チェスターNEWS
相続税が支払えず 屋外ゴルフ練習場が減少傾向

報道によれば、近年、巨額の相続税が支払えないことが原因で、屋外ゴルフ練習場(打ちっ放し)を閉鎖するケースが目立ち始めたとのことです。
(出典:2025年7月18日 産経WEST)
1.屋外ゴルフ練習場の相続税の課税関係
(1) 個人が経営する屋外練習場の場合
個人が自己の所有する土地上で屋外ゴルフ練習場を営んでいる場合で、事業を営む個人が亡くなったときは、屋外ゴルフ練習場で使用している土地、ゴルフ練習場の施設、クラブハウス等はすべて相続税の課税財産となります。
(2) 同族会社が経営する屋外ゴルフ練習場の場合
同族会社が、同族会社の代表者(個人)の所有する土地を賃借して屋外ゴルフ練習場を営んでいる場合で、同族法人の代表者(個人)が亡くなったときは、屋外ゴルフ練習場で使用している土地は相続税の課税財産となります。
同族会社が所有するゴルフ練習場の施設、クラブハウス等は同族会社の資産として同族会社の株式の評価対象となります。
2.屋外ゴルフ練習場の土地の評価方法
屋外ゴルフ練習場の土地は、地目としては雑種地に当たります。
原則として、その雑種地と状況が類似する付近の土地についてこの通達の定めるところにより評価した1平方メートル当たりの価額を基とし、その土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価することになります。
参考:国税庁「財産評価基本通達82」
なお、住宅街にある屋外ゴルフ練習場は、現況が宅地とほとんど変わりありませんので、屋外ゴルフ練習場の敷地は、宅地並みに評価されることになります。
参考
一例ではありますが、国税庁が、屋外ゴルフ練習場の土地の評価方法を示しています。
【照会要旨】
建物の敷地となっている宅地と、その他の雑種地からなる次の図のようなゴルフ練習場があります。このような土地を評価する場合には、地目ごとに区分し評価するのでしょうか。
【回答要旨】
土地の価額は、原則として地目の別に評価しますが、2以上の地目からなる一団の土地が一体として利用されている場合には、その一団の土地はそのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価します。
したがって、図のように、A土地及びB土地の一団の土地がゴルフ練習場として一体利用されている場合には、その一部に建物があっても建物敷地以外の目的による土地(雑種地)の利用を主としていると認められることから、その全体が雑種地からなるものとして雑種地の評価方法に準じて評価することになります。
なお、駐車場の用に供されているC土地は、不特定多数の者の通行の用に供されている道路によりA土地及びB土地とは物理的に分離されていますから、これらの土地とは区分して評価します。
(理由)
土地の価額は、原則として、宅地、田、畑、山林等の地目の別に評価します。これは、課税時期における現況による地目の異なるごとに、価格形成要因が異なると考えられるためです。しかし、地目別評価の原則に従うと、大規模な工場用地、ゴルフ練習場用地のように一体として利用されている一団の土地のうちに2以上の地目がある場合にも、その一団の土地をそれぞれ地目ごとに区分して評価することとなりますが、これでは一体として利用されていることによる効用が評価額に反映されないため、実態に即するよう評価を行うこととしています。
【関係法令通達】
財産評価基本通達7
引用:国税庁「地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価」
◎ チェスターの視点
住宅街にある屋外ゴルフ練習場は、頻繁にゴルフ場でラウンドできないアマチュアゴルファーにとって貴重な練習の場です。
しかし、屋外ゴルフ練習場の経営者に相続が発生してしまいますと、住宅街にある屋外ゴルフ練習場の敷地は宅地並みに評価され、莫大な相続税が課税される可能性が高まります。
その結果、報道にありますように、ゴルフ練習場を閉鎖し、敷地を売却して、相続税の納税資金に充てなければならない事態に陥る可能性が懸念されます。
屋外ゴルフ練習場の経営者の皆さまは、そのような事態に陥らないよう、相続税の負担がどの程度発生するのか、納税資金をどの程度確保すれば事業を継続できるのか等、今からでも対策を講じられてはいかがでしょうか?
税理士法人チェスターは、お客様に応じた生前対策をご提案できますので、この機会に、まずは初回面談から始めてみませんか。
※本記事は記事投稿時点(2025年8月28日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
「相続対策」も「相続税申告」もチェスターにおまかせ。
「相続税の納税額が大きくなりそう」・「将来相続することになる配偶者や子どもたちが困ることが出てきたらどうしよう」という不安な思いを抱えていませんか?
相続専門の税理士法人だからこそできる相続税の対策があります。
そしてすでに相続が起きてしまい、何から始めていいか分からない方もどうぞご安心ください。
様々な状況をご納得いく形で提案してきた相続のプロフェッショナル集団がお客様にとっての最善策をご提案致します。
DVDとガイドブックの無料資料請求はこちらへ
各種サービスをチェック!
\ご相談をされたい方はこちら!/
【次の記事】:全国の地価動向は全用途平均で4年連続上昇~令和7年都道府県地価調査~
(国土交通省が「令和7年都道府県地価調査」の結果を公表)
