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相次相続控除と相続放棄

2018/01/30

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52481341 - house and money house and money beside calculator【相次相続控除とは】

「相次相続」とは、文字通り「相次いで相続が発生すること」です。

短い期間に複数回の相続が発生した場合、財産を取得した相続人の方は、同じ財産に対して複数回相続税を支払うこととなり、負担が重くなってしまいます。

そこで、このような過重な負担の軽減を図る為、「相次相続控除」という制度が設けられています(相続税法第20条)。

【相次相続控除】の説明はこちら。

【相次相続控除の要件】

相次相続控除の適用を受けるための要件は以下の3つです。

①被相続人の相続人であること
②今回の相続開始前10年以内に開始した相続により被相続人が財産を取得していること
③被相続人に対し、②の相続により取得した財産について相続税が課税されたこと

例えば
・平成24年4月1日に父が死亡 (第一次相続発生)
・母が父の財産を取得し(要件②)、相続税を支払(要件③)。
・平成29年10月1日に母が死亡 (第二次相続発生(第一次相続から10年以内))
・子が母の財産を取得し、相続税が課税される(要件①)

といったような場合、この「子」は相次相続控除の適用を受けることができます。

【相続放棄には注意が必要!】

注意して頂きたいのは、この制度の適用を受けられるのは、第一次相続、第二次相続とも「相続(被相続人からの相続人に対する遺贈を含む)により財産を取得した」場合に限られるということです。

よって、相続を放棄した者が、遺贈により財産を取得した場合には控除の適用を受けることはできません。

具体的にみてみましょう。

上記の例で、父が亡くなった第一次相続の際、母が相続放棄をしたとします。しかし、父が契約していた多額の生命保険金の受取人は母となっていた為、母はこれを受け取りました。

この場合、相続の放棄をした母は父の相続人とはならず、母は相続ではなく遺贈により生命保険金を取得したものとみなされます(民法939条、相続税法3条1項1号)。

そうすると、この第一次相続は「相続(被相続人からの相続人に対する遺贈を含む)により財産を取得した」場合に当たりません。

父から母への生命保険金が「相続により取得した財産」に該当しない以上、母から子への第二次相続の際に相次相続控除の適用を受けることはできない、ということになります。

相続税の控除にはこのように様々な要件が課されていますので、注意が必要です。

 

※本記事は記事投稿時点(2018年1月30日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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