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負担付贈与と相続時精算課税

負担付贈与と相続時精算課税

負担付贈与と相続時精算課税

負担付き贈与とは、受贈者(財産をもらう立場)の方に一定の義務を負わせることを条件として贈与契約を結ぶことをいいます。

贈与は贈与者(財産をあげる方)は無償で、対価を得ずに財産を譲ることが贈与の意味ですが(民法第549条)、贈与にあたって一定の負担を負わせることは差支えがないとされています。

例えば「A土地は長男○○に贈与する。ただし、母の老後の面倒を見ること」などの形で贈与が行われます。

負担付き贈与については、受贈者が一定の義務を履行した後は、贈与者において贈与を取り消すことができなくなります。

また、担保責任(贈与目的物に問題があった時にその補填をする責任)が生じる可能性がありえます。

相続時精算課税制度とは

一方で相続時精算課税制度とは、贈与をしやすくして財産の社会での流通を促進しようとする制度です。

平成15年に導入され、2500万円までであれば贈与税は無税となります。

2500万円を超えた場合でも、贈与税の税率は一律で20パーセントととなります。

老齢などにより、財産の承継を考えつつも、贈与税の高い税率から贈与を差し控えるむきがあったことから、贈与をしやすくして、ひいては購買意欲・消費意欲が高い若い世代に財産が移転することで社会への資金流入を多くすることが目的の制度です。

相続時精算課税制度は、通常の贈与税(暦年課税制度)と選択して利用することができますが、一度相続時精算課税を利用した場合には暦年課税制度に戻ることができません。

相続時精算課税制度と負担付き贈与の利用

ところで、この負担付き贈与と相続時精算課税制度について、相続税対策として土地建物のうち、建物のみを子息に贈与した場合に問題とならないかが議論となりました。

具体的には、建物が賃貸物件である場合に敷金返還債務を子息に引き継がせることを条件として贈与をした場合に、これが相続税法上負担付き贈与に該当しないか否かです。

このような贈与を行うことで、賃料収入は子息のものとなるので、相続税の支払資金を推定相続人において貯蓄しておくなどができるというメリットがあります。

しかし、敷金返還債務を承継することが、負担付き贈与と認定された場合には、相続税における評価は、時価によるという通達があります。

そこで、この贈与が相続税法上の財産評価においても、負担付き贈与となるかが争点となりました。

これについて国税庁回答は、敷金返還債務を承継しかつ、その返還敷金相当額分の現金も贈与しているのであれば、税法上は負担付き贈与とはならないと判断しました。

この点は明確に民法の理解とは異なりますが、税法上の公正な賦課徴収の観点からは妥当な判断であったということができると言えます。

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