停止条件付の贈与とは
停止条件付の贈与とは
停止条件とは、結果発生が不確定な一定の事実(条件)成就まで法律効果の発生を停止させる契約の付款をいいます。
これが贈与契約に付された場合が停止条件付き贈与です。
例えば、「国家試験に合格したら自動車をプレゼントする」という贈与契約を締結した場合には、国家試験合格という将来の結果発生が不確定な事実の成就まで、自動車の所有権移転という贈与の効果発生を停止するというような契約が停止条件付き贈与契約に該当します。
停止条件と類似のものとして停止期限があります。
停止期限の場合には、将来、時期は不明ではあるものの発生が確実な事実の発生まで法律効果の発生を停止させるものをいいます。
例えば「私が死亡したら、自動車をプレゼントする」などの贈与契約が厳密に言えば、停止期限付き贈与契約ということになります。
ただ、このような贈与契約は始期付き贈与契約などと呼ばれることが一般です。
条件成就を故意に妨害したり、故意に条件を成就させた場合には条件は成就したものとみなされます(民法第130条)。
停止条件付き贈与の贈与時
停止条件付き贈与の場合には、税金との関係では、贈与の時期がいつになったかが問題となり得ます。
贈与の基礎控除額は110万円ですので、いつの時点で110万円を超えてしまったかの算定をするために贈与の時期を明確にする必要があるためです。
停止条件月贈与の場合には、条件成就の時において贈与がなされたことになります。
条件成就によって財産が移転するためです。
先の例であれば、国家試験に合格した時点で贈与があったと認定されることとなります。
贈与の効率的な使い方
贈与は、税負担の問題はあるものの、農地や事業用財産を贈与することで推定相続人の仕事の様子を監督・後援することができるという独特のメリットを期待することができます。
贈与は家業などを行われている場合には活用が期待できる重要な制度ということができます。
また、国家資格などが業務遂行に必要な場合には、国家資格合格を停止条件とした贈与契約を締結することでスムーズな世代交代を期待することができます。
税務上の負担については税理士へ相談されつつ、贈与を上手に活用されることがおすすめできます。
なお、贈与契約を締結するにあたっての方式などは制限はありません。
単に口頭で贈与すると言い、受贈者が承諾した時点で法律上は贈与契約が成立します。
ただ、口頭のみによる贈与の場合には、贈与者において自由な撤回権(民法第550条)が認められるので、履行や書面作成をするのが一般的です。
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
相続対策は「今」できることから始められます
「相続税の納税額が大きくなりそう」・「将来相続することになる配偶者や子どもたちが困ることが出てきたらどうしよう」という不安な思いを抱えていませんか?
相続専門の税理士法人だからこそできる相続税の対策があります。
何から始めていいか分からない方もどうぞご安心ください。
様々な状況をご納得いく形で提案してきた相続のプロフェッショナル集団がお客様にとっての最善策をご提案致します。
まずはチェスターが提案する生前・相続対策プランをご覧ください。
今まで見たページ(最大5件)
関連性が高い記事
カテゴリから他の記事を探す
贈与税編