相続が発生したら遺産の調査をしましょう!!
相続が発生すると遺産の分割や、相続の単純承認、限定承認、相続放棄など相続人が何をどうするかを判断するために遺産の調査を行う必要があります。
遺産の調査とは具体的にどんなことをすれば良いのでしょうか?今回は遺産の調査についてご説明します。
この記事の目次 [表示]
1.まずは自宅をチェックしましょう
被相続人の遺品を確認し、財産についてわかるものが無いかを捜索してみましょう。
書斎やタンス、金庫などに預貯金通帳、有価証券、権利証などが保管されている可能性があります。また、エンディングノートなど財産の情報が記載されている書面等を発見する可能性もあります。
【遺言が発見された場合】
もし遺言が発見された場合はその場で開封しないでくださいね!ご自宅に保管されている遺言は「自筆証書遺言」の可能性が高いです。封がされた遺言を勝手に開封してしまうと無効になる恐れがあります。
遺言書の入った封筒を勝手に開けたら相続できなくなるって本当?
2.預貯金をチェックしましょう
被相続人が利用していた金融機関を「知っているか」「知らない」で方法が変わります。
(1)被相続人が利用していた金融機関を「知っている」場合
金融機関が分かっている場合には、その金融機関へ問合せを行い相続開始時点での残高を照会してもらいましょう。相続人であれば、取引履歴も照会が可能です。取引履歴が確認できると借入等も確認できます。
(2)被相続人が利用していた金融機関を「知らない」場合
自宅に届いている郵便物に金融機関からの物がないかを確認してみましょう。それでも解らない場合は、自宅近くの金融機関や被相続人の職場近くの金融機関などで相続開始時点での残高の照会を行いましょう。
(3)ネット銀行は?
ネットが普及している現代では、ネット銀行などで預金を管理している可能性もあります。ネット銀行の場合、通帳が発行されないため口座の存在を知らないということも十分にありえます。この場合は、インターネットの履歴や口座開設時の書類等から判断する必要があります。
(4)残高証明を発行してもらうために必要な書類
残高証明を発行してもらうには、いくつか書類が必要になります。金融機関によって必要な書類が変わる可能性がありますので、事前にきちんと確認しておきましょう。
3.不動産をチェックしましょう。
法務局や市町村役場等で不動産の確認をします。法務局で登記事項証明書を発行してもうと、登記している不動産を確認することが可能です。
市町村役場では「名寄帳」を取得すると、被相続人が所有している不動産をしらべることが可能です。
【名寄帳とは】
名寄帳はその人が所有している不動産の一覧表です。土地家屋課税台帳や固定資産税台帳などと呼ばれることもあります。固定資産税の非課税不動産などもすべて記載されているので、被相続人の所有する不動産を確認することができます。しかし、法人名義の不動産は記載されていません。また、申請する市町村役場の該当エリアのみが記載されているため、複数の市町村にある場合はそれぞれで取得する必要があります。
4.借金などの負債もチェックする必要があります。
銀行や、消費者金融、クレジットカードなどでの借入などマイナスの財産も把握する必要があります。遺産にはプラスの財産のみではなく、マイナスの財産も含まれるため遺産を相続するとマイナスの財産も相続する必要があります。そのため、借金や負債はしっかりと確認し、債務超過になる場合は相続放棄という判断も必要になります。
負債の確認は、通帳等の確認で借入先がわかるものは直接問合せをします。
どこからお金を借りているかわからない等の場合は、下記の信用情報機関で信用情報開示請求をおこないましょう。
銀行など金融機関:全国銀行個人情報センター
クレジットカード等:株式会社シーアイシー
消費者金融:株式会社日本信用情報機構
【被相続人名義の住宅ローンは?】
一般的に住宅ローンは「団体信用生命保険」の加入が条件となります。そのため、ローンを組んだ方が亡くなった場合は保険会社が残りのローンを返済することになります。被相続人が住宅ローンを組んでいる場合は、この保険の請求手続きを忘れずに行いましょう。
住宅ローンの抵当権は自宅不動産を設定されていると思います。団体信用生命保険でローンを完済したら、抵当権を抹消する必要があります。自宅不動産の名義変更(相続登記)と一緒に、抵当権を抹消する手続きを行いましょう。
5.意外と忘れがち!その他の財産
預金や不動産などは財産としてわかりやすいものですが、他にも相続財産となるものはあります。
まとめ
相続が発生すると、被相続人の遺した遺産はいくらなのかを確定させる必要があります。そのためには、被相続人名義の物は残らず確認しなければなりません。なかなか地道な作業になりますね。遺言等にすべてを記載してあれば調査手間は省くことが可能になるので、財産を複数お持ちの方は遺言書を作成しておきましょう。また、すべての財産を調査するのが難しい場合は弁護士や司法書士などに依頼する事で財産の調査を実施してもらえます。専門家への依頼も検討してみてください。
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