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相続税の医療費控除について税理士が分かりやすく解説

2016/04/25

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相続税の医療費控除について税理士が分かりやすく解説

被相続人の医療費を支払った場合、医療費を支払ったタイミングが被相続人の生前と相続発生後で違いが生じます。

相続税と医療費控除の関係を知る上での前提ポイントは「①誰が、②いつ」支払ったかの2つを確認することが必要です。

1.被相続人が相続開始前に払った医療費

被相続人が生前自ら支払った医療費については、相続発生後の準確定申告において所得税の医療費控除の対象となります。

相続税からの控除はできませんので注意しましょう。

2.相続人が相続開始前に払った医療費

親の医療費を子が立て替えて支払っているようなケースも多いかと思います。そのような場合、立て替えた人が被相続人と「生計を一」の関係にあったかどうかがポイントとなります。

生計を一にするというのは税務上の言葉ですが、分かりやすくいうと「財布が一つ」であった、つまり生活費を共にしていたということになります。

a. 生計を一だった場合

親と子が生計を一の状態で子が親の医療費を立て替えて支払っていたような場合には、被相続人の準確定申告もしくは子自身の確定申告のどちらか有利な方を選択して所得税の医療費控除を受けることができます。

また立て替えて支払っていた医療費を相続税から債務控除することも可能です。

この点、生計を一で扶養義務があれば債務性がなく債務控除を否認されるという話もありますが、実際には相続税申告をするほどの資力がある被相続人の医療費を子が扶養義務を負って負担しなければならないケースは稀だと思われます。

b. 生計が別だった場合

親と子が生計別の状態で子が親の医療費を立て替えて支払っていたような場合には、被相続人の準確定申告でのみ医療費控除を受けることが可能です。

また立て替えて支払っていた医療費を相続税から債務控除することも可能です。

3.相続開始後に相続人が支払った医療費

相続開始後に被相続人の入院費等の医療費を相続人が支払うケースも多くあるでしょう。

そのような場合には、本来は被相続人が支払うべきであった医療費を相続人が支払ったことになりますので当然に相続税の債務控除の対象となります。

4.まとめ

この記事では相続税の医療費控除について、所得税と混同しやすい部分についてまとめて解説を行いました。相続発生前に子が親の医療費を立て替えて支払っているようなケースでも相続税の債務控除とすることができる点は失念しやすいケースですので注意しましょう。

※本記事は記事投稿時点(2016年4月25日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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