ゆうちょ銀行の相続手続き|必要書類と流れ【2026年最新】

ゆうちょ銀行に故人名義の貯金口座がある場合、相続人はゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で相続手続きをおこないます。相続確認表の提出や必要書類の準備など手順が多いため「手続きがめんどくさい」と感じる方もいるでしょう。
この記事では、ゆうちょ銀行の相続手続きの流れや必要書類、Web・アプリの活用方法、定額貯金や古い郵便貯金の注意点を解説します。
この記事の目次 [表示]
1.【相続発生から払戻しまで】ゆうちょ銀行の相続手続き5ステップ
故人がゆうちょ銀行の口座を持っていたとき、相続人は相続の手続きをしなければなりません。ゆうちょ銀行に限らず、相続が発生した場合は遺産をすべて洗い出したり遺言書の有無を確認したりと、相続手続き前に必須のステップがいくつかあります。
参考:【相続財産調査とは】誰がするの?かかる費用や調査方法をプロが解説
参考:遺言検索システムとは?使い方・遺言書の見つけ方・利用方法や必要書類を解説
相続の手続きには期限があり、相続放棄をする場合は相続発生を知ったときから3カ月以内、相続税申告と納付は10カ月以内におこなう必要があることにも注意が必要です。

それを踏まえたうえで、ここでは相続発生からゆうちょ銀行の払戻しまでの相続手続きを5ステップで解説します。
また、ゆうちょ銀行の口座には、通常貯金・定額貯金・定期貯金などがありますが、通常貯金口座については原則として相続払戻金として受け取るのが一般的です。今回は、ゆうちょ銀行の通常貯金口座を中心に、相続手続きを確認します。
1-1.【ステップ1】口座名義人が亡くなったことをゆうちょ銀行窓口やコールセンターへ連絡する
口座名義人が亡くなったら、近くのゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口、相続コールセンターに相続の手続きをしたい旨の申出をします。申出を受けて、故人名義の貯金口座は入出金が停止されるので注意しましょう。
相続コールセンターは以下のとおりです。
⚪︎相続コールセンター
- 電話番号:0120-312-279(フリーダイヤル)
- 受付時間:9:00~17:00(土・日・祝日・12月31日~1月3日を除く)
1-2.【ステップ2】窓口やWeb、アプリで「相続確認表」を提出する
相続確認表とは、被相続人の口座情報や相続人との関係性を表すゆうちょ銀行独自の書類です。相続が発生した旨を連絡したら、相続確認表は郵便局窓口で提出するほか、相続Web案内サービスで作成して窓口に提出したり、ゆうちょ手続きアプリから提出したりできます。
1-2-1.郵便局窓口で提出する場合
郵便局で受け取ることもできますが、相続確認表は以下からダウンロードも可能です。郵便局窓口で提出する際は自分で印刷して使うことができます。
参考:ゆうちょ銀行「相続確認表(PDF)」
窓口へ出向く際は、全国にあるどの郵便局でも受け付けてもらえます。以下から事前に来店予約すると、優先的に案内してもらえるため便利です。
参考:ゆうちょ銀行「予約サービス」
1-2-2.相続Web案内サービスで提出する場合
相続Web案内サービスを使うと、インターネット上で必要情報を入力し、相続確認表を作成したり、必要書類の案内を確認したりできます。相続確認表を出力して窓口へ提出できるため、通常は2回必要な来店回数を原則1回に減らせます。窓口に出向く手間を軽減できるので、平日の日中に時間が取れない方におすすめです。
参考:ゆうちょ銀行「相続書類案内」
ただし、以下の場合は相続Web案内サービスの対象外となるため、窓口に出向いて手続きをしましょう。
- 故人がゆうちょ銀行の口座を持っているかどうかが不明
- 故人の口座の記号・番号がわからない
- 投資信託や投資一任サービスを利用している
- 非課税貯金を利用している
- 住宅ローンを利用している
- 電子マネーを利用している
- 名義人である故人よりも後に亡くなった相続人がいる
1-2-3.ゆうちょ手続きアプリで提出する場合
ゆうちょ手続きアプリは、相続だけではなく住所や氏名の変更、キャッシュカードの暗証番号登録などさまざまな手続きができるアプリです。相続Web案内サービスと同様にアプリ経由で相続確認表を記入・提出できるため、窓口に出向く手間を軽減できます。
参考:ゆうちょ銀行「ゆうちょ手続きアプリ」
ただし、以下の場合はゆうちょ手続きアプリで相続の手続きができません。
- 故人の口座の記号・番号がわからない
- 相続する貯金等の数が13口座以上ある
- 故人が投資信託を持っており、そのファンド名が不明
- 相続人の人数が所定よりも多い(※)
※所定の人数はアプリ上で案内されるのでご確認ください。
1-3.【ステップ3】1〜2週間後に「必要書類のご案内」が郵送で届く
窓口で相続確認表を提出した場合、またはゆうちょ手続きアプリで手続きした場合、申し込みから1~2週間程度でゆうちょ銀行から「必要書類のご案内」が郵送されます。案内に従って必要書類を準備しましょう。
相続Web案内サービスを利用した場合は、Web上で必要書類の案内をダウンロード・印刷できます。郵送を待つ必要がないため便利です。
1-4.【ステップ4】必要書類を揃えて窓口へ提出
必要書類が揃ったら窓口へ提出しましょう。窓口が混雑することもあるため、窓口へ提出する場合も来店予約することをおすすめします。提出書類のうち返却を希望するものがある場合は、提出時に申し出ましょう。
1-5.【ステップ5】払戻しまで1週間~1カ月。受取口座で期間が変わる
払戻しまでにかかる期間は、1週間~1カ月程度です。払戻し先がゆうちょ銀行の口座であれば約1週間~2週間で完了しますが、ほかの金融機関の口座で受け取る際は、これより時間がかかることがあります。
そのほか、他行への振込をする場合は、窓口でほかの金融機関宛てに振込をする際と同じ振込手数料がかかることにも注意しましょう。
2.ゆうちょ銀行の相続手続きが「めんどくさい」と言われる3つの理由
ゆうちょ銀行の相続手続きは「めんどくさい」と言われることもあります。なぜゆうちょ銀行の相続手続きは手間がかかるのか、他行の手続きと比較しながらその理由を3つ解説します。
2-1.ほかの銀行と違う「2段階方式」が面倒と感じる最大の理由
ゆうちょ銀行の相続手続きでは相続確認表の提出が必須となっています。これが面倒と言われる最大の理由です。
一般的な金融機関であれば、名義人が亡くなった旨を連絡すると、手続きの流れや必要書類を案内してもらえます。一方、ゆうちょ銀行では、名義人が亡くなったことを伝えたあとに相続確認表を提出しなければ、必要書類を教えてもらえません。
このように、2段階方式で手続きを進めなければならない点に、不便さを感じる方が多いのでしょう。
預貯金の相続に必要な書類など、一般的な手続きは「【預貯金の相続に必要な手続き】必要書類や期限、リスクを解説」で解説しているので、参考にしてください。
2-2.平日に窓口で最低2回の手続きが必要
「相続確認表の提出」「必要書類の提出」と、ゆうちょ銀行で一般的な相続手続きをする場合は、最低2回は窓口に出向く必要があります。窓口が開いているのは平日の昼間なので、予定を合わせるのが難しい人も多いのではないでしょうか。
ただし、Webサービスやアプリを使うと相続確認表の提出をインターネット上でできるため、窓口へ出向く回数を1回のみにできます。Webやアプリを使うことで、手間を軽減できるでしょう。
2-3.払戻し先に他行の口座を指定すると時間や費用がかかる
一般的な金融機関では、払戻し先の口座が他行のものであっても特別に時間がかかることはありません。しかし、ゆうちょ銀行の口座からの払戻し先に他行の口座を指定すると、払戻しまでに1カ月ほどかかることがあります。また、他行への振込には所定の手数料も必要です。手数料は振込金額が5万円以上なら880円、5万円未満なら660円です。口座残高が手数料の660円以下の場合、他行への振り込みはできず振替払出証書での払戻しになります。
ゆうちょ銀行の口座を指定する際は、特別な費用は不要で払戻しは1~2週間程度で完了します。
3.【ケース別】相続手続きに必要な書類一覧
ゆうちょ銀行の相続手続きでは、必要な書類は状況によって変わります。実際に必要な書類は相続確認表を提出後に案内されますが、ここでは一般的に必要になる書類についてケース別に解説します。
3-1.遺言書・遺産分割協議書の有無で変わる必要書類のパターン
相続の手続きに必要な書類は、遺言書や遺産分割協議書の有無で変わります。ここからは、ケース別に必要書類をご紹介します。
3-1-1.遺言書がある場合の必要書類
故人が残した遺言書がある場合、相続手続きに必要となる主な書類は以下のとおりです。
- 故人の婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本、もしくは法務局から交付を受けた認証文付きの法定相続情報一覧図の写し
- 故人の貯金通帳・キャッシュカードなど
- 遺言書(※)
- 相続人・遺言執行者の印鑑登録証明書
- 相続人・遺言執行者の実印
- 遺言執行者選任審判書(遺言執行者が家庭裁判所に選任された場合)
※電磁的記録で作成された公正証書遺言の場合、公証役場において受領した書面の提出が必要です。電子データや電子データを印刷した書面では受け付けてもらえません。また、自宅などで保管されていた自筆証書遺言や秘密証書遺言は、家庭裁判所で検認済みのものが必要です。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合、検認は不要です。
3-1-2.遺産分割協議書がある場合の必要書類
遺言書がなく遺産分割協議書がある場合、相続手続きに必要となる主な書類は以下のとおりです。
- 故人の婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本、もしくは法務局から交付を受けた認証文付きの法定相続情報一覧図の写し
- 故人の貯金通帳・キャッシュカードなど
- 遺産分割協議書
- 相続人の印鑑登録証明書
- 相続払戻金を受け取る相続人の実印
残高証明書の具体的な取得方法や注意点については「相続で残高証明書は必須!取得方法と注意点を銀行別にわかりやすく解説」をご確認ください。
3-1-3.遺言書・遺産分割協議書がない場合の必要書類
遺言書も遺産分割協議書もない場合、相続手続きに必要になる主な書類は以下のとおりです。
- 故人の婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本、もしくは法務局から交付を受けた認証文付きの法定相続情報一覧図の写し
- 故人の貯金通帳・キャッシュカードなど
- 相続人の印鑑登録証明書
- 相続払戻金を受け取る相続人の実印
3-2.残高証明書を取得したいときに追加で必要な書類
残高証明書とは、指定した時点の口座残高を証明する書類です。相続税申告で相続財産を確認する際に取得することがあります。貯金の払戻しとあわせて残高証明書を取得したいときは、以下の書類を用意して提出しましょう。
- 戸籍謄本等(故人が亡くなったことと故人と相続人との関係がわかるもの)
- 手続きする人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 手続きする人の印鑑
- 残高証明書発行手数料(1通につき1100円)
3-3.代理人に依頼するなら委任状も忘れずに
代理人が手続きをするなら委任状も必要です。委任状は委任する人が自筆で記入のうえ押印して代理人に渡しましょう。以下からダウンロードして使うことができます。
参考:ゆうちょ銀行「委任状(相続用)」
4.ゆうちょ銀行の相続手続きに関するよくある質問
ゆうちょ銀行の相続手続きに関するよくある質問と、それに対する回答をご紹介します。
4-1.残高が少額なら簡易手続きできる?
故人名義の口座残高の合計が少額で、相続人間で紛議がないなど一定の条件を満たしている場合は簡易的な手続きで払戻しができます。
口座残高の合計が10万円以下の場合、相続手続きをおこなう相続人の代表者が次の書類を持参のうえ窓口で手続きをおこないます。
- 故人の貯金通帳やキャッシュカードなど
- 相続人代表者の印鑑(認印でよい)
- 相続人代表者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
口座残高の合計が10万円を超え100万円以下の場合では、上記に加えて次のうちいずれかの書類が必要です。
- 戸籍謄本等(故人が亡くなったことと故人と相続人との関係がわかるもの)
- 法務局から交付を受けた認証文付きの法定相続情報一覧図の写し
つまり、口座残高の合計が100万円以下の場合は、実印や印鑑証明書なしで簡易的な手続きが可能になります。ただし、払戻し手続きをする際は、少額であってもトラブル防止できるように、ほかの相続人へ事前説明しておくほうが無難です。
4-2.手続きは相続人全員でおこなう必要がある?
相続人全員で窓口に行く必要はなく、代表の相続人が手続きすることもできます。ただし、相続の内容によっては、相続人全員の確認や書類への署名・押印、印鑑登録証明書の提出が必要になる場合があります。
必要な書類や、署名・押印が必要な人の範囲は相続確認表の提出後に受け取る「必要書類のご案内」で確認しましょう。
4-3.定額貯金や定期貯金の相続手続きは?
定額貯金や定期貯金を相続する場合も、基本的には通常の貯金と同様の相続手続きが必要です。ただし、相続した定額貯金や定期貯金はすぐに払い戻すだけではなく、相続人の名義に変更して満期まで保有する方法を選べる場合もあります。
たとえば、満期前に中途解約すると利子の条件が変わるなど、不利になる可能性がある場合は、名義変更をしたうえで満期まで保有することも選択肢となります。
定額貯金や定期貯金を相続するときは、満期日や利子の条件を確認したうえで、払戻しを受けるか、名義変更して保有を続けるかを検討するとよいでしょう。判断に迷う場合は、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で確認することをおすすめします。
4-4.手続きの時間や手間を短縮するためにできることは?
相続Web案内サービスやゆうちょ手続きアプリを活用すると、相続確認表の提出をインターネット上でできるため、窓口に出向く回数を減らせます。
また、不明点がある場合には、相続コールセンターに電話して事前確認をしておくと、書類の不備などを防ぐことができスムーズな手続きが可能になります。
4-5.古い郵便貯金通帳が出てきたときはどうしたらいい?
遺品整理をしているなかで、故人名義の古い郵便貯金通帳が出てくることがあるかもしれません。郵政民営化前(2007年9月30日以前) に預け入れた「定額郵便貯金」「定期郵便貯金」「積立郵便貯金」は、満期後20年2カ月経つと法律により権利消滅の扱いになり、払戻しができなくなると案内されています。
ただし、場合によっては払戻しを受けられることもあるため、古い郵便貯金通帳や証書が見つかったら、早めにゆうちょ銀行に持参のうえ相談しましょう。
なお、郵政民営化前に預け入れた通常郵便貯金や、2007年10月1日以降に預け入れた定額貯金・定期貯金は、ゆうちょ銀行で取り扱われます。
参考:独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構「重要なお知らせ(郵便貯金)」
5.ゆうちょ銀行の相続の手続きをスムーズに終えるためのポイント
ゆうちょ銀行の相続手続きは、①口座名義人が亡くなったことを連絡する、②相続確認表を提出する、③必要書類の案内を受ける、④必要書類を提出する、という流れで進みます。そのため、手続き完了までには一定の手間や時間がかかります。窓口で手続きする場合、通常は原則として2回窓口に出向く必要があり、これも「めんどくさい」といわれる要因です。
しかし、相続Web案内サービスやゆうちょ手続きアプリを利用すれば、必要情報の入力や相続確認表の作成・提出にかかる手間を減らせます。故人の口座や相続の状況によっては利用できないケースもありますが、手間と時間を軽減したい方は、Webやアプリのサービスを活用するとよいでしょう。
ゆうちょ銀行の通常貯金では払戻しが一般的ですが、定期貯金や定額貯金がある場合には、名義変更をおこなって満期まで保有する方法を選べる場合があります。満期日や利子の条件によっては、すぐに払戻しを受けるよりも、満期まで保有した方がよいケースもあるでしょう。
ゆうちょ銀行の相続手続きは、状況によって判断に迷ったり、必要書類の準備が煩雑になったりすることもあります。不安や不明点がある場合は、ゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口、または相続の専門家に相談することをおすすめします。
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
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