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相続で実印登録がない場合

相続で実印登録がない場合

相続手続きにおいては、様々な場面で実印を押す必要があります。

実印とは、会社等法人の場合には登記所(法務局)で印鑑届書において提出した印鑑(通称は会社印・会社の実印・丸印・社長印などと呼ばれます)、個人の場合には市区町村に届け出た印鑑をいいます。

これらの印鑑は届出の際に押印した印鑑について、印鑑カードが発行され、この印鑑カードを所持している人が申請した場合には印鑑証明書が発行されることになっています。

つまり、遺産分割協議書などの書面に押印した印鑑が本人の意思により行われたことを確かめる方法として、あらかじめ公的機関に提出している陰影を証明した書面をセットにすることで、本人が自らの意思で遺産分割協議書などの内容を理解した上で、相続分の放棄や譲渡などの法律行為を自らの意思で行ったことを証明するための証拠となるという仕組みをとっています。

理論上の構成よりも実際に印鑑登録をして利用してみるほうがわかりやすいということができます。

印鑑証明書の有効期間

また印鑑証明書というと発行後3ヶ月以内が有効期間というご認識を持たれている方が多い傾向にありますが、相続手続きの場合には、必ずしも3ヶ月以内でなくてはならないということはありません。

例えば、登記手続きを司法書士に依頼する際の委任状に押印した印鑑にかかる印鑑証明書は、3ヶ月以内であることが必要ですが、遺産分割協議書に押印した印鑑の印鑑証明書の有効期間は制限がありません。

何年前の印鑑証明書であっても有効です。

相続手続きにおいては書類ごとに印鑑証明書の有効期間は異なることになります。

印鑑登録ができないケース

では、印鑑登録ができない場合にはどのようにして対応すれば良いのでしょうか。

印鑑登録ができない場合として、もっとも典型的に考えることができるのは相続人が幼児等意思能力すらないという場合です。

この場合には、法定代理人(親権者)が本人に代わって処分行為を行いますので、法定代理人のが届出をした印鑑で押印すれば問題はありません。

また、印鑑登録ができない場合というわけではありませんが、外国人の場合には印鑑登録を強制させるという制度を日本では採用していません。

印鑑は日本独自の制度であって、外国ではサインの方が重視される法文化の国もあります。

このような場合に印鑑登録を強制させることは国際協調主義(憲法第98条)の観点から、妥当ではないためです。

この場合には、実印登録をせずとも、例えば、サインについて本国官憲の証明書(サイン証明書)をもって印鑑証明書に代えることができます。

この他実印の登録ができない場合は印鑑の不備などの場合に限られるので、実印登録ができないというケースは極めて限定的ということができます。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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