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連絡拒否をする相続人を除いて遺産相続はできるのか?

連絡拒否をする相続人を除いて遺産相続はできるのか?

相続をめぐるトラブルがこじれたり、もともと家族どうしの仲が悪く疎遠であったりすると、相続人であるにもかかわらず連絡を拒否して話し合いに応じない人もいます。

連絡を拒否しているからといって、その相続人を除いて遺産相続を済ませることはできません。 簡単なことではありませんが、相続手続きに協力してもらうよう粘り強く働きかけることが必要です。

この記事では、連絡を拒否して手続きに非協力的な相続人がいる場合の対処法をご紹介します。

連絡拒否ではなく相続人の誰かが音信不通になっている場合の手続きは、下記の記事を参照してください。行方不明の相続人に代理人(不在者財産管理人)を立てて相続手続きをします。

(参考)連絡が取れない相続人がいるときの相続手続きは?

1.相続人が連絡拒否をする背景とは?

遺産をもらえるかもしれないのに、どうして連絡を拒否する相続人がいるのでしょうか。

遺産相続に対して非協力的な態度をとる背景には、家族に対する不信感があることが多いです。
このほか、トラブルになることを恐れて話し合いに応じないケースもあります。

遺産相続では、主に次のような場合にトラブルが起こりがちで、家族に対する不信感が増したり、新たに不信感が生じたりするきっかけになります。

  • 遺産の問題
    • 自宅以外にこれといった財産がない
    • 株式・不動産・借金など財産の種類が多く整理が難しい
  • 相続人の問題
    • 特定の相続人だけ故人を介護していた
    • 特定の相続人だけ生前贈与を受けていた
    • 相続人に養子・前妻の子・婚外子がいる
    • 夫婦の間に子供がいない(配偶者と兄弟姉妹が相続人になる)
    • 極端な主張をする相続人がいる

2.連絡拒否をする相続人も遺産分割協議に加えなければならない

故人が遺言で遺産の分け方を定めていなければ、相続人どうしで遺産の分け方を話し合う必要があります。これを遺産分割協議といいます。

一部の相続人が連絡を無視していると、いつまでたっても遺産分割協議ができません。
連絡を拒否する相続人を除いて協議を進めたいところですが、一部の相続人を除いて遺産分割協議をしてはいけません。

一部の相続人を除いて遺産分割協議を成立させても、預金の解約や不動産の名義変更(相続登記)などの手続きはできません。これらの手続きでは遺産分割協議書のほか、故人(被相続人)と相続人の戸籍謄本の提出が必要で、一部の相続人が除かれていることはすぐにわかってしまいます。

遺産相続の手続きを終えるためには、どうにかして連絡を拒否する相続人に話し合いに応じてもらう必要があります。

3.連絡拒否をする相続人がいるときの対処法

相続人の中に連絡を無視したり応対を拒否したり非協力的な人がいると、当事者どうしで解決することは難しくなります。

ただし、連絡を拒否されたからといって、ただちに裁判所で法的手続きをとることはおすすめしません。どうしても解決できない場合は法的手続きをとることになりますが、最初にとるべき手段ではありません。まずは、第三者に間に入ってもらうなどして話し合いで解決を図ることが大切です。

中には、早く手続きを進めるため残りの相続人だけで遺産分割協議をして、連絡を拒否する相続人に遺産分割協議書への押印を強要するケースもみられます。相手に悪い印象を与えてトラブルが深刻になる恐れがあるため、このような強引な方法は避けましょう。

3-1.どのような不利益があるかを具体的に伝える

まず、連絡を拒否する相続人に改めて相続手続きに協力してもらうよう依頼します。
手段は電話、手紙、メールのいずれでも構いませんが、事前に連絡をしないで訪問することは控えましょう。

このとき、ただ協力をお願いするだけでは効果は乏しく、このまま放っておくとどのような不利益があるかを具体的に伝えます。

たとえば、以下のようなことを丁寧に伝えるとよいでしょう。

  • 死亡から3か月を過ぎると相続放棄ができなくなり、故人の借金を負わなければならない
  • 預金の引き出しや不動産の名義変更ができない
  • 相続税が高くなる
  • 最終的に裁判所で法的手続きをとることになり、お互いに面倒なことになる

(連絡拒否が続くことによって起こる不利益については、次の章でも解説します。)

連絡を拒否することでどのような不利益があるかがわかれば、相手も話し合いに応じるようになるでしょう。

一方で、そもそも遺産相続に関心がない人にはあまり有効ではないかもしれません。
その場合は、相続放棄をして話し合いから外れるように提案してもよいでしょう。

連絡を拒否する相続人に手紙を出す方法は、下記の記事を参照してください。
下記の記事は、異母兄弟など今まで会ったことがない人に手紙を出す方法について解説していますが、住所の調べ方や手紙の書き方などは参考になるでしょう。
(参考)知らない相続人への手紙の出し方を専門家が解説

3-2.第三者に間に入ってもらう

連絡拒否によってどのような不利益があるかを伝えてもなお連絡拒否や無視が続く場合は、第三者に間に入ってもらって解決を図ります。

仲の悪い親族と会うことが嫌で連絡を拒否している場合は、第三者が間に入ると解決に向かうかもしれません。相続問題の専門家である弁護士が間に入ることで、相手が話し合いに応じるようになるケースもあります。

しかし弁護士が表に出ると、すぐに法的手続きをとると誤解されて相手の態度が硬化することもあります。そのような心配がある場合は、相続人でない親族や共通の知り合いなど、遺産相続に関係しない身近な人に間に入ってもらってもよいでしょう。

3-3.家庭裁判所の法的手続き(調停・審判)で解決する

第三者に間に入ってもらっても話し合いができなかった場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てて、法的手続きで解決を図ります。

ただし、遺産分割調停は調停委員が間に立って話し合いをする場であり、相手が出席しないなどの理由で不調に終わることも少なくありません。

遺産分割調停で解決しない場合は「遺産分割審判」に移ります。

遺産分割審判は、申立人と相手方の双方の事情や提出された証拠をもとに、裁判官が遺産分割の方法を決定します。調停とは異なり、相手が出席しなくても審判が進められます。最終的には法定相続分で分けるようになることがほとんどです。

審判が確定すると裁判所から審判書が送られてきます。審判書には判決と同様の効力があり、遺産分割協議書がなくても遺産分割の手続きを始めることができます。

遺産分割調停と審判の流れについては、下記の記事を参照してください。
(参考)長いと3年以上も!?遺産分割調停の期間は?回数は?

4.連絡拒否が続くとさまざまな問題が起こる

連絡を拒否する相続人がいて相続手続きができない場合でも、そのまま放置しておくことはできません。相続手続きをしなければ、さまざまな問題が起こります。

この章では、連絡拒否が続いて相続手続きができない場合にどのような問題が起こるか、次の4つの事項をご紹介します。

  • 3か月経過後は相続放棄ができなくなる
  • 預金が引き出せない
  • 不動産を売却できない
  • 相続税申告で不利になる

4-1.3か月経過後は相続放棄ができなくなる

相続放棄をする場合は、原則として故人の死亡から3か月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。期限を過ぎると相続放棄ができなくなってしまいます。

もし、故人に借金があって相続放棄をする必要がある場合は、連絡を拒否している相続人にもそのことを伝えておく必要があります。

なお、相続放棄は各相続人が個別に手続きをすることができ、連絡を拒否する相続人がいたとしても他の相続人の手続きが止まるわけではありません。

4-2.預金が引き出せない

故人の名義の預金は、金融機関に死亡を届け出た時点から入出金ができなくなります。
これは、相続人による不正な引出しや遺産の横領を防ぐために行われるものです。

故人の預金を引き出すためには、遺産分割協議が成立しているか、少なくとも預金を引き出すことについて相続人全員で合意していることが必要です。相続人に連絡を拒否されて話し合いができなければ、故人の預金を引き出すことはできません。

なお、2019年7月1日から遺産分割前の相続預金の払戻し制度が施行され、相続人が単独で故人の預金を一部引き出すことができるようになりました。しかし、全額を引き出すことはできません。

遺産分割前の相続預金の払戻し制度について詳しい内容は、下記の記事を参照してください。 (参考)相続法改正 ~預貯金の払戻し制度

4-3.不動産を売却できない

不動産をはじめ故人の名義の財産は、遺産分割協議で分割されるまで相続人全員の共有になります。

共有物を売却する場合は共有者全員の同意が必要で、相続人に連絡を拒否されて話し合いができなければ、不動産を売却することはできません。売却だけでなく、建て替えや増改築、賃貸などを行うときも同様です。

4-4.相続税申告で不利になる

相続税の申告が必要であれば、10か月以内に手続きが必要です。

相続人の連絡拒否が続いて申告期限までに遺産分割協議ができない場合は、一度法定相続分で遺産分割したことにして相続税を申告します。後日、遺産分割協議ができたときに、正しい税額で申告しなおします。

この場合は、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など相続税の節税になる特例が受けられません。一部の特例については、所定の手続きをすることで適用を3年間延長することができます。
しかし、一度は特例を受ける前の高い税額で相続税を納めなければなりません。

相続税が増えるという不利益は、連絡拒否をしている相続人だけでなく相続人全員に影響します。
遺産の額が多いと税負担も大きいため、できるだけ早く相続人の全員が納得できるように遺産分割協議を成立させることが重要です。

5.連絡拒否をする相続人がいてお困りの方は弁護士に相談を

連絡拒否や無視などをして相続手続きに非協力的な相続人がいると、遺産分割の手続きができなくなります。連絡拒否が長期化するといつまでも遺産が自分のものにならないほか、相続税申告で不利になるといった弊害もあります。

連絡拒否をする相続人がいてお困りの方は、相続問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。専門家が間に入ることで、相手が冷静になって話し合いに応じるようになるケースもあります。

この記事を掲載している税理士法人チェスターは、遺産相続を専門に扱う法律事務所と協力関係にあります。

なお、連絡を拒否する相続人との話し合いについてのアドバイスや、書面作成の支援に限定したご依頼も承っております。 弁護士が表に出るとトラブルになるのではないかと心配されている方にも安心してご利用いただけます。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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