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【事業承継】驚くほど高額な相続税で経営危機に?大切な会社を次世代に残す方法とは

【事業承継】驚くほど高額な相続税で経営危機に?大切な会社を次世代に残す方法とは

  

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 相談者:安田さま(仮名) / 60代・男性・大阪府在住
創業オーナーとして中堅の製造業の会社を経営。まだ第一線を離れるつもりはないが、そろそろ世代交代を考え始めなければいけない。
3人の子どものうち、長男が後継者になることは決まっているが、具体的な事業承継対策を何から始めればいいのか知りたい。

  
 
  

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 回答者:柿沼慶一(税理士法人チェスター相続事業承継部部長・税理士)
2011年、税理士登録。辻・本郷税理士法人事業承継法人部部長を経て、2018年より税理士法人チェスターに所属。
数多くの事業承継・資本政策案件に携わるほか、金融機関等の担当者向け事業承継相談顧問業務に従事。オーナーの悩みを理解し、想いを汲んだサポートを行うことが信条。著書に『事業承継の安心手引 平成29年度版』(アールシップ )等。

 
  

事業承継の税負担が重くなる理由

安田さま:
最近、メディアで事業承継の話題を目にしますが、そもそも事業承継は何が課題なのですか?
柿沼  :

まず課題となるのは、後継者です。近年、中小企業にとって後継者不足は深刻なテーマで、親族内に後継者がいなければ役員・従業員などへの承継やM&Aを検討します。また、後継者が決まった後は、継がせる前に経営者として育成する期間が必要になります。
御社の後継者はお決まりですか?

安田さま:
はい。長男に継いでもらう予定です。5年前に東京から戻ってきたので、今は私のそばで勉強させています。
柿沼  :
それは、心強いですね。しかし、課題は後継者の問題だけではありません。
事業承継は、シンプルに言えば「後継者に株式を渡す」ことですが、株式には「経営権」「財産権」という2つの権利があります。これらを忘れていると、経営の安定性が失われ、さらには相続税負担が重くのしかかり、会社の屋台骨を揺るがすことになりかねません。     
安田さま:
それは、どういうことですか?
柿沼  :
まず、「財産権」について考えましょう。財産権とは、配当や会社清算時の財産をもらう権利ですが、この権利は相続の際に一定のルールで相続財産として計算されます。そして、中小企業の自社株式は、オーナーが考える以上にその価値が高くなっているケースが多々あります。
今、事業承継を検討している世代には、数十年前に少額の資本金で会社を立ち上げた方も多く、ほとんどの方は現在の自社株式の価値が投資額をはるかに上回っていることを知りません。例えば、300万円程度の価値だと思っていたものが、蓋を開けてみると3~4億円だった、ということが珍しくないのです。     
安田さま:
自社株式の価値が高いと、後継者にどのような負担がかかりますか?
柿沼  :
株式を渡すには、主に相続させる贈与する譲渡するという3つの方法がありますが、いずれも税金が発生します。例えば、後継者が相続した場合は相続税がかかりますよね。株式の評価額が高くなればなるほど、その税額は高くなります。
株式以外にこれといった財産がない場合(自宅のみなど)には、納税資金の確保が特に必要と言えます。 納税資金を確保するためには、株式を一部売って換金することが考えられますが、上場株式と違い、非上場株式は換金しにくい財産です。ましてや、他人に売れるものではありません。他人に売れば、もう一つの権利である「経営権」を脅かすことになります。
経営権とは、役員を選任するなど、会社を支配する権利のことです。
つまり、株式を他人に渡すことは、会社を他人に手渡すことになるのです。     
安田さま:
では、この場合、どうすればいいのですか?
柿沼  :
自社で株式を買うという方法があります。しかし、会社の体力を削ってしまう点がデメリットです。
運転資金が潤沢でない場合は、経営に悪影響を及ぼす恐れもあります。 このように、経営権と財産権を兼ねる株式の移動は大きなリスクをはらんでいるのです。     
安田さま:
後継者が決まって安心していましたが、税負担がそんなに重いとは…。
税理士に相談して、しっかり備えておく必要がありますね。     

  

後継者が決まったら、次に行うことは?

安田さま:
事業承継対策の重要性はよくわかりました。ということは、すぐにでも株価を計算してもらわないといけないですね?
柿沼  :
そうですね。自社の株価がいくらなのかを調べてみることは、もちろん必要なことなのですが、その前にもう一つ。 御社は株主名簿を作成していますか? 自社の株主に誰がいるのか、実は、多くのオーナーが見落としやすいステップなのですが、確認を怠ると思わぬ落とし穴にはまってしまいます。
安田さま:
なぜ、株主名簿の確認が重要なのですか?
柿沼  :
後継者が決まった後に行うことの説明
後継者に株式を集約できるかを確認するためです。
日本では、1990年に商法が改正されるまで、株式会社を設立する際は発起人を7人以上集める必要がありました。
発起人は出資が少額でもれっきとした株主ですから、当然、会社の経営に参加する権利があります。
先ほどお話した「経営権」のことです。特に、家族経営などの同族会社は、後継者が経営を安定的に行えるように、経営権を確保する必要があるでしょう。
もし株式の集約前にオーナーが亡くなった場合、後継者が株主と直接交渉しないといけません。その際に、株主から経営の邪魔をされたり、株式を高い価格で買うように請求されたりする恐れがあるのです。     
安田さま:
株式の集約は、それほど大変なのですか?
柿沼  :
疎遠の親族や同族外の株主から株式を買い取る作業は、往々にして非常に労力を要します。また、オーナーやその他の株主が亡くなったり病気になったりして、当事者と直接話し合えなくなると、交渉はさらに複雑になります。
実際にあったケースでは、オーナーと対立していた株主から後継者に株式を移そうと交渉していた際、途中で株主が亡くなってしまったことがありました。株主の奥様が交渉を引き継いだのですが、オーナー一族とは関係性が薄い奥様との交渉は非常に難航しました。
安田さま:
私も発起人7人時代に会社を設立しましたが、中には疎遠な株主もいますし、後継者となる長男は株主と会ったこともありません。株式が分散している問題は、私の世代で片付けておかなくてはいけませんね。
柿沼  :
このほかに、名義株の問題もあります。名義株とは、例えば、オーナーが知人から名前だけ借り、出資は自ら行っている株式のことです。設立から何十年も経過すると、名義借りしているのかどうか曖昧になってくるものです。実際は名義株なのに、株主が「私の名義だから株式を買い取れ」と言い出すと、トラブルのもとです。 株主も確認し、現在の株価も調べたら、事業承継へ向けての課題を整理し、相続に備えた具体的な対策を進めていきます。
安田さま:
株価が高くなるのは、どんなケースですか?
柿沼  :
まず、業績が良い 成長企業、高収益企業です。利益はそれほど多くないものの、業歴が長く内部留保の厚い会社も、株式の価値は高くなる傾向があります。また、業績の良い会社ほど、将来の株価は高くなる傾向にあります。つまり、相続を迎えるころには、今よりも相続税が高くなる可能性がありますし、分散している株式の集約も、より困難となりかねません。
安田さま:
では、事業承継の税金の問題をクリアするには、どんな対策をとればいいのですか?
柿沼  :
事業承継を成功させる秘訣は、株価が下がるタイミングを見つけて、後継者へ渡すことです。
非上場株式の株価は、主に会社の純資産や利益から算出されます。したがって、大きな設備投資や、役員退職金の支払いなど、会社に臨時的な損失が発生する場面は、連動して評価額が下がる傾向があります。このタイミングでオーナーから後継者へ生前に株式を渡すことは、将来の相続税を減らす効果があります。会社の経営計画に合わせて、事業承継計画も進めることが重要です。
安田さま:
私には、後継者の長男の他に次男と三男がいます。株式はすべて長男に渡す予定ですが、不公平感が生じたり、兄弟で揉めたりしないためには、どんな準備が必要ですか?
柿沼  :
いわゆる「争族」対策として一番必要なことは、全員 に納得してもらえるよう、オーナーが元気なうちにご家族と話し合っておくことです。そのうえで、後継者以外の相続人の遺留分に配慮して、遺産の分割方法を見直し、遺言書を作成する。また、代償分割のための生命保険への加入や、事業承継の遺留分に関する民法の特例制度の活用などを検討します。
後継者は、遺産の大部分を株式として相続することと引き換えに、オーナーが大切に育てた会社を経営するという重責を担い、従業員や取引先にも責任を負います。相続分に大きな差が出る理由や、後継者に託す想いについて、オーナーからご家族にしっかり説明していただきたいと思います。これはオーナーが生前のうちにしかできないことです。

  

事業承継税制の要件が大幅に緩和

安田さま:
そういえば、経営者仲間から「事業承継税制が大幅に改正された」と聞きました。
どんな内容なのでしょうか?    
   
柿沼  :
   
後継者が決まった後に行うことの説明
改正された制度では、2023年3月末までに「特例承継計画」を提出することで、2027年12月末までに行われた贈与・相続について、その納税額の全額が猶予されます。
これは、10年間限定の特例措置です。
大きな改正ポイントは、
(1)猶予対象となる株式は、従来は総株式数の2/3まででしたが、これが撤廃されて全株式が猶予の対象となり、かつ猶予割合も100%に緩和されたこと、
(2)従来はオーナー1人に対して後継者1人の株式承継が対象であったのが、オーナーを含む複数の株主から複数の後継者(後継者は3人まで)へ 、その対象が広がったこと、
(3)相続・贈与後に要件とされていた平均8割の雇用維持が事実上撤廃となったこと、が挙げられます。以前と比べる大幅に改善されました。
安田さま:
事業承継の税負担を抑えたいオーナーにとっては、魅力的な改正内容ですね。
さっそく私も利用したいのですが…。
   
柿沼  :
   
たしかに、税金面ではメリットが大きいので、この制度をおすすめしたい会社もありますが、事業承継において税金の問題はあくまで一側面に過ぎません。事業承継の目的が「節税」だけになってはいけないのです。また、制度を使い続けないと課税されてしまうこともあります。オーナーと後継者が、会社の将来像をきちんと明確にしたうえで、利用していただきたい制度です。
安田さま:
なるほど。利用すべきかどうか、制度や事業承継に精通した専門家に相談する必要がありますね。

  

事業承継を会社の顧問税理士に相談して大丈夫?

安田さま:
事業承継対策の必要性はよくわかったのですが、本音を言うと、我が子のように大切に育ててきた会社からまだ離れたくない、という気持ちです。    
柿沼  :

安田さまのように、経営から離れがたく、事業承継の実行に抵抗があるオーナーは少なくありません。一方、後継者は将来の相続に不安を覚え、事業承継を始めたいのに、オーナーに言い出せず内心もどかしさを感じていたりします。 しかし、これまで多くの事業承継に立ち会った私の経験では、事業承継について洗い出された課題を一つずつ解消していくと、オーナーも後継者もスッキリとした表情に変わっていかれます。後継者の中には、より一層仕事に励んで新しい発想を出す方もいて、それをオーナーが微笑ましく見守っていたりします。

安田さま:
なるほど。では、税理士に相談する場合は、会社の顧問税理士でいいのでしょうか?
柿沼  :
顧問税理士は、会社にとって身近なパートナーですが、必ずしも事業承継の経験が豊富とは限りません。税理士も、医者と同じように専門分野があるのです。
安田さま:
安心して任せられる税理士を選ぶポイントは?
 
柿沼  :

事業承継は高い専門性を要求されます。
経験が豊富でノウハウが蓄積されていて、資産税(相続税・贈与税・譲渡税)に強い税理士が最適です。また、法律が絡む場合も多いため、弁護士・司法書士への相談にも対応していると便利です。 そういった点でも、税理士法人チェスターは、グループ全体で事業承継の専門家集団を形成しているため、あらゆるお悩みにワンストップで対応できます。

安田さま:
大切な会社がさらに成長するよう、事業承継の準備をしっかり進めたいと思います。

事業承継をお考えの方へ

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オーナー経営者の相続は、後継者、家族、従業員、取引先など、影響を及ぼす範囲が非常に大きいと言えます。しかし、日々の経営に精一杯で、事業承継については十分な情報がない方がほとんどです。
会社を次世代に残し、家族や関係者への責任を果たしたい方は、事業承継のプロである税理士法人チェスターにぜひご相談ください。

  
   

 

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