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消費税の準確定申告手続きとは

消費税の準確定申告が必要な場合

相続が起きた際、死亡した被相続人が個人で事業や不動産経営を行っていた場合に、消費税の課税事業者であったときは、消費税の準確定申告の手続きが必要となります。

被相続人の過去の確定申告書等から、基準期間(相続が起きた年の前々年)における課税売上高が1000万円を超える場合には、消費税の準確定申告が必要となります。

消費税の準確定申告の手続き

手続きの順序としては、まず個人事業者の死亡届の手続きを行います。

個人の課税事業者が死亡した場合、相続人は税務署長に「個人事業者の死亡届出書」を提出します。

次に消費税の準確定申告を行います。

相続開始年の1月1日から相続が開始した日までの期間の消費税の準確定申告、及び、課税期間終了後から消費税の申告期限まで(1月1日〜3月15日)に消費税申告書を提出しないで死亡した場合の相続開始年の前年分の消費税の確定申告については、その相続人がその相続の開始があった事を知った日の翌日から4カ月を経過した日の前日までに消費税の準確定申告を行わなければなりません。

申告書提出の際には、「死亡した事業者の消費税および地方消費税の確定申告明細書」を添付します。

万が一申告期限を過ぎた場合、期限後申告となるため加算税や延滞税が生じる事もあるので注意が必要となります。

消費税の準確定申告により消費税の還付を受ける事が出来る場合には、相続人は被相続人の還付を受けるために消費税の申告書の提出が出来ます。

この消費税の準確定申告による還付は相続税では課税財産となり、消費税の準確定申告による納付額は相続税では債務となります。

個人事業を相続した者の手続き

事業を承継した相続人が、相続により新たに個人事業者になった場合と、相続開始前から個人事業者であった場合では、取り扱いが異なります。

・相続により新たに個人事業者になった場合

「課税事業者選択届出書」、「簡易課税制度選択届出書」、「課税期間特例選択届出書」の提出が必要となります。
届出書の提出期限は、新たに事業を開始した場合には、その適用を受けようとする年中になります。ただし、前年以前にすでに事業(事業的規模以外の不動産所得を含む)を行っている場合には、次の相続開始前から個人事業者であった場合と同じです。

・相続開始前から個人事業者であった場合

相続人が従来選択している方法がそのまま適用されます。
届出書の提出期限は適用を受けようとする年の初日の前日迄ですが、年末に相続が起きた場合などのやむを得ない事情がある場合には、そのやむを得ない事情がやんだ日から2月以内、適用を受けようとする年の2月末までにその届出書と特例申請書を提出すれば、その年から届出の効力が発生します。

特に、被相続人が建物の建設中に課税事業者選択届出を提出したまま死亡した場合や簡易課税を適用している場合等、相続人にはその届出の効力は承継されないので、注意が必要です。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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