとは考えられませんので、その相続人をそのまま遺産分割協議に参加させても、後に意思無能力を理由に無効とされるおそれがあり、完全には有効な遺産分割になりません。

このような場合、原則として有効な遺産分割をするためには、遺産分割協議をする前に、家庭裁判所に後見開始の審判の申立をして、家庭裁判所で後見開始の審判と成年後見人を選任してもらう必要があり、そのうえで、成年後見人を交えて遺産分割協議をすることになります。なおこの後見開始の申立から選任までは早くても3ヶ月程度の期間を要します。

しかしながら、現実的には「争いがない場合、事後的に争いに発展する可能性がない場合」には費用も手間もかかる成年後見制度を利用せずに、認証症の方以外の相続人の同意のもとで遺産分割を行うケースが多いようですが、後々になって利害を有する方の主張により当初の遺産分割が無効となるリスクも潜んでいます

※本記事は記事投稿時点(2008年11月16日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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