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【相続税計算のコツと具体的方法】順番が違うと必ず間違う!
2015/06/30
関連キーワード: 相続税計算
あなたは相続税をいくら支払わないといけないのか?
相続税の計算は単純に相続財産に税率を掛けてだせるものではありません。
一見すると複雑そうですが、丁寧に手順をちゃんと踏めば簡単に相続税をだすことができます。
1.概算で相続税を知りたい
正確な計算で相続税を求める前に、概算で相続税の額を知りたい方は
「相続税の計算が1分でできる無料シミュレーションソフトまとめ」から計算ソフトを使って算出できます。
また、以下の相続税シミュレーションページからでも簡単に自動計算してくれるので、ぜひ使用してみてください。
相続税計算シミュレーションを使ってみる >>
ただ、概算はあくまでおおよその数字なので、正確な相続税を求めたら相続税の支払い額が100万円以上も違うということもよくあります。
いざ支払いのときに予想を上回る税金を納めることになったということがないように後々、正確に相続税の計算を行ってください。
2.相続税を計算するときの一番のポイント
それでは、相続税の正確な計算方法をご説明します。
相続税の計算で一番キモとなるポイントは、難しい計算をすることではなく計算の手順にあります。
特殊な手順を踏むため「2000万円の土地を相続したから100万円の相続税がかかる」というような単純な計算では正確な相続税をもとめることはできません。
3.相続税を求める計算方法と手順
以下の手順に従って相続税を求めます。
① 相続税が課税される財産額を算出
相続財産を全て合計してから葬式費用や各種特例、控除額などをすべて引く
② 仮分配
①の額を「いったん法定相続分で相続したと仮定して」1人1人に財産を仮分配する
③ 相続税率をあてはめる
②の1人当たりの仮分配額から税率が決定する
④ 相続税の総額を算出
②で分けた各相続財産に③の税率をあてはめて合算
⑤ 一人一人が支払うべき税額が決まる(本分配)
④相続税の総額を実際に相続した割合に従って各相続人に分配
相続税率とは?
④の相続税率とは国税庁が定めた税率です。税率は下記のように定められています。
取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 0% | なし |
3,000万円以下 | 5% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
ポイントは同じ相続財産でも、受け継ぐ金額が違えば税率も変わってくる点です。
例)分配して、母が1億円、子が5,000万円の場合
→母の税率:30% 子の税率:20%
初心者がよく間違うポイント
注意するべきは、②・③のいったん仮分配してから税率を決めるステップです。
よく相続が初めての方が間違える計算方法としては、②・③のステップを飛ばして税率を計算してしまうというものです。
相続税特有の計算方法なので見慣れないものですが、一度やると意外とできるということも多いです。
4.相続税の具体的な計算例
概要だけではわかりにくいので、具体例をだします。
計算の前に相続をする際の前提条件として
・相続財産:1億円
・相続人は3人(母:配偶者、子2人)
とします。
先ほどの手順に当てはめて計算をしていきます。
① 相続税が課税される財産額を算出
→ 相続財産から控除額などをすべて引く
■基礎控除 → 3000万円+(600万円×3)=4,800万円
■1億円 – 4,800万円 = 5,200万円
*便宜上、基礎控除だけを適用しています。基礎控除の求め方は参考記事を参照。
② 仮分配
→ ①の額を法定相続分にしたがって1人1人に財産を仮分配する
■配偶者 = 財産の2分の1を取得 = 2,600万円
■子 = 子2人で半分ずつ取得 = 1,300万円(1人当たり)
③ 相続税率をあてはめる
→ ②の1人当たりの法定相続分から税率が決定する
■配偶者 → 3,000万円以下なので15%の税率
■子 → 3,000万円以下なので15%の税率
*いくら相続するのかによって税率
④ 相続税の総額を算出
→ ②で分けた各相続財産に③の税率をあてはめて控除額を差し引いた後で合算
■配偶者 = 2,600万円×15% = 390万円―50万円=340万円
■子 = 1,300万円×15% = 195万円-50万円=145万円(1人あたり)
相続税合計額 = 340万円 + 145万円 × 2 = 630万円
⑤ 一人一人が支払うべき税額が決まる(本分配)
→ ④相続税の総額を法定相続分配率に従って各相続人に分配
配分率は②と同様で④の630万円を分配します。
■配偶者 = 2分の1 = 315万円となりますが、配偶者は特例で1億6000万円まで相続税がかかりませんので、最終的に0円となります。
■子 = 財産の2分の1を子2人で半分ずつ = 157万円を支払う(1人当たり)
最初はわかりづらいかもしれませんが、1つ1つの手順を丁寧に踏んでいけば、あなたがいくら支払うべきかの計算はできます。
▼参考記事
「相続税が平成27年から増税!基礎控除の変更点と計算方法【2015年4月版】」
5.難しいのは相続財産・控除額の把握
計算の前段階になりますが財産額や控除額の把握が難しく1人で手に負えなくなる方が多いです。
相続財産で言えば土地の価額をだすために路線価を使った土地評価、控除で言えば小規模宅地等の特例が使えるかの判定など。
どれも高い専門性が必要ですが、大まかな基礎知識を学びたい方は下記記事をご覧ください。
▼基礎控除やその他控除について詳しく知りたい
「相続税控除と特例一覧。税金を安くするために使い倒すべき制度。」
▼土地の価額知るためには?路線価って?
路線価の計算方法!すぐに調べることができる、簡単な確認方法
▼土地を相続したら使いたい特例
小規模宅地等の特例で80%節税!土地を相続したら絶対使うべき特例
これらを把握したうえで、計算が初めてできるようになります。
・土地を相続したけど、どうしたらいいのか?
・財産がたくさんあって把握できない
・相続人が誰がいるのかイマイチわからない
などお一人でやるのが難しいと感じた場合は専門家へご相談ください。
専門家といえども相続が苦手な税理士もいます。専門外ですと特例が使えるのに使えないと言ったり申告漏れをする税理士も見てきました。
詳しくは「税理士の選び方」から信用できる税理士をお探しの上、ご相談されることをオススメします。
※本記事は記事投稿時点(2015年6月30日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
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