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金庫株活用の相続対策におけるメリット
2008/11/23
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「金庫株」とは、会社が自己の発行した株式を自ら買い取った、いわゆる「自己株式」を指します。平成13年10月施行の商法改正によって、その取得・保有が原則自由になりました。自由に金庫から出し入れが可能、というイメージから「金庫株」の名称で呼ばれます。
今回は、小規模な非上場会社のオーナーA氏が、経営する会社C社の株式を保有していた状態で亡くなり、親族のB氏に相続が発生するケースを見てみましょう。
当然、オーナーA氏の保有していたC社株式はB氏に引き継がれます。このようなケースの場合、相続人であるB氏は相続税の納税資金に頭を悩ませるところです。 その際に、B氏は相続したC社株式を、C社に金庫株として買い取ってもらうことにより、納税資金を工面する場合があります。
この場合、B氏はC社からの自己株式の買い求めに応じた格好になりますので、通常は「みなし配当課税」の問題が生じ、「総合課税」で課税されます(配当控除考慮後でも43.5%)。 しかし、「相続により取得した非上場株式を申告期限後3年以内に発行会社に譲渡した場合」には、みなし配当課税は適用されず、株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして、「株式等に係る譲渡所得等の課税の特例」が適用されます(「譲渡所得課税」となりますので、譲渡利益に対し一律所得税15%・住民税5%の税率)。
これだけでも税制上の優遇は明らかですが、さらに「相続財産を譲渡した場合の譲渡所得の取得費加算の特例」の適用が可能となりますので、次の算式で得た相続税相当額を譲渡株式の取得費に加算して、譲渡所得を算定できます。
その者の税額 × 譲渡した相続財産の課税価額 / その者の課税価額
この算式により得られた金額を取得費に加算、つまりは譲渡利益を小さくできます。 これらの措置に鑑みても、金庫株は相続対策に活用できると、充分に言えます。
※本記事は記事投稿時点(2008年11月23日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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