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親の介護を放棄すると罪になる?扶養義務と法律問題を理解してトラブルを防ぐ

親の介護を放棄すると罪になる?扶養義務と法律問題を理解してトラブルを防ぐ

親の介護は完全には放棄することができず、法律的にも子どもは経済的に自立できない親を支えなければならないとする扶養義務があります。場合によっては罪に問われる可能性もあるため、扶養義務や法律問題について理解しておかなくてはなりません

資産や負債を放棄する相続放棄の手続のように、親の介護義務を放棄する手続は存在しません。親の介護を放棄すると罪になるのか、兄弟と介護費用の支払いについて争いになった場合にとれる法的手続など、法律的な側面から対処方法を知ることが介護に関するトラブル防止につながります。

1.親の介護を放棄することはできない-法律で定められている扶養義務

扶養義務者について定めている民法877条は、第1項で「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と規定しており、相続のように放棄する手続も存在しないことから、法律上は親の介護を放棄することはできません。親と絶縁状態であるなどの個別の事情は調停の際の考慮材料にはなりますが、介護放棄の理由にはなりません。

1-1.扶養義務のある者の範囲

親の介護を放棄すると罪になる?扶養義務と法律問題を理解してトラブルを防ぐ

▲要介護者に対して介護の義務がある者

直系血族とは、親族関係図で見た場合に要介護者から上下の関係に当たる親族で、親の介護というケースでは子や孫が該当します。また、民法752条は「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」として、配偶者の扶養義務についても定めています。誤解されがちですが、子の配偶者には法律上の扶養義務はありません。なお、本記事では以降、要介護者を「親」と置き換えて進めます。

1-2.扶養義務の内容-扶養とは資金の援助をすること

自分の親および兄弟姉妹に対する扶養義務は生活扶助義務とされており、経済的に扶養する義務があります。具体的には、生活費を援助したり、介護施設への入所費用を払ったりすることなどを指します。ただし、経済的援助が難しい場合は、親と同居している扶養義務者が日常生活の介助をするなどの面倒見的な扶養も認められます。

1-3.介護にかかる費用は親の財産でまかなうことが原則

扶養義務の内容が経済的援助とは言っても、介護費用は親の財産でまかなうことが原則です。つまり、介護用品の代金やホームヘルパーのサービス利用料は、一次的には親の預貯金や資産などから支払い、不足が生じた場合にのみ扶養義務者が負担することになります。

1-4.扶養義務者が支払うべき扶養料は「余力の範囲内」

親の負担分を超えて扶養義務者が経済的援助をする場合でも、その範囲は「扶養義務者の収入や社会的地位に応じてできる範囲内で行えばよい」とされています(鈴木禄弥著 『親族法講義』 創文社、1988年4月、236頁」「我妻栄・有泉亨・遠藤浩・川井健著 『民法3 親族法・相続法 第2版』 勁草書房、1999年7月、225頁)。扶養義務者自身の生活を脅かしてまで負担する必要はありません。具体的にどのくらいが「余力の範囲内」に当たるのかは、最終的には家庭裁判所の判断になります。

2.親の介護放棄は罪になる?-死亡やケガの場合は罪になることも

親の介護を勝手に放棄することは保護責任者遺棄罪に該当し、3ヵ月以上5年以下の懲役に科せられる可能性があります。さらに介護放棄したことにより親が死亡したり怪我を負ってしまったりした場合には、保護責任者遺棄致死罪、保護責任者遺棄致傷罪が適用されることも。この場合、それぞれ3年以上20年以下、3ヵ月以上15年以下の懲役に科せられる可能性があります。育児放棄問題でよく話題に挙がる罪ですが、親の介護放棄にも適用されるのです。

2-1.実例-母親を放置して死なせたとして長男が逮捕

2015年、奈良県香芝市で同居していた81歳の母親の介護を放棄して死なせたとして、当時56歳の長男が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕・起訴され、同年の公判にて懲役3年の判決が下りました。この事件の場合は、衰弱する母親を目の当たりにしながら必要な医療措置を拒否するなど悪質なケースではありましたが、実例として親の介護放棄が罪に問われた事件です。

3.親の介護費用を支払わない兄弟に対して扶養料を求める調停を申し立てる場合の手続

親の介護費用について兄弟間でトラブルが発生し、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に扶養料を求める調停である「扶養請求調停」を申し立てることができます。親に対する介護義務には「長男だから介護すべき」「同居している者が介護すべき」といった優先順位はありません。

しかし実際には、兄弟のうちの一人に負担が集中し不公平感からトラブルに発展することも珍しくありません。兄弟が親の介護費用負担を拒否したケースを想定した場合、家庭裁判所に調停を申し立てる手続は以下のように進んでいきます。

3-1.申し立てることができる人

家庭裁判所に対する調停は、扶養義務者、扶養権利者(親)のどちらからでも申し立てることができます。なお、申し立てを行う家庭裁判所は基本的に「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所」(相手方が複数の場合は、いずれか一人の住所地の管轄裁判所)とされていますが、当事者間で合意があればお互いの住所地の中間にある別の家庭裁判所を指定することもできます。

3-2.申し立ての際に必要な書類とかかる費用

調停の申し立てに必要な書類

  • 申立書:正本と写しがそれぞれ1通ずつ合計2通
  • 戸籍謄本:申立人と相手方のものがそれぞれ1通ずつ

申立書の書式及び記載例については、扶養請求調停の申立書の書式例から確認できます。戸籍謄本は、今回のケースのように相手方が他の扶養義務者(兄弟)の場合は、扶養権利者(親)のものも1通必要となります。

調停の申し立てにかかる費用

  • 収入印紙:扶養権利者1人につき1200円分
  • 連絡用郵便切手:管轄裁判所によって額は異なる

収入印紙は、仮に両親が扶養権利者となる場合、二人分必要となります。連絡用郵便切手は管轄の家庭裁判所からの連絡用となるため、申立書に同封しましょう。

3-3.調停手続の流れ-裁判官や調停員と解決に向けた話し合いをする

調停手続の流れ

  1. 管轄の家庭裁判所に申立書の提出
  2. 家庭裁判所から各当事者に調停期日の通知
  3. 調停員による当事者双方へのヒアリング
  4. 調停員からの助言及び解決策の提示
  5. 調停終了

    • 5.1. 当事者双方が合意に達した場合:調停調書が作成され調停成立
    • 5.2. 合意に至らなかった場合:調停不成立となり、自動的に審判手続へ移行

調停手続は、申立人と相手方との間に入った調停員の助言や提案を受けながら双方の合意を目指すという形で進めていきます。

調停期日には当事者本人が出頭することが原則ですが、遠隔地居住や病気などのやむを得ない事情の場合は、電話会議での参加や代理人の出頭も認められます。

調停員から当事者双方に対して、経済的状況や介護に対する考え方について聴取がありますが、この際に供述内容を裏付ける資料などの提出を求められることもあります。一通りのヒアリングを終えた調停員は、扶養権利者の意向なども踏まえて、助言や具体的な解決策を提示します。一連の調停手続は、通常は1ヶ月に1回程度のペースで何回かに分けて行われます。

もし当事者が合意に至らず調停が不成立となった場合は、自動的に審判手続へと移行し、裁判官が一切の事情を考慮して審判を下します。

3-4.扶養料請求の調停が成立すると未払のときに強制執行も可能

調停でも審判でも一定の強制力があるため、当事者は内容を履行する義務があります。扶養料の支払いを命じられた扶養義務者がこれを怠ったときは、裁判所に対して取り決めを守らせるように申し立てを行うことができ、これには強制力の低い順から履行勧告、履行命令、強制執行という手続があります。

3-4-1.履行勧告

履行勧告は家庭裁判所から義務者に対する警告で、支払い等の履行の強制ができないものの、費用がかからないため強制執行前の手続として利用されています。

3-4-2.履行命令

履行命令は、強制執行のように支払いを強制する法的執行力はありませんが、従わない場合は10万円以下の過料に処せられます。

3-4-3.強制執行

強制執行は、義務を履行しない場合に強制金を課す「間接強制」と、義務者の給料債権や資産を直接差し押さえることができる「直接強制」があり、大変強い執行力を持つ手続です。

調停調書に記載された内容は、審判と同一の効力があります。したがって、調停成立後に扶養料の未払いが発生したときは、差押命令によって相手方の給料や預貯金などから支払いを受けることができます。なお、日常生活の介助の実施など、調停内容が金銭債務以外の場合には、間接強制による方法で義務の履行を促すことになります。

4.扶養をすべき者の優先順位を決める調停手続もある

扶養に関する調停手続には、扶養料を求めるための申し立てだけでなく、扶養をすべき者の優先順位を決める申し立てもあります民法878条では扶養の順位について「当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める」として、まずは当事者間での話し合いを優先するとしています。その上で、話し合いがつかなかったり、そもそも話し合いに応じなかったりした場合に、調停手続によって優先順位を決めていくことになります。

5.親の介護放棄による争いを防ぐためにやっておくべき4つのこと

調停や審判といった法的手続は、当事者間で話し合いがまとまらない場合の最後の手段のため、そうならないように、親の介護が発生する前に備えておくことが大切です。以下に紹介する対策はそれぞれ有機的に関連しているため、多く備えれば備えるほどより強力なセーフティーネットとなり得ます。

5-1.方針を決めておく-自宅で看るor施設に入る

親が一人で生活することが困難になったときのことについて、当人の意向を確認することはもちろん、家族間で話し合いをして方針を決めておきましょう。とくに、自宅で同居している誰かが看るのか、施設に入居するのかという選択は、介護費用にダイレクトに関わってくるため最優先で決めておくべきです。

5-2.親の財産・支払うことができる金額を把握しておく

親の資産や負債がどれくらいあり、自宅介護や施設入居にどれくらいお金がかかるか把握しておくことで、いざ介護が必要になったときに慌てずに済みます。親の財産に口出しすることは二の足を踏むという風潮がありますが、先に述べたように介護費用は親の財産でまかなうことが原則であると、親を含めた家族間で共有しておくことで、周囲の理解を得られやすくなります。

5-3.家族でそれぞれの役割分担を話し合っておく

自宅で介護をするにしても、施設に入所してもらうにしても、扶養義務者それぞれの役割をあらかじめ話し合って決めておくことで、トラブル発生のリスクを大幅に減らせます。社会的地位や家庭状況の異なる扶養義務者が負担を等しく分担しようとすると、どうしても無理が生まれます。そこで、お互いにできること、できないことをハッキリさせておくことで、役割分担に納得感が出てきます。

例えば自宅介護の場合は、食事の世話や病院の付き添いなどの日常生活を介助する者、介護用品の費用を負担する者といった役割分担が考えられます。施設に入所する場合だと、手続関係をすべて請け負う代わりに、経済的負担を軽くするというパターンもあります。

また、来るべき介護に備えて早いうちから「介護預金」のような形で費用を共同で積み立てておくのもよいでしょう。

5-4.介護サービスや行政の支援などで利用できる制度を知っておく

介護生活を破綻させないためには、介護サービスや行政支援など、第三者の協力を仰ぐことでリスクを分散させることも大切です。介護問題を家族内だけで完結させようとすると、誰かに負担が集中して介護疲れを生み、果ては介護うつや介護放棄にもつながりかねません。

介護サービスとしては、まず介護保険制度を利用する方法があります。ケアマネジャーに相談してサービスを受けるべき範囲を明確にし、思い切って介護のプロに任せてしまうのも手です。

買い出しや食事の用意など、公的介護保険では利用が制限されるサービスについては、民間の介護保険外サービスの利用を検討しましょう。保険が適用されないため、その分費用は掛かりますが、柔軟なサービスを受けられるのがメリットです。

また、共通の介護サービスの他に独自の高齢者支援サービスを展開している市区町村もあります。例えば、紙おむつの費用を一部助成していたり、専門の相談員による無料相談を設けていたりと、知っておくだけでもいざというときの精神的負担を和らげることができます。

6.親の介護放棄についての困りごとは一人で抱え込まないで

介護問題は家族間で争いになることが多く、一度こじれるとその後の関係性が悪くなることも少なくありません。だからこそ、法律上の責任や手続についてあらかじめ学び、トラブルを未然に防ぐ努力が必要です。

また、役所やケースワーカーなどの第三者に相談することで家族の負担が減ることもあることを意識して、使える制度は積極的に利用することも大切です。

それでもなお争いになってしまった場合には、一人で抱え込まずに速やかに専門家に相談することをおすすめします

CST法律事務所は主に、遺産相続、税務争訟を扱う法律事務所です。開所以来蓄積された遺産相続を中心とした法律問題のノウハウを活用しながら、親の介護放棄に関するトラブルの円満な解決を最大限サポートします。

親の介護放棄でお困りの方は、ぜひ一度CST法律事務所にお問い合わせください。

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