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車を購入時に贈与税が発生する?課税される金額と節税するための方法

車を買ってもらったら贈与税発生?課税される金額と税金の計算方法

車をもらった場合、贈与税の対象となるのでしょうか?贈与税が発生する条件や計算方法を確認しましょう。申告の義務がある税金のため、贈与税が発生する際の手続き方法も解説します。加えて、贈与税が発生しない受け取り方についても見ていきましょう。

1.車をもらったら贈与税は発生する?

車をもらったら贈与税は発生する?

プレゼントとして新車をプレゼントされたときや、使っていない中古車を譲ってもらったとき、贈与税は発生するのでしょうか?どのような条件を満たすと贈与税が課税されるのか確認します。

1-1.プレゼントされ自分名義にしたら発生

対価を支払うことなく受け取った車を『自分名義』にした場合は、贈与に該当するとみなされます。父母や祖父母はもちろん、兄弟姉妹・友人など、どのような関係の相手から受け取った場合でも、贈与とされるのです。

そのため、受け取った車の価額と制度で定められている税率に従って贈与税が課されます。

2.贈与税はいくらかかる?

贈与税はいくらかかる?

車を受け取った際の贈与税は、具体的にどのように計算するのでしょうか?適用される税率や、中古車の価額について確認しましょう。

2-1.一般税率か特例税率で計算

暦年課税制度で贈与税を計算するには、まず基礎控除110万円を1年間に贈与された合計額から差し引きます。その上で下記の表の通り『一般税率』か『特例税率』を用いて税額を計算しましょう。

 贈与財産税率控除額
一般贈与財産200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円
特例贈与財産200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

適用される税率は贈与者によって異なります。18歳以上(※)の人が父母や祖父母など直系尊属から受け取ると特例税率で計算され、その他の相手であれば一般税率で計算されます。
(※令和4年3月31日までの贈与では20歳以上。)

どちらも税率は10~55%ですが、特例税率の方が緩やかに上昇します。例えば600万円の贈与にかかる税金は、一般税率なら82万円ですが、特例税率なら68万円です。

出典:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

2-2.使用していた車は査定額をもとに計算

中古車を譲り受けた際には『査定額』をもとに贈与税額を求めるのが一般的です。新車で購入したときの価格ではなく、現状の価値に対して課税されます。

車の価格に精通した中古車販売店で査定してもらいましょう。中古車であれば、価額が基礎控除110万円を下回るケースもあります。この場合には贈与税はかかりません。

3.贈与税の申告方法

贈与税の申告方法

贈与税は自分で申告し納税する必要があります。インターネットを使った申告書の作成方法や、記入する項目の詳細について紹介します。

3-1.期限内に「e-Tax」等で申告する

1年間に受け取った贈与額が基礎控除110万円を超えた場合には、贈与された翌年の2月1日~3月15日の期間に申告しましょう。申告書を作成し所轄の税務署へ提出します。

申告書の作成には、国税庁のホームページに設置されている『確定申告書等作成コーナー』を利用すると便利です。画面の案内に従い入力していけば、申告書が完成します。

さらに電子申告の『e-Tax』を利用すれば、税務署へ出向くことなく提出まで完了です。電子申告を利用せず、作成した申告書を印刷し郵送での提出もできます。

【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップ

3-2.自家用車の贈与を受けた場合の記入方法

自家用車として使うための車を譲り受けたときには、申告書に設けられている下記の項目を記入しましょう。

  • 取得した財産の種類・細目・利用区分・銘柄等
  • 所在場所等
  • 財産を取得した年月日
  • 財産の価額
  • 過去の贈与税の申告状況

『取得した財産の種類・細目・利用区分・銘柄等』は、国税庁が公表している『記載要領』を参考に記入します。自家用車は『その他の財産』に分類されるものです。加えて名称と年式も書き入れます。

また『過去の贈与税の申告状況』では、過去に特例税率を受けた年や申告先の税務署名が必要です。この記入が正しく行われていると、贈与者と受贈者の関係を証明する書類の添付が必要ありません。

参考:取得した財産の種類、細目、利用区分・銘柄等の記載要領

4.贈与税がかからないケース

贈与税がかからないケース

実質的に車を譲り受けたのと同じ状況であったとしても、贈与税がかからないこともあります。贈与税の発生しない代表的なケースを見ていきましょう。

4-1.年間合計110万円まで購入資金を受け取る

暦年贈与では『年間合計110万円』までが非課税です。そのため、非課税の範囲内で車の購入資金の援助を受ければ、贈与税がかかりません。

ただし110万円は1年間に受け取る贈与の合計額である点に注意しましょう。例えば車の購入資金100万円のほかに、50万円の贈与も受けていた場合、40万円は贈与税の対象です。

4-2.借りて乗っている場合は発生しない

車を受け取り、名義変更をすると贈与税がかかります。しかし、借りて乗っているだけの場合には『使用貸借』と呼ばれ、贈与税は発生しません。あくまでも所有者は自分ではなく、単に借りているだけだからです。

日常的な使用者として、所有者の代わりに車検も通せます。用意する書類は増えますが、わざわざ所有者に頼まなくても、使用に必要な手続きは可能です。

また所有者の了解が取れていれば売却もできます。その際も、通常の書類に加え、所有者と自分の印鑑証明・両者の実印が押印された委任状・所有者の実印が押印された譲渡証明書が必要です。

4-2-1.名義変更をしない場合の注意点

名義変更なしでも書類さえそろえば、車検や売却ができます。ただし所有者が死亡し相続が発生すると、そうはいきません。相続人名義に変更しなければ売却も廃車もできないため、さまざまな手続きが必要です。

自動車税の納付書が所有者のもとに届く点にも注意しましょう。所有者と別の場所に住んでいる場合には、納付や納付書の転送をお願いしなければいけません。

見落としや紛失で未納となると車検に通せないため、納付書の届く場所を確認し、見落としが発生しないようにしましょう。

4-3.生活に必要なものに当てはまる場合

日常生活を送るために車が必要不可欠な場合、車を譲り受けても贈与税はかかりません。ただし贈与者は配偶者・父母・兄弟姉妹などの扶養義務者限定です。

扶養義務者が生活に必要な資金を贈与するケースは非課税とされるため、車も必要なものであれば課税対象外です。例えば公共交通機関が充実していない地域であれば、車は生活必需品とみなされます。

同じ車であっても、交通網が整備されている都市部に暮らしている場合、車は必須ではないと考えられるでしょう。この場合には贈与税がかかります。

車が必需品の地域でも、高級車の場合には課税される可能性があるでしょう。「必需品だからいいだろう」と贈与を受けると、思わぬ税負担がかかることもあります。

5.迷ったときは税理士に相談しよう

迷ったときは税理士に相談しよう

贈与税の対象となるか迷うケースは、自己判断で処理すると後から税務署の指摘を受けるかもしれません。指摘されないようにするには、税理士に相談するのが安心です。扱いが分かりにくい『連年贈与』と『みなし贈与』について解説します。

5-1.車の購入資金を毎年受け取るとき

基礎控除110万円を利用し、非課税で購入資金の贈与を受けようと計画したとします。このとき毎年同じ金額を同じような時期に受け取ると、あらかじめ贈与する合計金額が決まっている『連年贈与』と判断されるかもしれません。

毎年100万円ずつ3年間受け取れば、300万円の購入資金が非課税です。しかしこれがもとから300万円を贈与する連年贈与とされれば、300万円から基礎控除110万円を差し引いた190万円に課税されます。

連年贈与と判断されないためには、毎年贈与の度に贈与契約書を作成しましょう。双方の合意があることを示すため、自署押印し、公証役場で確定日付を押してもらうと客観性を高められます。

5-2.お金を支払って車を譲り受けるとき

売買の形式を取れば贈与税がかからないだろうと、相場と比較して安過ぎる金額で車を譲り受けるケースもあるでしょう。この場合、相場との差額が『みなし贈与』に該当するかもしれません

気付かないうちにみなし贈与をしていると、後からの対策は不可能です。税務署の調査が入ってからでは税金の支払いに応じるほかないため、実行前に相談しましょう。

6.うっかり贈与に注意して正しい税申告を

うっかり贈与に注意して正しい税申告を

贈与された車には税金がかかります。暦年贈与の基礎控除110万円を差し引いた後、一般税率か特例税率に当てはめ計算しましょう。

税金をかけずに車を譲り受けるには、購入金額を基礎控除の範囲内で受け取る、名義変更をせずに借りるなどの方法があります。また車が必需品の地域であれば、生活費の贈与として非課税として扱われるはずです。

ただし、中には課税の有無を自分で判断するのが難しいケースもあります。そのような場合には『税理士法人チェスター』へ相談しましょう。知らないうちに贈与が行われてしまう事態を避け、適切に申告できます。

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