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相続した不動産の名義変更(相続登記)の費用・方法

2023/12/13

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相続した不動産の名義変更(相続登記)の費用・方法

■土地や建物、マンションを相続したら?

 相続とは、故人が持っていた土地や建物などの不動産、および現金や預貯金などの動産を相続人で分配し、故人から所有権を移すことを言います。この手続きを遺産分割と呼び、一般的には相続税の申告や納税の期限である死亡後10か月以内に遺産分割の協議を終えるのが理想的だと言われます。
 法的には遺産分割協議に期間の制限はありませんが、相続した不動産の相続登記の変更については、2024年4月から3年という期限が設けられることになりました。  3年の期限内であっても、相続登記を放置しておくとさらに複雑な相続が発生するなど、何かと困ったことになる場合があります。できるだけ早めに手続きをしてしまったほうが安心です。

■まずは、誰が何を相続するかを話し合う

 故人が法的に有効な遺言書を遺していた場合、基本的にはその内容に沿って遺産の分配が行われます。
 一方、故人が遺言書を遺さずに死亡した場合、相続人一同の実印を押した「遺産分割協議書」を作成します。遺産分割協議書とは、誰がどの遺産を取得するのかという、遺産の配分を明確に示した書類です。
この書類を作るにあたり、これまで存在さえ知らなかった相続人が出てきたり、誰が何を相続するかでもめたりという、いわゆる「相続争い」が発生することもしばしばです。
 ここでは、とりあえず無事に遺産分割協議書を作成できたと仮定しましょう。

■相続登記手続きの大まかな流れ

 相続する遺産が決まったら、それぞれ名義の変更などの手続きを行う必要があります。たとえば銀行の預金の場合、遺産分割協議書や故人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本や印鑑登録証明書などを集めて相続の手続きを行います(金融機関によって必要な書類が異なる場合がありますので、それぞれご確認ください)。
 同様に、不動産を相続することになったら、名義を故人から相続人に変更する「相続登記手続き」を行います。大まかな流れは、以下の通りです。

  • ①登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、所有者を確認
  • ②故人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本、故人の住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本か抄本、不動産を相続する人の住民票、相続人全員の印鑑証明書(相続人が一人だけなら不要)、固定資産税課税証明書(評価証明書)などを集め、相続人を確定させる
  • ③相続登記申請書類(所有権移転登記申請書・登記原因証明情報・住所証明情報)を作成する
    ※所有権移転登記申請書の様式については、法務省のホームページに詳しい説明があります。
  • ④相続する不動産を管轄する法務局へ相続登記を申請する

 上記の①と②は、遺産分割協議書を作成するのにも必要となる書類です。これらの書類と遺産分割協議書、もしくは故人が遺した遺言書を参考に、③の相続登記申請書類を作ります。
 このように、相続登記の申請手続きは複雑ですので、一般的には登記の専門家である司法書士に業務を依頼することが多いのです。

■相続登記にかかる費用

かかる費用の概算は以下の通りです。

  • ①登記事項証明書代……1物件につき600円
    (要約書にした場合は1物件につき450円。要約書とは、登記事項証明書に記載されている事項を要約した書面のこと)
  • ②登録免許税……不動産の固定資産税評価額の0.4%
  • ③戸籍、住民票、評価証明書代……数千円
    (相続人の人数などにより変わってくる)
  • ④法務局などへの交通費、または郵送代……数千円

 これに加えて、司法書士に手続きを依頼した場合には報酬がかかります。報酬は、おおよそ10万円前後が相場と言われていますが、相続人の数や不動産の数、権利関係の複雑さに応じて変わってきます。
 もちろん、司法書士に依頼せずにご自身で相続登記の手続きをされる方もいらっしゃいます。ですが、書類の収集に手間がかかるほか、不備があるとのちのち面倒なことになるため、司法書士に依頼される方も多いです。

■土地と一戸建てのみが主な遺産という家庭は、要注意!

 一般的な家庭においては、それまで住んでいた自宅とその土地のみが主だった遺産で、現金や株などの動産は老後の生活で使い切ってしまい、ほとんど残っていないというパターンが多く見受けられます。
 実は、このパターンが厄介者です。相続人のひとりが自宅に住んでいる場合には売って現金化するわけにもいかず、他の相続人にはもらえるはずの額に見合う遺産がないということで、もめごとに発展するケースが多いからです。
 次回は、もし遺産分割でもめてしまった場合、どのような調停手続きがあるかについて説明します。

遺産分割で揉めた時の調停手続きのまとめ

※本記事は記事投稿時点(2023年12月13日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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