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生前贈与がおすすめの人とそうでない人

生前贈与のトラブルに注意

 生前贈与は、受け取る側には財産が増えるメリット、贈る側にとっても相続税を節税できるメリットがあります。

 しかし生前贈与を始めるにあたっては、「自分の財産はいくらなのか」という点を把握しておかないと、せっかくのメリットをいかせませんし、いらぬトラブルをまねきかねません。

 特に注意したいトラブルが、贈与のしすぎです。

 一度した贈与は、時をさかのぼって取り消すことができません。相手が財産の返却を承知したとしても、手続きとしては、相手から逆に贈与してもらうか、対価を支払って買い戻すかたちをとらなければなりません。そのやりとりは多くの場合、課税対象となります。

 あらかじめ「贈与してもよい額」を算出しておけば、そのような事態を防げます。

 節税というメリットについても、そもそも相続税を納める人にしか効果はありません。相続財産が基礎控除に収まるなら、生前贈与してもしなくても関係ありません。

 その場合、生前贈与を行うメリットは、「確実に自分の意思を通せる」「贈る相手を喜ばせられる」という2点にしぼられます。このメリットもじゅうぶん魅力的ではありますが、生前贈与がおすすめなのは、やはり、相続財産が基礎控除を越えている人でしょう。

 また、節税のメリットを手にするには、税率や控除の差額や、特定の財産に許された特例を利用します。これは相続財産が基礎控除内の人も利用できるテクニックですが、「財産をいくら持っているか」「どの種類の財産か」がわからなければ、せっかくのテクニックをいかせません。

自身の財産を見ともってみよう

 財産を見積もるには、右の図にあげた3つのデータが必要です。現在の財産と今後の収入を足し、今後の生活資金を引けば、相続にまわる財産のおおよその額がわかります。そこから、生前贈与すべきかが判断できます。
「もともと生前贈与をする気はない。知識として知っておきたいだけ」
 そういう人も、この3点は把握しておいた方がいいでしょう。老後のライフプラン作りにいかせますし、何より、将来の相続が楽になります。

 生前贈与は「する・しない」を選べますが、老後と相続は「しない」という選択ができません。そして、人の生き死には、お金のことが必ずついてまわるものです。

 できれば1年に1度、棚卸しのつもりで、自分の財産を見直すことをおすすめします。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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