遺産分割協議書が2通以上ならなるべく割印を。契印はさらに重要
遺産の相続人が複数いる場合、人数分の遺産分割協議書を作成します。作成した文書には割印や契印を押しますが、押し方を間違えると相続上のトラブル発生につながることもあり得ます。トラブル防止のため、割印・契印について確認しましょう。
この記事の目次 [表示]
1.相続人が複数いる場合に割印が必要
遺産の相続人が複数いる場合、人数分の遺産分割協議書を作成しなければなりません。このとき作成した書面には割印を押します。割印を押す理由や押し方、割印に失敗した場合の対応について学びましょう。
1-1.遺産分割協議書を人数分作成し各自が保管
故人の遺産を誰がどのような割合で引き継ぐのか、遺産の分け方について協議するのが『遺産分割協議』です。その結果決定した遺産の分け方についてまとめた書類を『遺産分割協議書』と呼びます。
遺産分割協議書の作成には、相続人全員が参加しなければなりません。仮に相続人が未成年であった場合でも、代理人が参加して協議を進めます。
遺産分割協議書は相続人の人数分作成し、各自が1部ずつ保管するのが一般的です。2部以上作成する場合は『割印』の押印が必要になります。
遺産分割協議書の作成方法について詳しく知りたい場合は、以下を参考にしてください。
遺産分割協議書への記載方法|相続税の申告相談なら【税理士法人チェスター】
1-2.割印を押す
遺産分割協議書は、法的な効力を持つ法律文書です。遺産分割協議書に基づいた内容で分割を行うことで、法律上のトラブルを回避します。
とはいえ、協議書の枚数が多い場合などには、割印を押すことが難しくなります。このような場合は無理して割印を押す必要はありません。割印の押印は義務ではないためです。
割印は『あればさらに偽造がしにくくなる』という性格のものなので、無理に押す必要がない点は覚えておきましょう。
1-3.割印の押し方
割印とは、対象となるすべての書類にまたがるように印鑑を押すことで、書類の関連性を保証するためのものです。
割印は、一般的には書類の上部に押します。書類を少しずらして置き、すべての書類にまたがるように押すのがポイントです。
1-3-1.割印に失敗した場合
割印に失敗してしまった場合は、失敗した印影に重ねる形で再度押印し、その近くに割印を押します。これが割印の訂正方法です。
このとき、一般的な契約書のように二重線を引き、訂正印を押す方法はNGと考えましょう。この方法だと割印の改ざんが容易にできてしまうためです。
何度も失敗してしまった場合は、遺産分割協議書自体をもう一度作り直すことを考えましょう。
訂正印や捨印についてより詳しく知りたい場合は、以下を参考にしてください。
遺産分割協議書の捨印や訂正印の押し方|解説図でひと目で確認|相続税の申告相談なら【税理士法人チェスター】
2.遺産分割協議書の内容が複雑な場合
遺産分割協議書は1枚に収めて作成するのが理想とされますが、内容が多かったり複雑だったりして1枚に収まらない場合はどうすればよいのでしょうか。対処法と押印の仕方について解説します。
2-1.1枚に収まらない場合は複数ページ作成する
遺産分割協議書は、可能なら1枚でまとめるのがよいとされています。複数枚に及ぶと書類の紛失や押印のミスが発生しやすくなり、その場合また作成するのに時間がかかるためです。
とはいえ、1枚に収めるのはあくまで理想であり、複数枚にわたっても法的に問題はありません。
内容が多かったり複雑だったりして協議内容が1枚に収まらない場合は、複数ページにわたって作成しましょう。遺産分割協議書は用紙や形式について規定がなく、基本的に自由に作成することが可能です。
2-2.契印の押し方
遺産分割協議書が複数ページに及んだ場合『契印』を押します。契印と割印の違いについても把握しておきましょう。
契印とは、一つの契約書のページが複数にまたがった場合に、ページとページの見開きにまたがって押印することです。
割印は、同じ内容の契約書を複数作成する場合に、それらが同一の契約書であることを証明するためのもの、契印は同一の契約書内でページ同士の関連を証するものと覚えておきましょう。
3.割印と契印の意味、効果
割印と契印は、法律上の義務というわけではありません。しかし、遺産分割協議書では押すのが一般的です。その意味と効果について解説します。
3-1.割印はトラブル防止のために押しておきたい
割印を押すのは、主に遺産分割のトラブルを防止するためです。割印があることで、複数部発行した協議書の内容がすべて同一のものであることを証明できます。
割印が押された文書を合わせると一つの印影になるため、協議書の改ざんや複製が難しくなります。相続人同士のトラブルを防ぐ意味でも、割印は重要な意味を持っているのです。
3-2.契印は必ず押す
契印を押す場合、対象は一つの契約書内の複数ページになります。ページ同士にまたがって契印を押すことで、ページ同士の関連性を裏付けることが可能です。
契印は、勝手にページを増やされて条項を追加されたり、逆にページを抜き取られたりするのを防ぐ役割を持ちます。
契印がないからといって法律的に協議書が無効になるわけではありませんが、トラブル・偽造防止のためにも必ず押しておいた方がいいでしょう。
4.手続きに使う大事な書類は確実に作成しよう
遺産分割協議書は、遺産相続におけるトラブルを防ぐために作成するものです。このとき、割印や契印を押すことで、よりトラブルを防止する効果が上がります。割印や契印について正しい知識を身につけた上で、協議書を作成しましょう。
遺産協議に関する税金の問題について詳しく知りたい場合は、専門家に相談することをおすすめします。税理士法人チェスターに相談してみましょう。
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