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人身傷害保険にかかる贈与税

贈与された財産の価額が原則として1年間で110万円の基礎控除額を超える場合には、贈与税が課税されることとなります。

しかし、人身傷害事故が発生して保険金を受け取る場合には、贈与税の課税に対する考え方が異なります。

自動車事故などで被害を受けた場合、加害者側から支払われる損害賠償金については非課税となります。人身傷害保険の傷害・後遺障害に対する保険金についても、非課税となります。

これらの場合はそもそも贈与にはあたらないため、財産を受け取ったとしても贈与税はかかりません。

一方、被害者自身が契約していた人身傷害保険の死亡保険金を受け取る場合は、契約者(保険料負担者)、被保険者、受取人が誰であるかによって、贈与税または相続税、所得税等が課税されることがあるので注意が必要です。

人身傷害保険の保険金と税金

人身傷害保険では、自動車事故などの被害者は自身の過失割合にかかわらず、損害保険会社から保険金額を限度に損害額の補償を全額受けることができます。損害保険会社は被害者に代わって、加害者にその過失割合分の支払いを求めることになります。

人身傷害保険の保険金のうち、傷害・後遺障害に対するものは非課税となります。

死亡保険金については、加害者側の過失割合分は損害賠償金と同じものとして扱われ、非課税となります。

被害者の過失分については課税されますが、誰が保険料を負担していたかによって課税される税金は異なります。

例えば、契約者(保険料負担者)、被保険者であった夫が事故で亡くなり、妻が保険金を受け取った場合は相続税が課税されます。被保険者であった妻が事故で亡くなり、契約者である夫が保険金を受け取った場合には一時所得とみなされ所得税等が課税されます。契約者は夫、被保険者は妻、受取人は子供といったように契約者と被保険者と受取人が同一でない場合は、契約者から受取人への贈与とみなされ贈与税が課税されます。

相続税の非課税限度額

死亡保険金に相続税が課税される場合は、受取人が相続人(相続放棄した人や相続権を失った人を除く)である場合に一定の限度額まで非課税になります。

死亡保険金については、故人が保険料を負担していた場合、遺産を受け取ったのと同じということができます。しかし、万が一の時のために用意しておいた保険金に全面的に課税することは適切ではありません。

具体的には、死亡保険金のうち、500万円に法定相続人の数を乗じた金額までは相続税が非課税となります。この法定相続人の数には、相続放棄をした人も含めます。また、法定相続人に養子がいる場合は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人まで法定相続人に含めることができます。

このほか、死亡退職金(一定の範囲を超える弔慰金も含む)についても同様の非課税限度額があります。

保険金について贈与税または相続税のことが気になる場合は、一度税理士へ相談することをおすすめします。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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