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相続税の税理士法人チェスター

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贈与の決め方は、親子世代で話し合うのが基本

金銭面だけでなく気持ちにも配慮

 贈与の公平を考える際は、金額面だけに目が向きがちです。しかし私たち税理士の経験からいうと、金額面の公平さより心理的な納得感を大切にした方が、最終的にトラブルが起きにくい傾向があります。

 金額だけ均等にするのは、いわば結果だけの公平です。これに対して納得感は、その間の事情や経緯を知ることで得られます。事情や経緯を納得できれば、結果に多少の不公平があっても、人は不満を持たないものです。

 ですから、生前贈与をはじめるにあたっては、まずは話し合いの場を持つことをおすすめします。話し合いで生まれる納得感は、その後の多くのトラブルを回避することにつながります。

 もちろん、話し合いの結論は贈る側の意思を重視すべきであり、受け取る側はその意思を尊重しなければなりません。

 話し合いが持てなくても、贈与する側が「なぜ生前贈与をしたいか」を皆にキチンと伝えるだけでも、ことがスムーズに運びます。

 生前贈与の提案を受けた次世代が、「自分たちはいいから、自由に使いなよ」と対応することがよくあります(世の中は、私たちが思う以上に、デキタ人たちが多いようです)。

 しかし、「将来おまえたちにかかる税負担を減らしたい」「世代を超えて財産を伝えたい」など、親の口から理由を伝えれば、子の納得感が強まり、協力してもらえます。

税理士を利用することも考えよう

 ただ、話し合いを提案するのは、贈与する側なら簡単ですが、受け取る側からは言いだしにくいものです。私たち税理士も、次世代の人からしばしばそんな相談を受けます。

 その際に答える解決法は、「私たちをダシにしてください」というもの。
「担当税理士が言っているんだけど、相続や生前贈与について、親子で話し合ったほうがいいみたいだよ」
 税理士とつきあいがない人なら、「新聞やテレビで見た」も有効ですし、「相続トラブルにみまわれた知り合い」をでっち上げてもいいでしょう。
「『親が亡くなる前に話し合っておけば』と、悔やんでいるそうなんだ」と。

 相続は親が亡くなる前提の話ですから確かにはばかられますし、親の財産を話題にすることを「欲深く思われる」として避けたがる人は少なくありません。

 しかしいったん相続を迎えれば、財産に関わる話し合いは避けられません。生前の話し合いがなかったために親がどういう意思だったかがわからなければ、子は相続の場でオロオロするばかりです。そこにちょっとした誤解があれば、爆発して争いにつながるのです。

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