相続人代表者指定届が必要になるケースとは?
家族が亡くなった時には、残された家族が亡くなった人の財産を相続することになります。
このとき、「だれが財産をどれだけ相続するのか」ということがはっきりと事前に決まっていない場合には「相続人代表者指定届」という手続きが必要になることがあります。
ここでは、相続人代表者指定届の意味や、どのようなときに必要になるのかについて解説させていただきます。
この記事の目次 [表示]
1.不動産の相続があった時には、相続した人に納税の義務が生じる
一定額以上の価値を持つ不動産を所有している人は、「固定資産税」という税金を負担する必要があります。
これまでは亡くなった人が負担して納税していた固定資産税も、その人が亡くなった後には相続をする人(相続人)が納税しなくてはなりません。
ですが、相続人がまだはっきりと確定していない場合には、相続人代表者指定届により相続人代表者を指定して税金の納付を行っておかなくてはなりません。
なお、固定資産税は市区町村に対して納付する税金で、その年の1月1日時点で登記簿上の所有権者となっている人に対して納付書が送られてきます(5月ごろに送付されます)
1月1日によりも後に相続が生じた場合に(つまりもとの所有者が亡くなった場合)には、市区町村に対して固定資産税納付に関する代表者を報告して納付を行わなくてはならないのです。
2.相続人はすぐに決まるとは限らない
相続では親族間でトラブルが生じてしまうケースも珍しくなく、相続人が確定するまで数年〜10年以上の期間がかかってしまうことも少なくありません。
なかなか相続人が確定しないのは、相続財産が1つの不動産のみの時です。
相続財産が不動産のみの場合には、1つの不動産を1人が単独相続する形になると他の相続人が不公平だと感じてしまうことが少なくありません。
日本ではマイホームを持つことが慣習として定着しているため、預貯金の金額が少ないのに住宅などの不動産があるというケースが多いのです。
考えられる解決策としては、
といった方法が考えられます。
多くの場合こうしたトラブルの解決には長い時間がかかりますので、その間の相続財産の管理人として相続人代表者指定届を役所に出しておくことが必要なのです。
3.相続人代表者指定届を出していないと、役所はどのように対応してくる?
家族が亡くなった時には死亡届が出されますので、役所側も財産の所有者となっている人が亡くなったという事実を把握しています。
死亡届の書き方を確認しておきたい方は、下記をご参照してみてください。 |
役所としては不動産などの財産がある場合には固定資産税を徴収しなくてはなりませんから、何らかの形で相続の代表者に対して納税の通知を出すことになります。
固定資産税の管理をしているのは市区町村ですので、それぞれの市区町村によって判断方法は異なります。
一般的には相続財産の所在市内に住んでいる人に通知を出したり、相続した分が多い人に対して出されたりするケースが多いです。
4.納税をせずに放置しているとどうなるの?
財産を相続する人が固定資産税の納税を怠っていると、役所側は「取り立て」という方法で強制的に税金を徴収しようとします。
最初は郵便や電話といった形で督促が行われますが、それでも納税を行わずに放置していると役所側は不動産の差し押さえという形で強制的に徴収を行うこともあります。差し押さえというのは裁判所を通して財産の処分を禁止する措置のことです。
差し押さえに移行する期間はそれぞれの市町村によってさまざまですので一概には言えませんが、半年〜1年間という場合が考えられます。
差し押さえ後にも滞納を続けた場合には最終的に不動産を競売にかけて売却代金から固定資産税を徴収するという方法がとられることもあります。
5.正式に財産を引き継ぐ人が決まるまでは、とりあえず2分の1にしておくなどの対処が必要
納税の手続きなどを誰も取りたくないというようなケースでは、思い切って不動産は売却してしまうことも検討してみる必要があります。
誰も住めないような状況の不動産であれば劣化が進む前に売却してしまった方が良い条件で売れることもあるためです。
先祖代々の土地や住居なのでどうしても他人に売ることはできないというような場合であれば、とりあえず正式に承継者が決まるまでは固定資産税は2分の1ずつ負担しておくなどの措置をとっておくと良いでしょう。
まとめ
相続に関してもめごとになる可能性が高いと判断される場合には、役所に対しての届け出(相続人代表者指定届)は早めに行っておくことがリスクを下げるためには必要といえるでしょう。
納税を長期間怠っていると相続する財産そのものを失ってしまう(前述のように役所により競売にかけられてしまうなど)こともありますので注意しましょう。
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