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生前贈与と相続放棄

生前贈与と相続放棄

生前贈与は、文字通り、ご健康な間に将来遺産となる可能性がある資産を無償で譲渡することをいいます。生前贈与は、主として相続税対策として多く利用されます。贈与税は年110万円までであれば課税されません。そのため、毎年少しずつ財産を贈与されることで、将来の相続税対策として利用することができます。

また、相続時精算課税制度と呼ばれる特別な制度を利用することで、節税が可能となることもあります(相続時精算課税制度の具体的なご利用方法は税理士へ相談されることをおすすめします)。

贈与契約の方法

贈与契約の方式については法律上制限はありません。単に口頭で贈与する旨を告げて相手方が承諾すれば法理論上は贈与契約は成立します(民法第549条)。

ただし、口頭による贈与は、原則として贈与者においていつでも取り消すことができます。(民法第550条)
ただし、書面による贈与(贈与契約書などを作った場合)または引渡しなどの履行が終わったもの(現金であれば振込、不動産であれば、引渡しや登記の名義変更)については、例外として取り消すことができなくなります。

この場合には、もはや贈与意思が明白なためです。このように贈与契約を利用して節税対策をお考えになる場合には、1年間における贈与額や相続時精算課税制度の利用の可能性という税制面の考慮に加えて、法規制の面として書面による贈与または履行済みという形にしておくことが重要となります。

相続放棄と相続税

一方で、民法では相続放棄という制度があります。相続放棄は相続によって得ることができる積極の財産(遺産)とともに消極の財産(負債)も承継しないという意思表示です。相続放棄は家庭裁判所を通して行います(民法第915条)。

では、生前贈与を受けた方が相続放棄をした場合に相続税は発生するのでしょうか。

この点に関しましては、遺産を取得した方に対して相続発生前の3年以内に贈与が行われている場合には、その財産に相続税が課されます。相続放棄をした方であっても生命保険金を受け取るなどした場合は、遺産を取得したものとしてこの規定が適用されます。

そのため、故人がお亡くなりになる過去3年以内に贈与が行われている場合には、相続放棄の手続きをしても課税される可能性があります。

(上記の「3年以内」は、令和9年以降段階的に「7年以内」まで延長されることになります。)

相続放棄の手続きは行政書士や司法書士に相談すればすることができますが(ただし、相続開始時から原則として3ヶ月という期間制限には十分、ご留意される必要があります)、課税の可能性は税理士へ相談されることが安心です。

このように生前贈与を受けた方が相続放棄をされる場合には、相続税の可能性も考慮されることが重要です。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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