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信託契約で意思を働かせながら財産を守る

信託で親の意思を反映

 生命保険を用いた無駄遣い防止策では、贈与した財産の使い途を保険料に限定します。

 これに対し、「使い途はもっと融通を利かせてあげてもいいが、全体として手綱はゆるめたくない」という場合には、信託契約を利用するのも、ひとつの手です。

 信託とは、信頼できる人(受託者)に財産を託し、あらかじめ指定した目的に従って、財産から利益を得る人(受益者)のために管理などをする制度です。

 贈与後の無駄遣いを防止するためには、贈与と同時に、親と子が信託契約を結びます。子は委託者となって、贈与された財産の管理を親に託し、同時に、受益者としてその利益を得るようにします。

 親は受託者として、信託された財産を管理する権限を持ちます。しかしそれは、子が自分の意思で託した結果としておこなっていることなので、ここが重要ですが、名義預金にはあたりません。

 信託された財産は、名義上は受託者のものとなりますが、相続財産にはならず、相続税もかかりません。

信託会社が倒産しても財産は守られる

 信託の特徴は、契約で指定する信託目的の内容によって、財産を管理する親の手綱を、強くも弱くもできることです。ただし、受託者である親は信託目的の範囲内で管理をおこなわなければなりません。

 もう一つの特徴は、信託には倒産隔離機能があることです。

 信託された財産は、委託者の名義ではなく受託者名義になっていることから、もし委託者である子が破産しても、親に信託した財産はその影響を受けません。受託者の債権者による強制執行も禁じられているため、親に債務があったとしても、信託財産からは取り立てられません。

 もっとも、委託者が受益者である場合は、信託受益権が債券として破産財団に組み込まれますので、信託のガードは残念ながら完璧ではありません。

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