相続税の税理士報酬・費用の相場は、価格ドットコムと同じ?
相続税の申告に際しては、税理士にその作業を依頼する事によって、円滑に、かつ正確に申告を終えることが出来ます。税理士は相続税の計算から申告までを行ってくれますし、もしも税務調査が入ることになったというような場合にも、立ち合いやサポートをしてくれるので、自分で申告するよりも時間的、精神的な負担がはるかに軽減されます。
一方で、税理士報酬が気になるという方も多いでしょう。相続税を支払って更に税理士に報酬を支払うことになるので、その負担を心配する方もいらっしゃるかもしれません。
相続税の税理士報酬は、相続財産の総額等にもよりますが、数十万から数百万が見込まれます。決して安くはない金額ですので、当然依頼する事務所も慎重に選びたいと思われる方がほとんどだと思います。
相続税申告を税理士に依頼する際の税理士費用の費用相場と、相続税申告を安心して依頼できる税理士の選び方をご紹介します。
この記事の目次 [表示]
1.遺産総額の1%が相続税の税理士報酬という相場は根拠なし!?
相続税の税理士報酬や費用というのは、あまり見慣れないものであり、初めて税理士から見積りを出された相続人は、驚くかもしれません。
税理士報酬は、以前は「税理士報酬規程」により決まっていましたが平成14年から自由化されており、各会計事務所が自由に税理士報酬を設定することが可能となっています。
そして従来から相続税の税理士費用を遺産の総額に一定の割合をかけて求める方法が広まっていたこともあり、「遺産総額の1%前後」が相続税の会計事務所へ支払う報酬の相場という風潮が広まりました。
この目安で計算すると、遺産総額が2億円であれば、税理士報酬は200万円前後ということになります。
2.現金1億円の人と、土地が1億円ある人の税理士報酬
遺産の総額に対して、一定の割合をかける方法で、税理士報酬を計算してしまいますと、ある問題が生じます。
例えば、現金1億円を持っていた人と、土地が複数あり合計で1億円持っていた人を比べますと、税理士事務所の作業は異なります。
現金だけが財産であれば、ただ相続税の申告書に「現金1億円」と記載すればよいので楽ですが、土地が複数あれば、路線価を調べ、現地調査を行い、専門的な評価をする作業が生じます。
それにも関わらず、1億円の総財産に1%をかけて、税理士報酬が共に100万円であったとすると、現金だけしか財産がない人から、税理士報酬をもらい過ぎていることになりますね。
このように、遺産総額に割合をかける税理士報酬の設定方法は、一定の問題があるため、最近では遺産総額に対する税理士報酬の増加は抑えながら、土地の数等の作業量が増加する部分に対して加算報酬を設定する税理士事務所もあります。
このあたりは、事務所によって違いがあるため事前に確認を取っておくとよいでしょう。
3.相続税の税理士報酬は、価格だけではなく、「質」も重要
例えば電化製品を購入する時に、価格を比較するサイトを閲覧することがありますね。
しかし、実際には価格の大小はもちろんのこと、製品の詳細な情報や口コミ、販売店の実績等を見ながら、総合的に購入する製品と店舗を選ぶことになります。
相続税申告の仕事も同様です。
なにか目に見える物を購入するわけではないのですが、依頼する税理士の経験値や実績、専門性等をよく検討する必要があります。
これは医者に例えると分かりやすいです。
医者には外科、内科、耳鼻科と専門分野が分かれているように、税理士も法人税、所得税、消費税、相続税と専門分野が分かれています。
一般的な税理士のイメージとして、「税理士であれば、税金のことはなんでも詳しい」を思われている方も多くいます。
しかし、実際には日本全国の税理士事務所の中で、相続税に詳しい税理士はごく僅かしかおりません。多くの税理士は法人税や所得税を専門に取り扱っており、相続税はほとんど経験がないという税理士が大半であることが実状です。
ある年のデータでは、年間の相続税申告数が約4.5万件で、税理士の数は約7万人でした。このデータを見ても、年間1件も相続税申告を経験していない税理士が多くいるということが良く分かるかと思います。
相続税専門ではない事務所が相続税申告の報酬を激安で請け負うケースもありますが、相続税に強くない税理士に相続税の相談をするということは、「内科に行って、外科の手術をお願いするのと同じようなリスク」があるということを認識しておく必要があります。
ここでいうリスクとは、実際に納税する相続税の額に大きな違いが生じてしまうリスクや、数年後に税務調査が入り追徴課税を納税しなければならなくなるというリスクです。
相続税申告業務には土地の評価や各種特例適用、名義預金や生前贈与の処理など多くの確認項目があり、高い経験や専門性が求められ、場合によっては税理士によって何千万円と相続税額が変わることもあるのです。
このため、相続税申告を依頼する際には、その税理士事務所の報酬の大小だけではなく、専門性や実績面等を確認してから決定することが大切です。
では、実際に相談先の税理士事務所が相続税に強いかどうかを判断したいという場合には、一言、次の質問をしてみると良いでしょう。
「直近1年間の相続税の申告実績を教えて下さい」
この件数が30件以上であれば、それなりに相続税の経験がある事務所だと考えて良いと思います。一方より高い専門性を求めるのであれば、年間100件以上の相続税申告実績がある事務所にお願いした方が良いでしょう。
4.相続税の税理士報酬の後出しには注意が必要
「相続人の顔色や財産内容を伺いながら、最後の申告書提出段階で、それでは今回の税理士報酬を発表します」、というような後出しの税理士報酬提示が行われていたこともあるようですが、注意が必要です。
相続税の税理士報酬は、何十万円~何百万円もかかる高額なサービスに位置づけられます。
仕事を依頼して、最後の最後に思っていたよりも税理士費用が高かったということでトラブルになることも想定されます。
また、成功報酬と称して最初の見積もりにかなり加算された料金を最終的な価格として提示するところもあるようです。
このため、必ず相続税申告をお願いする前に、税理士報酬の見積もりの説明を聞いて、いくらかかるのかを明確にしてお願いするようにしましょう。
そうすれば、一体税理士報酬はいくら位かかるのだろうと、不安にならなくてすみますし、安心して相談することができます。
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