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これで難しくない! 5分でわかる相続時精算課税制度の基礎知識

これで難しくない! 5分でわかる相続時精算課税制度の基礎知識

相続税の節税についてインターネット検索をすると必ずといってよいほど出てくる「相続時精算課税」という言葉。もっとよく知りたいという方のために、相続時精算課税制度の大まかな制度説明から、細かな疑問点に至るまで、簡潔にご紹介しましょう。

1.相続時精算課税制度とは?

人から何かしらの財産をもらい受けると、通常、税金が課されます。

その場面とは、

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の2つに大きく分けることができます。

贈与を受ける際に課税される贈与税は、具体的には以下のとおりです。

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ここで使用される税率と控除額は、贈与財産の金額や、誰が誰から贈与を受けたかによって変わります。

贈与税の税率は?(平成27年以降分)

具体的には、以下の表のようになります。

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(1)成人した者が60歳以上の直系尊属(親など)から贈与を受けた財産(特例税率)

これは、成人を迎えた人が両親や祖父母などから財産をもらい受けた場合の税率です。

 

(2)(1)以外の贈与財産(一般税率)

(1)に該当しない場合、この税率に従います。

税率は、国税庁HPを参照しております。

上記に従えば、25歳の人がその父親から2,500万円のお金を贈与された場合、特例税率で計算すると以下のようになります。

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2,500万円に対して810万円あまりが税金になるというのは、高いと思われるでしょう。

しかし、贈与財産から相続税を計算する際の基礎控除額を110万円ではなく2,500万円の特別控除額にし、贈与額が2,500万円以上の場合にはさらに、税率を一律に20%として贈与税額をおさえることも選択することができます。

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これが「相続時精算課税制度」です。相続時精算課税を選択すると、2,500万円までの贈与なら、相続税が発生しないことになります。この制度を利用してメリットを得られるのは、将来的に相続税が課税されず、さらに、早期に財産が多く必要である場合などです。

ただし、相続時精算課税制度を利用するためには、必ず申告しなければなりません。申告をしないと、「暦年贈与課税」制度により計算が行われます。

2.相続時精算課税の目的

相続時精算課税の目的は、親あるいは祖父母の持つ財産を早いうちに子や孫に移させ、消費を拡大させることにあります。

つまり、90歳で亡くなった親からの財産を、相続で70歳の子が受け取るよりも、60歳の親から40歳の子が財産を贈与として受け取る方が、財産を有効活用できるため、早期に財産を子へと移転させやすくする制度を設けることで、これを促進しようとしているのです。

そのかわり、相続時精算課税を選択して贈与税額を減額しても、相続の際、贈与財産と相続財産を合計した金額に相続税が課税されます。ただし、相続税が発生しない家庭の場合、相続時精算課税を選択しても相税は課税されません。

相続時精算課税は自動的に全ての贈与に適用されるのではなく、Aからの贈与には適用し、Bからの贈与には選択しないということもできます。

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3.相続時精算課税を適用するための条件(相続税法21の9)

(1)適用対象者

贈与を受ける人、すなわち受贈者と認められるには、以下の条件を満たしている必要があります。

・贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること。あるいは、住所を有していなくても、日本国籍を有し、かつ、受贈者あるいは贈与をする人(贈与者)のいずれかが贈与の5年前以内に日本に住所を有したことがあること。また、受贈者が日本国内に住所も日本国籍も有していない場合には、贈与者が日本国内に住所を有していること。

・贈与者の直系卑属であり、かつ、将来的には贈与者の相続人になると考えられる人であること。

(ここにいう、将来相続人となる直系卑属とは、贈与者が死亡した際に相続人となる贈与者の子を意味しています。贈与者が亡くなる前にその子が既に亡くなっていた場合、その孫が亡くなった子の代わりに相続をすることになるのです。)

・将来、贈与者の相続人となるとは限らなくとも、贈与者の孫であること。

・贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること。

贈与者

・贈与をする年の1月1日時点で、60歳以上である者。

(2)適用対象となる財産等

どのような財産であるかや、贈与の回数に制限は設けられていません。

(3)適用手続き

相続時精算課税制度を利用するには、申告期間内に、税務署に「相続時精算課税選択届出書」と以下の書類を贈与税の申告書に添付して提出しなければなりません。

・贈与税の申告書(別表1・2を作成)

・相続時精算課税選択届出書

・住民票の写し

・登記事項証明書

贈与財産の価額が2,500万円以下であり、相続時精算課税制度による課税がなくても、必ず申告しなければなりませんので、注意しましょう。

以上の書類が期限内に提出されなかったら、その年度は相続時精算課税制度ではなく、暦年贈与課税制度で計算されてしまいます。

申告の期間は、贈与を受けた年の次の年の2月1日から3月15日までです。

「相続時精算課税選択届出書」と「贈与税の申告書」は以下の国税庁のホームページから取得できます。

「贈与税の申告書」

(別表1)

>>贈与税の申告書テンプレート

(別表2)

>>贈与税の申告書テンプレート

「相続時精算課税選択届出書」

>>相続時精算課税選択届出書テンプレート

これらの書類の作成方法については、以下に説明があります。

相続時精算課税を適用する場合の記載例

 

税務関係書類は、小さな不備がきっかけで税務署から呼び出されて書類を作り直しを求められたり、場合によってはペナルティとして別途のお金を支払うよう求められてしまう場合もありますので、できる限り相続に詳しい税理士に作成を依頼する方がよいでしょう。

4.相続時精算課税を利用する場合の贈与税の算出はどうやって行う?

具体的な計算式は、

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となっています。この計算式中の「特別控除額」と「税率」についてさらに詳しく見ていきましょう。

(1)特別控除額とは?

贈与者からの贈与価額から、次の2つのうちの金額が低い方を控除することになります。

①2,500万円。ただし、既に前年にも相続時精算課税をしていた場合には、2,500万円から前年の贈与価額を差し引いた額が今年の特別控除額になります。

②贈与者ごとの贈与税額

(2)税率は?

金額に関わりなく、20%です。

5.相続時精算課税の具体例で理解を深めましょう!

例えば、ある人が両親それぞれから3年に分けて贈与を受けたとしましょう。1年目から3年目までに父と母それぞれから受け取った価額は、以下のとおりです。

 

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ここで、父から受けた贈与に対しては相続時精算課税制度を適用することとし、

母からの贈与に対しては相続時精算課税を適用せず暦年贈与課税を適用することとした場合について、課税額をそれぞれ算出してみましょう。

・1年目

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父からの贈与 1,000万円(贈与価額)-1,000万円(特別控除額:2,500万円以下なので、贈与価額と同じ額)=0円

ここで、特別控除額2,500万円のうち1,000万円は既に控除されたので、翌年に繰り越される残りの特別控除額は1,500万円になります。

母からの贈与 〔500万円(贈与価額)-110万円(暦年贈与課税の基礎控除)〕×15%(課税率)-10万円(控除額)=48.5万円以上から、1年目の納付税額は48.5万円です。

・2年目

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父からの贈与

1,000万円(贈与価額)-1,000万円(特別控除額:残り特別控除額1,500万円以下なので、贈与価額と同じ額)=0円

残り特別控除額1,500万円のうち1,000万円が控除されたので、翌年に繰り越される残りの特別控除額は500万円となります。

母からの贈与

100万円(贈与価額)-100万円(基礎控除)=△10万円、暦年贈与の基礎控除以下なので、2年目の納付税額は0円です。

・3年目

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父からの贈与

〔1,500万円(贈与価額)-500万円(特別控除額:残り特別控除額500万円)〕×20%=200万円

母からの贈与

〔1,200万円(贈与価額)-110万円(基礎控除)〕×40%-190万円(控除額)=246万円

以上から、3年目の納付税額は200万円+246万円=446万円です。

その後、父が死亡し相続をする際には、生前に受けた贈与の合計額3,500万円を相続財産に含めて相続税を算出します。そこから算出された相続税額から、既に支払った贈与税額200万円が控除されるのです。

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もし、既に支払った贈与税額が、算出された相続税額よりも多かった場合、払いすぎた贈与税額分を還付してもらえます。ここで、還付してもらうにも申告する必要があるので忘れないようにしましょう。

例えば、贈与として3,000万円を親が子に渡した場合、

(3,000万円-2,500万円)×20%=100万円が贈与税となります。ここで、親の死亡時に相続税が課されるほどの遺産がなければ、100万円が還付されるのです。

6.相続時精算課税制度を利用する際に注意しておくべきことは?

(1)相続時精算課税制度は変えられない

相続時精算課税制度を適用すると申告した後で、やっぱり暦年贈与課税制度に変更したいとして変更することはできません。

一旦適用されると、相続時まで継続的に適用されることになってしまいますので、利用の際にはよく考えてから申告をするようにしましょう。

(2)相続時精算課税制度を選択した贈与者以外からの贈与は?

相続時精算課税制度を利用すると申告しなかった贈与財産については、自動的に暦年課税制度に基づいて贈与税が計算されます。暦年課税制度の具体的な計算方法は、具体例で示した母からの贈与をモデルに計算してみてください。

まとめ

相続時精算課税制度は、上手に利用すれば、効果的に生前に財産を贈与することができるため、よい制度です。

しかし、利用方法を間違えてしまうと逆に納税額が高くなる可能性がありますので、利用する場合には、専門化に相談することをオススメします。

 

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