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相続時精算課税制度と住宅取得等資金贈与の併用で3,610万円の贈与税が非課税に!

住宅取得等資金贈与

相続時精算課税制度と、住宅取得等資金贈与という2つの制度を併用して、最大3,610万円の贈与に対する贈与税を無税にするという方法があることをご存じでしょうか?

今回は、この2つの制度についてご紹介していきます。

1.相続時精算課税制度と住宅取得等資金贈与の非課税制度を併用する条件

住宅を購入する際、親などの直系尊属から購入の際に必要な資金を贈与された場合、相続時精算課税制度と住宅取得等資金贈与の非課税制度の併用が認められます。

【併用が認められる例】

  • 住宅を取得するために、父から贈与を受けた
  • 住宅を取得するために、祖母から贈与を受けた

2.相続時精算課税制度とは

相続時精算課税の説明図

相続時精算課税制度は、60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫への贈与を行った場合、最大2,500万円まで贈与税が課税されないという制度です。

この制度は、親が高齢で亡くなった場合、子供も年齢を重ねている場合が多いので、子供がもっと若い時に財産を親から受け取ることができるようにすることを目的に作られています。

相続時精算課税という名の通り、相続時精算課税によって贈与された贈与財産は、相続発生時に相続財産と合わせて相続税の課税対象となります。仮に、2,500万円を超えて贈与税が課税されていた贈与がある場合でも、一度、相続財産と合算され相続税の計算を行い、支払った贈与税額分が差し引かれます。

なお、令和6年1月1日以降に贈与された財産については、相続時精算課税であっても毎年110万円の基礎控除があります。基礎控除の分は相続発生時に相続財産に合算する必要はありません。

相続時精算課税制度とは?活用するメリット・デメリットや注意点も解説!

3.住宅取得等資金贈与の非課税制度とは

住宅取得等資金贈与の非課税制度とは、直系尊属(親など)から住宅取得等資金を贈与され、その資金を使って住宅用家屋を新築、購入、増改築等した場合に適用される制度です。

令和4年1月1日以降に贈与が行われた場合の非課税枠は、省エネ等住宅では1,000万円、一般の住宅では500万円となります。省エネ等住宅とは、省エネルギー性能や耐震性能などの一定の要件を満たした住宅用家屋のことをいいます。

令和4年1月1日以降に贈与が行われた場合

例えば、1,000万円を直系尊属から住宅取得等資金として贈与された場合、その資金を使って省エネ等住宅の要件を満たした住宅用家屋を購入すれば、贈与税はかかりません。

贈与されたお金で自宅を購入

住宅取得等資金贈与の非課税枠についての詳細は下記をご確認下さい。

父母・祖父母から住宅取得資金を贈与されたときに非課税になる制度とは?

 

4.相続時精算課税制度と住宅取得等資金贈与の非課税制度の併用

相続時精算課税制度と住宅取得等資金贈与の非課税制度を併用すると、最大3,610万円まで贈与税が課税されずに贈与を行うことが可能です。

(3,610万円の内訳は、相続時精算課税制度の特別控除2,500万円、基礎控除110万円、住宅取得等資金贈与の非課税枠1,000万円(省エネ等住宅の場合)です。)

相続時精算課税制度の贈与者の要件に「60歳以上の父母または祖父母」とありますが、住宅取得等資金を贈与する場合は、60歳未満でも相続時精算課税による贈与を行うことが可能となります。

5.まとめ

住宅の取得には多額の資金が必要となります。相続対策として生前贈与を検討されている場合には、住宅取得等資金の援助を行うことで相続財産を減らすことも可能となり、さらに、お子さんやお孫さんにも喜んでいただけるのではないでしょうか?

住宅取得等資金の贈与をご検討されている場合には、相続時精算課税制度との併用という方法もご検討ください。生前贈与など相続対策は専門家に相談しながらしっかりと準備しておきましょう。

【関連記事】

住宅取得等資金贈与の非課税枠は暦年贈与との併用も可能です。暦年贈与との併用に関しては下記をご確認ください。

住宅取得等資金と暦年贈与を組み合わせると最大1,110万円(※)まで贈与税がかからない?

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